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あくまはあくまで助けたい 〜悪魔を憎む少女は悪魔と契約する〜  作者: 花梨


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7/8

訓練場


本作は【毎日19:00】に最新話を定期更新中です!


世界を喰らい尽くす暴食の王は、少女との誓いだけは喰い尽くさない。

孤独な復讐の少女と、不器用な悪魔の王が紡ぐダークファンタジー、どうぞ最後までお楽しみください!

朝の訓練場は騒がしかった。


剣戟。


怒号。


土煙。


いつも通りの光景。


――エレナが現れるまでは。


「……来た」


誰かが呟く。


空気が変わる。


視線。


沈黙。


小さなざわめき。


悪魔契約者。


昨日から、エレナにはそんな噂が付きまとっていた。


エレナは何も言わない。


無言で木剣を取る。


肩の上で羽音が鳴った。


ブゥン。


『……視線が増えたな』


「お前のせいでしょ」


返事はない。


教師が気まずそうに咳払いする。


「今日の実技は対魔戦闘訓練だ!」


訓練場の中央。


鉄格子の奥で、黒い影が唸っている。


下級模擬悪魔。


本物ではない。


だが。


下級悪魔の魔核を使って作られた危険な訓練用魔獣だ。


「二人一組で戦え!」


教師が名簿を見る。


だが。


空気が重い。


誰もエレナを見ない。


組みたくないのだ。


教師が困ったように眉をひそめた。


その時。


「僕が組みます」


静かな声。


ラインハルトだった。


ざわめきが広がる。


エレナは露骨に顔をしかめた。


「……嫌なんだけど」


「僕も好んではいない」


即答だった。


ラインハルトは細剣を抜く。


白銀の刃。


無駄がない。


それだけで周囲の空気が張り詰めた。


教師が慌てて叫ぶ。


「では始め!」


次の瞬間。


鉄格子が開いた。


黒い影が飛び出す。


速い。


四足。


裂けた口。


鋭い牙。


生徒たちが後退る。


だが。


エレナは前へ出た。


地面を蹴る。


一直線。


悪魔が飛びかかる。


牙。


爪。


殺意。


その全てへ踏み込む。


木剣が唸る。


横薙ぎ。


鈍い音。


悪魔の首が不自然に曲がる。


だが。


止まらない。


エレナはさらに踏み込む。


振る。


叩く。


潰す。


何度も。


何度も。


骨が砕ける音。


肉が裂ける音。


訓練場が静まり返る。


悪魔はもう動いていなかった。


それでも。


エレナは止まらない。


木剣が何度も振り下ろされる。


まるで。


憎しみそのものを叩き潰すみたいに。


肩の上で羽音が鳴る。


ブゥン。


『……壊れるぞ』


「うるさい」


さらに振り下ろそうとした瞬間。


ガキィン!!


鋭い音が響く。


木剣が止まる。


ラインハルトの細剣だった。


蒼い瞳が静かにエレナを見る。


「もう終わってる」


「……」


「そいつは動いていない」


エレナの呼吸が荒い。


頭の奥が熱い。


黒炎。


飢え。


もっと壊せ。


もっと殺せ。


奥歯を噛み締める。


違う。


これは自分じゃない。


ラインハルトの瞳が細くなる。


「……そこまで悪魔を憎む理由は何だ」


その瞬間。


エレナの呼吸が止まる。


嫌な臭いがした。


古い血の臭い。


喉の奥が焼ける。


エレナは奥歯を噛み締めた。


「……お前には関係ない」


掠れた声だった。


ラインハルトは黙る。


追及しない。


ただ。


静かにエレナを見ていた。


その視線が妙に腹立たしい。


その時。


訓練場の端で教師たちの声が聞こえた。


「北部の村だと?」


「ああ。最近、行方不明者が増えてるらしい」


「悪魔災害か?」


「分からん。だが妙なんだ」


声が小さくなる。


エレナの耳だけが拾った。


「……生き残った村人が、“奇跡を見た”と騒いでいる」


奇跡。


その言葉だけで。


背筋が冷える。


肩の上。


羽音が止まる。


静寂。


ベルゼブブは何も言わない。


それが。


何より不気味だった。


ここまでお読みいただき、本当にありがとうございました!


少女と悪魔が仕掛ける偽りの世界への反逆劇を、ぜひ明日も見届けてください!


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本作は「小説家になろう」公式の以下の大型タイアップ企画に参加しています。


第1回 ブシロードワークス小説大賞(キーワード:BWK大賞1)


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「ストーリーの続きが気になる!」「キャラやバトルが格好いい!」と思ってくださった方は、ぜひこのすぐ下にある、


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皆様の一票で、エレナとベルゼブブをぜひプロの舞台(書籍化・漫画化)へ押し上げてください。よろしくお願いいたします!

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【キャッチコピー】 世界を喰らい尽くす暴食の王は、少女との誓いだけは喰い尽くさない。 ここまでお読みいただき、本当にありがとうございました! 本作は以下のコンテストに挑戦中です。 第1回 ブシロードワークス小説大賞(BWK大賞1) 第2回 BK小説大賞(BK小説大賞2) WEB小説のコンテストにおいて、読者の皆様からの**【ブックマーク】や、下部にある【評価(星評価・ポイント)】**が何よりも強力な選考の審査基準になります。 「エレナの復讐の行方が気になる!」「ベルゼブブのキャラや能力が格好いい!」と思ってくださった方は、ぜひ応援のポチッとをお願いいたします。作者の執筆の爆発的なモチベーションになります! 次回は**【明日19:00】**に更新予定です。偽りの天使たちに管理された世界で、少女と悪魔が仕掛ける反逆の続きをぜひ見届けてください!
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