表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
あくまはあくまで助けたい 〜悪魔を憎む少女は悪魔と契約する〜  作者: 花梨


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

8/9

奇跡の村


本作は【毎日19:00】に最新話を定期更新中です!


世界を喰らい尽くす暴食の王は、少女との誓いだけは喰い尽くさない。

孤独な復讐の少女と、不器用な悪魔の王が紡ぐダークファンタジー、どうぞ最後までお楽しみください!

「北部の村へ向かってもらう」


教室の空気がざわついた。


教壇に立つ教師は、疲れた顔で羊皮紙を閉じる。


「最近、北部で行方不明者が相次いでいる。騎士団も調査に入ったが、原因は不明だ」


「悪魔災害ですか?」


生徒の一人が尋ねる。


教師は眉をひそめた。


「それが妙なんだ。生き残った村人たちが、皆“奇跡を見た”と言っている」


奇跡。


その言葉に、教室がざわめく。


エレナは黙ったまま窓の外を見る。


嫌な響きだった。


教師が名簿を開く。


「今回は実地訓練も兼ねた調査任務になる。選抜メンバーは――」


嫌な予感がした。


「ラインハルト・フォン・アストリア」


当然のように名前が呼ばれる。


教室が小さくどよめく。


ラインハルトは無言だった。


「ミリア・ルクス」


「は、はいっ!?」


後方の席で、小柄な少女が飛び上がる。


淡い金髪。


気弱そうな顔。


補助術式を得意とする生徒だった。


そして。


教師が少しだけ言葉を止める。


「……エレナ」


空気が凍った。


視線が集まる。


エレナは眉をひそめた。


「なんで私」


教師が困った顔をする。


「……セラフィム様の指示だ」


教室がさらにざわつく。


セラフィム直属。


それだけで異常だった。


教師は咳払いする。


「ラインハルトは監督役を兼任する。危険があれば即時撤退。独断行動は禁止だ」


ラインハルトが静かに立ち上がる。


「了解しました」


事務的な声。


そこに感情はない。


ミリアがおずおずと手を挙げた。


「あ、あの……どうして私が……?」


「治癒術式と結界術式の成績が優秀だからだ。後方支援として同行してもらう」


「うぅ……」


不安そうに縮こまる。


教師は最後にエレナを見る。


「……これは実地訓練だ。同時に、お前の監視任務でもある」


教室が静まり返る。


誰も口を開かない。


エレナだけが、小さく舌打ちした。



馬車は北へ進んでいた。


窓の外は灰色の空。


重たい雲。


揺れる荷台の中で、ミリアはずっと縮こまっていた。


エレナの正面。


露骨に緊張している。


「……」


「……」


沈黙が痛い。


やがて、耐えきれなくなったのか、ミリアが小さく口を開いた。


「あ、あの……」


「何」


「エレナさんって……本当に悪魔契約者なんですか……?」


馬車の空気が止まる。


ラインハルトが静かに目を閉じた。


エレナは眉をひそめた。


「……知らない」


肩の上で羽音が鳴る。


ブゥン。


『契約者ではある』


「私は認めてない」


即答だった。


羽音だけが静かに響く。


『そうか』


それ以上、ベルゼブブは何も言わなかった。


ミリアはどう反応していいか分からず、完全に固まっている。


ラインハルトだけが静かに窓の外を見ていた。


エレナは小さく舌打ちし、視線を外へ向ける。


灰色の景色。


嫌な感じがした。


胸の奥がざわつく。


その時。


肩の上。


羽音が止まる。


エレナの目が細くなる。


「……どうした」


返事はない。


珍しい。


ベルゼブブが黙っている。


しばらくして。


低い声が響いた。


『……嫌な臭いがする』


その声は。


今までになく冷たかった。



村へ着いた頃には、日が落ち始めていた。


寂れた村だった。


人が少ない。


妙に静かだ。


村人たちは、エレナたちを見ると怯えたように目を逸らす。


そして。


皆、同じ首飾りをつけていた。


銀の十字架。


エレナの呼吸が僅かに止まる。


「……教会」


村の中央。


古びた石造りの建物。


その前に、一人の男が立っていた。


黒い神父服。


穏やかな笑み。


優しそうな目。


「王立騎士学校の方々ですね」


柔らかな声だった。


「ようこそ、辺境の村へ」


その笑顔を見た瞬間。


エレナの背筋に悪寒が走った。


肩の上。


羽音が鳴る。


ブゥン。


今までで一番低い音だった。


『……下がれ、契約者』


初めてだった。


ベルゼブブの声に。


明確な警戒が混じっていたのは。

ここまでお読みいただき、本当にありがとうございました!


少女と悪魔が仕掛ける偽りの世界への反逆劇を、ぜひ明日も見届けてください!


2大公式コンテストに挑戦中!

本作は「小説家になろう」公式の以下の大型タイアップ企画に参加しています。


第1回 ブシロードワークス小説大賞(キーワード:BWK大賞1)


第2回 BK小説大賞(キーワード:BK小説大賞2)


なろうのコンテストにおいて、読者の皆様からの応援が何よりも強力な選考基準になります。


「ストーリーの続きが気になる!」「キャラやバトルが格好いい!」と思ってくださった方は、ぜひこのすぐ下にある、


【ブックマークに追加】

【ポイント評価(☆☆☆☆☆を★★★★★にする)】


をポチッと押して、応援していただけると執筆の爆発的な励みになります!

皆様の一票で、エレナとベルゼブブをぜひプロの舞台(書籍化・漫画化)へ押し上げてください。よろしくお願いいたします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【キャッチコピー】 世界を喰らい尽くす暴食の王は、少女との誓いだけは喰い尽くさない。 ここまでお読みいただき、本当にありがとうございました! 本作は以下のコンテストに挑戦中です。 第1回 ブシロードワークス小説大賞(BWK大賞1) 第2回 BK小説大賞(BK小説大賞2) WEB小説のコンテストにおいて、読者の皆様からの**【ブックマーク】や、下部にある【評価(星評価・ポイント)】**が何よりも強力な選考の審査基準になります。 「エレナの復讐の行方が気になる!」「ベルゼブブのキャラや能力が格好いい!」と思ってくださった方は、ぜひ応援のポチッとをお願いいたします。作者の執筆の爆発的なモチベーションになります! 次回は**【明日19:00】**に更新予定です。偽りの天使たちに管理された世界で、少女と悪魔が仕掛ける反逆の続きをぜひ見届けてください!
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ