怪異風邪
——後日、マホミルが血を吹いて倒れた。
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「見て、クレア! 風邪よ、風邪!!」
マホミルは半ば興奮気味に言った。久しぶりに風邪をひいたため、謎にテンションが上がってしまった。
そのまま、その異常に高すぎるテンションが空回りして無理をした挙句、マホミルは数回咳込んだ。
「あーもう、無茶するから〜。 それにしてもししょー、大丈夫なの??」
「まぁ、なんとか。数日寝込めば直るわよ。きっと」
力なくベットに横たわったマホミルの額には、濡れたタオルがのせられていた。
倒れたのは今朝のことだ。すぐに起き上がろうとしたが、ひどい熱が出ていた。師匠は回復魔術もそれなりに得意らしい。熟練の魔術師である師匠が言うなら、風邪で間違いないのだろうが、それでもクレアは心配だった。今のとこ普通に喋れてるし、そんな感じはあまりしないが、本人は相当辛いはずだ。そうでなければ、いきなり倒れたりしない。あらためてマホミルの顔を見てみる。いつも血が通ってないように真っ白い顔が、珍しく赤みを帯び、やたらと頬が赤いようだった。息もとぎれとぎれだったし、いつもより苦しそうだった。やはり、本調子ではないらしい。
(風邪なんかひくような、体じゃないのだけどね…)
マホミルは思った。生前風邪にかかったのを最後にして、病気にかからない体質になったはずなのだが。
きっと、昨日街に行ったから、なんらかしらの感染病をもらってきたのだろう。魔法薬も回復魔術も効かないとなれば、もう回復するための手段は、せいぜい安静にしてるぐらいだ。今日は諦めて大人しくしていようか。
体調が悪いのに、無理をしてクレアに叱られてしまい、マホミルはちょっと気まずくなってきた。話の話題をそらした。
「それよりクレア、そろそろ修行してる時間じゃないの?」
確かに、いつもならクレアはとっくに魔法の練習を始めてる時間だった。もちろん、クレアはマホミルの事が心配だったが、ここにいてもタオルを取り替えるぐらいしかできることはなかった。
「…そうだね、じゃあ行ってくるよ。ししょー、無理しないでよね」
「わかってるわよ。それじゃ、いってらっしゃい」
クレアは渋々、マホミルの部屋をあとにした。
バタン、と音を立てて扉が閉まった。
……やっと一人になれた、とマホミルは思った。割とすんなり行ってくれてよかった。風邪で弱ったところを他人に見られたんじゃ、たまったもんじゃない。
……さぁこれから何をしようか。まだ1日は長い。ベットの上という限られたスペースの中で、長時間過ごすのは、意外ときつかったりする。幸いマホミルには、まだ本調子には程遠かったものの、症状がピークだった時は過ぎ、まだ起きていられるほどの元気があった。そのため寝る気にもなれず、何をしようかと、ぼーっと天井を眺めて考えていた。風邪により脳にいくリソースが割かれ、うまく考えようにも思考が鈍る。最終的に、流石に術式を開発するぐらいの元気はなかったため、溜まった魔導書を読むという無難な回答でおさまった。マホミルは枕元にあった魔導書を適当に手に取り、読み始めた。
おまけ
クレア:ししょーが魔法使いに詳しいと聞いたので、
「魔法使いって手足が自在に伸びたりテレポートが出来るの?」と質問したら、
「そんな事が 出来る人は 滅多に 居ない」 と教えてくれた。




