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あくまはあくまで助けたい 〜暴食の牙とディストピア反逆劇  作者: 花梨


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2/5

黒炎


本作は【毎日19:00】に最新話を定期更新中です!


世界を喰らい尽くす暴食の王は、少女との誓いだけは喰い尽くさない。

孤独な復讐の少女と、不器用な悪魔の王が紡ぐダークファンタジー、どうぞ最後までお楽しみください!

「何……これ」


エレナは自分の手を見た。

ひび割れた鉄剣から、黒い炎が立ち上っている。

熱くない。

むしろ、冷たい。

なのに、周囲の空気が歪むほどの熱量を感じる。


「ギ、ギギ……!」


目の前の悪魔が、初めて後退った。

醜い顔が、恐怖に歪んでいる。

さっきまで、あれほど嘲笑っていた化け物が。


エレナは一歩、踏み出した。


軽い。

身体が、信じられないほど軽い。

全身の細胞が、新しく生まれ変わったかのような感覚。

耳の奥で、まだ小さな羽音が鳴り響いている。

ブゥン。

うるさい音。

だが、今はそれが妙に心地よかった。


「殺す」


短く呟き、エレナは地を蹴った。

爆発的な速度。

さっきとは次元が違う。

一瞬で悪魔の間合いに入り、鉄剣を振り下ろす。


「ガアアッ!?」


悪魔が腕で受け止めようとした。

だが、無駄だった。

黒い炎を纏った鉄剣は、悪魔の硬い皮膚を、肉を、骨を、まるでバターのように容易く両断した。


血は流れなかった。

斬られた断面から、黒い炎が燃え広がり、悪魔の肉体を「喰らって」いく。

そう、斬るのではない。

この炎は、悪魔を貪り喰っているのだ。


「ギ、ア、ガアアアアアッ!?」


絶叫。

悪魔の巨体が、内側から黒い炎に焼き尽くされ、一瞬で灰へと変わる。

残ったのは、焦げた匂いと、底なしの静寂。


エレナは剣を握り直した。

まだ、終わっていない。

深紅の霧の向こうから、さらに多くの気配が近づいてくる。

一体、二体……いや、十数体。

下級悪魔の群れ。


普通なら、絶望する状況。

学校の騎士たちですら、全滅しかけた数の暴力。

なのに。


(あぁ……)


エレナの胸の奥が、激しく脈打った。

ドクン、ドクンと、心臓が暴れる。

恐怖ではない。

怒りでもない。

これは――飢えだ。


もっと。

もっと、あの肉を。

あの魂を。

喰らい尽くしたい。


強烈な、原始的な歓喜。

身体の奥底が、悪魔を貪ることに、異質な喜びを感じていた。


「うっ……!」


エレナは突然、激しい吐き気に襲われた。

自分の手が震えている。

喜んでいるのは自分じゃない。

中にいる、あの悪魔(影)だ。

分かっている。

分かっているのに、その衝動に自分の身体が同調しかけている。


気持ち悪い。

悍ましい。

悪魔を憎んでいる自分が、悪魔の力を使い、悪魔を喰らうことに喜びを感じている。

最悪だ。

虫吐きがする。


「お前……」


肩の上。

いつの間にか、小さな羽虫が止まっていた。

赤い目をした、黒い羽の虫。

あの暗闇にいた、影の成れの果て。


羽虫が羽を鳴らす。

ブゥン。


『嫌悪するか、我が契約者よ』


頭の中に、直接声が響く。

冷淡で、傲慢な声。


『だが、これが我らの力だ。喰らわねば、次はお前が喰われるぞ』


「黙れ……」


エレナは奥歯を噛み締めた。

吐き気を無理やり飲み込み、迫り来る悪魔の群れを睨みつける。

視界が、少しずつ赤く染まっていく気がした。


「言ったはずだ……私は、お前を利用するだけだと」


『くくっ、ならば見せてみよ。その鉄剣で、どれだけ我を満足させられるかをな』


羽音が響く。

悪魔の群れが、一斉に飛びかかってきた。


エレナは鉄剣を構える。

黒い炎が、さらに激しく、深く、燃え上がった。


「失せろ、化け物ども」


少女は、地獄の真ん中へ、再び自ら飛び込んでいった。

ここまでお読みいただき、本当にありがとうございました!


少女と悪魔が仕掛ける偽りの世界への反逆劇を、ぜひ明日も見届けてください!


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本作は「小説家になろう」公式の以下の大型タイアップ企画に参加しています。


第1回 ブシロードワークス小説大賞(キーワード:BWK大賞1)


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なろうのコンテストにおいて、読者の皆様からの応援が何よりも強力な選考基準になります。


「ストーリーの続きが気になる!」「キャラやバトルが格好いい!」と思ってくださった方は、ぜひこのすぐ下にある、


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皆様の一票で、エレナとベルゼブブをぜひプロの舞台(書籍化・漫画化)へ押し上げてください。よろしくお願いいたします!

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【キャッチコピー】 世界を喰らい尽くす暴食の王は、少女との誓いだけは喰い尽くさない。 ここまでお読みいただき、本当にありがとうございました! 本作は以下のコンテストに挑戦中です。 第1回 ブシロードワークス小説大賞(BWK大賞1) 第2回 BK小説大賞(BK小説大賞2) WEB小説のコンテストにおいて、読者の皆様からの**【ブックマーク】や、下部にある【評価(星評価・ポイント)】**が何よりも強力な選考の審査基準になります。 「エレナの復讐の行方が気になる!」「ベルゼブブのキャラや能力が格好いい!」と思ってくださった方は、ぜひ応援のポチッとをお願いいたします。作者の執筆の爆発的なモチベーションになります! 次回は**【明日19:00】**に更新予定です。偽りの天使たちに管理された世界で、少女と悪魔が仕掛ける反逆の続きをぜひ見届けてください!
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