ユーリ・ランの日記
2084-10-10
アルビオンとその輸送機、相手側のデータが十分に揃った。これで索敵モニターにリアルタイムで表示が可能となる。
ニホンでの戦闘の直後、イギリスにVN-2082の新たなマーカーが出現した。今回は再構築の発現した特殊個体が多く見られる。
2084-10-15
イギリスでの戦闘。
特殊個体にインサートしたアイナ隊長がまず出撃。あんなことを経験して、隊長は怖くないのだろうか。
その後、アス、シロウもインサートし、特殊個体を初めて操った。
2084-10-16
イギリスにもアルビオンが投入されていた。しかし、その動きはニホンのものと比べかなり劣っていたとのこと。特殊個体を操れば、全く相手にならないようだ。
アス、シロウ共に、初めての特殊個体へのインサートはアイナ隊長の言っていたほど気持ちの悪いものではなかった様子。
相性なのだろうか?
2084-10-18
休息を挟み、数回インサートを繰り返す。苦もなく全域を壊滅。
2084-10-20
VN-2082は巣に戻り、行動がほぼ止まった。
数体が地上を巡回しているだけだ。
アイナ隊長はそんな特殊個体にインサートを繰り返している。未来に悪影響を与えるような施設が残っていないか見回っているとのことだが、そこまで行動させる力はどこから出ているのだろう。
2084-10-22
VN-2082の動きが止まり、すっかり暇になった。
まだ紐が引っ張られる様子はない。不安だ。早めにカプセルに入る。
2084-10-23
カプセルに入ると、あらゆる不安から開放されすっきりする。ありがたい。
2084-10-25
ニホンの中部で移動を止めた生殖個体と思われるものの生態観察をしてもよいか、アイナ隊長に聞いてみた。
生態観察に使用するヴァリアブルシップのチャージ残量を心配したけど、それくらいのことなら影響ないだろうということで許可された。
これで研究と暇潰しができる。ちょっと、いや、かなり嬉しい。
この時間に発生させた生命体は、偶発的なものでいずれ強制終了される。そのため、その生態の研究は今回の任務には含まれていない。しかし、せっかく生命として誕生したのだから、何か記録を残してやりたい。
あたしの好きな花からその生殖個体をスミレと名付ける。
2084-10-30
アイナ隊長にパネルを操作してもらい、初めてスミレにインサートした。
通常個体なので、視野を借りるだけだったけど、全く動かず見えるのは鬱蒼とした木だけだった。
その後、生体情報を得るために観測用のクサビを打ち込んだ。
2084-11-07
スミレは巣となる穴を掘らず、ずっと地表にいる。
少しずつ成長しているようだが、他で見た生殖個体と比べるとかなり小さい。
生殖個体だけでは巣も作れず、栄養も摂れないということだろうか。
2084-11-11
モニター上のスミレのマーカーが時々消えそうなくらい薄くなることがある。送られてくる生体情報に照らし合わせると、その時体温など代謝が落ちているようだ。やはり栄養上の問題なのか。それとも、無理やり発生させた生命体なので、この時間では存在が不安定なのだろうか。ちょっと不思議。
2084-11-12
アイナ隊長は相変わらず地表を巡回している。
2084-11-17
スミレはずっと動かない。しかし、わずかだけど成長している。捕食行動が全くないのに、どこから栄養を摂取しているのだろう?




