第7話:完璧な補給線と、三人目の相棒
「え、このポーション売らないの?」
驚くようにしているハックに俺はいった。
テーブルの上には緑青石でつくった高濃度のポーションがたくさんある。
「まあ売ってもいいが一時期の金になるだけだ。それにたくさん売れば価値が暴落する。
最上級の素材や専属の配合師を連れている上位のギルドからすればただの害悪だ。
注目を大量に浴びて反感を買う可能性が高い。
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いくら強いタンカー、アタッカーがいても回復ができなければ相手からすればただの消耗戦だ。
簡単に負けてしまう。大手ギルドが高価なポーションを買い占めて前線を維持する中、俺たちは安価な普通鉱石から無限にポーションを供給できる。これだけでも戦術上の優位は圧倒的だ。
「そして……この潤沢な補給線を活かして、三人目を迎える」
俺はハックとアーチェを引き連れ、街の廃屋へと向かった。
そこにポツンと座り込んでいたのは、ボロボロの聖職服を着た少女姿のBot――回復職の『フィア』だった。彼女はMPの管理ができないためすぐMP切れになって肝心の後半に回復ができないことからゴミと言われ追放されたのだ。
「フィア。お前がガス欠を起こしていたのは、MPの計算式とポーションの回復ディレイ(待ち時間)の仕様を知らなかっただけだ。俺の教えるタイミングでこのポーションを使えば、お前のMPが尽きることは二度とない」
「え、まさか私、また誰かの役に立てるの?」
「ああ、このオフライン軍隊のヒーラー役としてな」
フィアの目に希望の光が宿る。アーチェと似たような感じであの頃を思い出す。
――絶対的な防壁。
――100%必中の狙撃。
――無限の物資と、底なしの回復力。
裏切りがない。信頼で満ちた最強のパーティが完成した。
「よし……足場は整った。次は、俺たちを舐めてかかってくる連中に、本物の格の違いを教えてやるとしよう」
今、没落した男の逆襲が始まった。




