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白い光。
そう、確かにそれらは白い光であった。
一つは自明。禍ツ忌ノ鬼が球状の身体を開き、中から現れ出た〝龍蛇〟が放った白光である。
白き矢の進む先は言うまでもなく宙に浮かんだ〝石環〟だ。
だが――――――紙一重の瞬間で――――――ない。
石環が、既に、ない。
その答えは単純。
もう一つの白い光が先に石環を打ち砕いていた。
白い光。
稲妻の光
ユイナの切り札――〝雷公符〟。
『行って……ヒミコ』
〈アマテラス〉の瞳が〈サグメ〉の姿を捉えた。
装甲のほとんどが消し飛び、大破に近い状態だ。
無理もない――ヒミコは直感的に理解する。
ユイナは弱まっていたとはいえそれでもなお残っていた第一射の中を無理矢理突破し、石環目掛けて御札を放ったのだ。
そうしてたった一度の好機を作り上げたのである。
「……悪い、方波見」
ヒミコは初めて口にした。
ユイナの名を。
「一つ、借りができたな」
次の瞬間。
〈アマテラス〉の巨体が鬼門へと沈む。
ヒミコは視界の片隅で即座に再生を始める石環に気づいていたが――構うものか。
その前に、終わらせる。




