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狐の嘘と君の真  作者: 華宵 朔灼 / よぴこ
本編 -中学生-
35/59

23 学校での彼の話

 何だか暗い顔してるね?

 いつもの明るさはどこ行ったんだよ?

 先輩体調でも悪いんですか?

 おいおい、お前の取柄は底なしの明るさだろ?

 

 「俺はいったいどんな奴なんだよ」


 いつでも明るいヤツ!


 「んじゃ今の俺は俺じゃないんだろうな」


 馬鹿じゃね? 悩み事すら笑い飛ばすからお前なんだろ。

 いいじゃん、お前のアイデンティティーは底なしの明るさと、なんでも吹き飛ばしちゃいそうな笑い顔なんだから。


 「俺は………」


 悩みなら俺らに吐き出して、軽くなったら俺らの悩み聞いてくれよ。

 軽くなればどこまででもイケるぜ? 


 「でも………」


 あんたがウジウジしてんのすっごいキモチワルイから、さっさと吐いて楽になっちゃいなよ! もしかしてかつ丼とかないと吐かない気? 止めてよね! 中学生のお財布の中身はいつでも雀の涙なんだから!

 二時間ドラマが始まるのかと思ったら昼ドラ?


 「ぷっ、あははは」


 あ、笑った!


 「なんか悩んでたの馬鹿みてぇ」


 なんだと? 蒼月のくせに私が馬鹿だと言いたいのかこの野郎。


 「いや、俺昼ドラとか見ないし」


 いつも見たいに能天気な明るさがお前の取柄なんだから、そうやっていつもみたいに笑っとけよ。

 んで? 全く悩み事なんてありませんって顔した赤点常習犯は、一体なににそんなに悩んでたんだよ。


 「いや、ちょっと………初めて友達と喧嘩して」


 友達と喧嘩して落ち込むとか。お前は小学生か!

 いや、ほら、友達と意見が合わなくてアンニュイになることとかあるじゃん。ってかアンニュイってどういう意味だっけ?

 確か英語じゃなかったよね? 三年の英語以外の外語を選択してる先輩ならわかるんじゃない?


 「意見が合わないって言うか、むしろ喧嘩が初めてで仲直りの仕方が………」


 おいおい、小学生かよ。

 言い合いすらしたことなかったわけ?


 「あったけど………大体向こうから謝ってきたから、許す方だったし………」


 うっわー、ずいぶんいい友達に恵まれてきたんだねー

 ま、疎遠になるよかちゃんと謝った方がいいよな。


 「でさ、どうやって謝ればいいのかな?」


 向こうが謝ってくるってことはないの?


 「いや、なんか俺が一方的に喧嘩吹っかけて疎遠になってるって言うか………」


 なにそれ。

 蒼月が誤ればそれで解決すんじゃん。


 「いや、それもそうなんだけど、どうやって話を切り出せばいいか分からないって感じで」


 それこそ直球でしょ。

 いや、直球でいくと逆に誤解するんじゃねーの?

 つか相手男? 女?

 え!? じゃあ彼女との初めての喧嘩?


 「だー! 違うっ! 友達は男! その友達とその妹が喧嘩の原因ってか」


 ちょっと奥さん、この子既に昼ドラの世界にいるようよ。

 やだわ奥さん、痴情のもつれを持ち込まないで欲しいわよね。

 てめーら全員結婚したら旦那さんだろうがよ。

 だって旦那さんは道端で噂話に興じたりしねーもん!


 「昼ドラはもーいーよ!」


 謝りたいって思ってるなら、ちゃんと真っ直ぐ謝った方が良いと思うよ。

 さすが誤りの神! 謝ることを誤って大変なことになった経験があるお前の言葉は胸に響くわー。

 ちょっ!

 何それ詳しく

 馬鹿乗んな!


 「えーと?」


 とにかくいつものお前らしくしてればいいんじゃない?


 「いつもの俺?」


 そそ。

 素直で、馬鹿正直で、思ったことをすぐに口走っちゃうようなそんな感じで。


 「それって総じて馬鹿って言ってない?」


 あははっはー


 「くそうっ」


 でも、そんな蒼月を皆大好きなんだから。

 いつも蒼月の周りは笑顔で溢れてるでしょ?

 それは蒼月が笑顔を振りまいてくれてるからなんだよ。


 「あ、ありがと」


 蒼月がイケメンだったらもっとよかったのにねー

 あ、それは思った


 「しまらねぇ………」


 はいはい、午後の授業始めますよー

 あれ? 蒼月君元気になったようでよかったわ。

 はい、問題集の六十八ページを開いてねー


 「行ってみるか、藍鉄んとこ………」

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