7/8
長月のトンボ
「秋の訪れ」
昼間はまだ夏のような暑さでも、夕方になると空気が違う。
しかも家の陰になる庭は、風でも吹けば少し冷える。
その風は前の山の枝を揺らし、枝の葉はさらさらと鳴る。
その音までもが違う気がして、秋なんだなあとしみじみとする。
畑に植えられた夏の野菜は、盛りを過ぎてくたびれている。
不格好なキュウリ、傷のあるナス、まだ小さいのに赤く染まるトマト。
それは最期の足掻きだろうか?
それとも最期の意地だろうか?
でもそんな姿は、何となく格好良い。
やや先の枯れ始めた夏野菜の前を、トンボ達が軽快に飛び交う。
やはり、見えない季節のバトンは、確実に次に渡されている。
「赤、茶、青。」
赤いトンボはなかなか可愛い。
小さくて、鮮やかな色。
茶色いトンボ、大きいな君は。
それにしても、その羽の角度疲れないかい?
青い目の君……トンボだよね?
羽は二対あるけど、変わった形。
とりあえず、はじめまして。
観察させてくれるとうれしい……んだけど、残念、行っちゃった。