付喪の迷い子
ゴールデンウィークで家族と旅行に行ってたりして遅れました(ᗒᗩᗕ)
「クレア…?」
クレアの姿がどこにもなかった。いつからいなくなった?
「クレア! 戻ってきなさい!」
呼びかけた声は、人混みの中に消えた。返事はない。
ざぁ、と全身の血の気が一気に引き、ぞわりと心臓が変な鼓動をうつ。幼い子供が一人で街を彷徨くのは危険だ。もし人攫いにでも捕まったら…急いで探さなければ。
待て待て待て、私は何故こんなにも焦っているのだ。どうせ気まぐれでとった弟子だ。いなくなったところで、さほど問題もないじゃないか。よほど大切なもの、というわけでもなかろう。あの子は確かに才能はあるが、精神が未熟すぎる。いっそ、このままおいて どこか遠くに行ってしまおうか。それで死ぬならその程度の器だったということだ。私は無条件で子供を助けるほど親切な人間というワケでもないし、わざわざ助けてやる義理もない。
それに、探し出すにしたって、あの子の魔力は覚えている。魔力探知を使えばすぐに見つけられる。確かにクレアの魔力は一般的にみるとかなり少なく、膨大な魔力を纏ったものを探すよりも、探し出すのは難しいだろうが、街の中で魔力を持つものは少ないから、探しあてるのも容易なことだ。それに、クレアの実力ならそこらへんのごろつき程度、余裕で倒せる。何も心配なことはない。
「何慌ててるんだろ…私」
少しでも動揺してしまった自分に困惑する。あれから冷静さを失うことなんて、滅多にないのに。
……いなくなってからあまり時間は経っていないし、子供の足では移動できる距離に限界がある。そう遠くは行っていないはず。
やはり自分の中に、あの逸材を失うのは惜しいという気持ちがあった。
とりあえず魔力探知を使ってみた。すぐに見つかった。予想通り、場所はそう離れておらず、今いる道の少し先に進んだ方だった。
しばらく歩くと少し開けた場所に出た。大きな通りだった。
イアデル:明日、チキューでは‘こどもの日’らしいな。暗黒物質の始祖である俺にとって一族の奴らは全員、実質自分の子供だが…あんな生意気な子供もそうそう居ないよな。




