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あくまはあくまで助けたい 〜悪魔を憎む少女は悪魔と契約する〜  作者: 花梨


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6/7

監視の目


本作は【毎日19:00】に最新話を定期更新中です!


世界を喰らい尽くす暴食の王は、少女との誓いだけは喰い尽くさない。

孤独な復讐の少女と、不器用な悪魔の王が紡ぐダークファンタジー、どうぞ最後までお楽しみください!

翌日。


教室は静かだった。


静かすぎた。


エレナが扉を開けた瞬間。


話し声が止まる。


視線が集まる。


そして。


逸らされる。


誰も近づかない。


昨日まで無契約者を嘲笑っていた生徒たちですら。


今は違う。


恐れている。


まるで。


触れれば壊れる爆弾を見るみたいに。


エレナは無言で席についた。


重い。


空気が。


視線が。


全部。


肩の上で羽音が鳴る。


ブゥン。


『孤独だな』


「お前のせいでしょ」


小さく吐き捨てる。


窓の外を見る。


騎士たちが訓練している。


笑い声。


剣戟。


普通の光景。


なのに。


自分だけ別の世界にいるみたいだった。


その時。


教室がざわつく。


「白翼……」


誰かが呟いた。


扉の前。


一人の少年が立っていた。


金髪。


蒼い瞳。


整いすぎた顔立ち。


静かに。


空気だけが張り詰める。


生徒たちが慌てて道を空けた。


少年は真っ直ぐエレナの席へ向かってくる。


一歩。


また一歩。


近づくたび。


圧が増す。


強い。


なのに。


どこか危うかった。


鋭すぎる刃みたいに。


「エレナ・クロフォード」


穏やかな声だった。


「ラインハルト・フォン・アストリアだ」


周囲が息を呑む。


エレナは眉をひそめた。


「……何の用」


「セラフィム様から言伝だ」


ラインハルトは淡々と言う。


「しばらく君を見ておけと」


「監視ってこと?」


「そう捉えても構わない」


即答だった。


悪意がない。


だから余計に腹が立つ。


エレナは舌打ちする。


「私は動物じゃない」


「だろうね」


ラインハルトは静かに答えた。


「だから僕も、まだ判断できていない」


その言葉に。


エレナは少しだけ違和感を覚えた。


見見落としていない。


恐れてもいない。


ただ。


観察している。


肩の上で羽音が鳴る。


ブゥン。


『気に入らん目だ』


その瞬間だった。


ラインハルトの瞳が揺れる。


空気が変わった。


黄金の光。


淡い。


なのに。


息が詰まる。


窓ガラスに亀裂が走った。


生徒たちが悲鳴を上げる。


ラインハルトが苦しそうに胸を押さえた。


光が不安定に揺れる。


エレナの背筋に悪寒が走る。


見えない。


なのに分かる。


何かいる。


巨大な何かが。


ラインハルトの後ろに立っている。


『――ベルゼブブ』


声が響く。


低い。


重い。


それだけで空気が震えた。


肩の上。


小さな羽虫が羽音を止める。


静寂。


初めてだった。


ベルゼブブが黙ったのは。


エレナの喉が鳴る。


怖い。


違う。


緊張だ。


ベルゼブブが。


緊張している。


数秒。


重い沈黙。


やがて。


小さな羽音が鳴った。


ブゥン。


『……久しいな、ミカエル』


次の瞬間。


黄金の光が膨れ上がる。


教室が揺れた。


机が軋む。


悲鳴。


圧力。


空気そのものが裂けそうだった。


エレナは咄嗟に立ち上がる。


その瞬間。


頭の奥で鐘の音が鳴った。


教会。


赤い月。


祈る神父。


血。


吐き気。


呼吸が乱れる。


「……っ」


視界が赤く染まりかける。


飢え。


黒炎。


喰いたい。


違う。


駄目だ。


肩の上で羽音が鳴る。


ブゥン。


『抑えろ』


低い声だった。


初めてだった。


命令ではなく。


制止だったのは。


エレナは奥歯を噛み締める。


黒炎を無理やり押さえ込む。


その時。


ラインハルトが小さく息を呑んだ。


初めて。


その顔に感情が浮かぶ。


困惑。


理解できないものを見る目。


「……何なんだ、君は」


エレナは答えられなかった。


自分でも。


分からなかったからだ。


ここまでお読みいただき、本当にありがとうございました!


少女と悪魔が仕掛ける偽りの世界への反逆劇を、ぜひ明日も見届けてください!


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第1回 ブシロードワークス小説大賞(キーワード:BWK大賞1)


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「ストーリーの続きが気になる!」「キャラやバトルが格好いい!」と思ってくださった方は、ぜひこのすぐ下にある、


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皆様の一票で、エレナとベルゼブブをぜひプロの舞台(書籍化・漫画化)へ押し上げてください。よろしくお願いいたします!

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【キャッチコピー】 世界を喰らい尽くす暴食の王は、少女との誓いだけは喰い尽くさない。 ここまでお読みいただき、本当にありがとうございました! 本作は以下のコンテストに挑戦中です。 第1回 ブシロードワークス小説大賞(BWK大賞1) 第2回 BK小説大賞(BK小説大賞2) WEB小説のコンテストにおいて、読者の皆様からの**【ブックマーク】や、下部にある【評価(星評価・ポイント)】**が何よりも強力な選考の審査基準になります。 「エレナの復讐の行方が気になる!」「ベルゼブブのキャラや能力が格好いい!」と思ってくださった方は、ぜひ応援のポチッとをお願いいたします。作者の執筆の爆発的なモチベーションになります! 次回は**【明日19:00】**に更新予定です。偽りの天使たちに管理された世界で、少女と悪魔が仕掛ける反逆の続きをぜひ見届けてください!
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