君の肺に籠る
「なんで人間のこの時期って、こんなに可愛く見えるのかねぇ」
ドロテアはそう言いながら微笑みを浮かべた。思わず口角が上がらずにはいられないくらい、愛くるしく思えた。
よく見るとその人は全体的に体の色が薄かった。否、色が薄いのではなく、体自体が透けていた。その人に実体はなかった。
「見ろ、天使だ。天使がいるぞドロテア」
不意にどこからか声が聞こえた。横の茂の中からだった。ドロテアは半ば反射的に声のした方向を見た。
ドロテアと全く同じ顔をした人だった。強いて言うならば、外見的な年齢が少々異なっていた。ドロテアがまだ体の出来上がっていない14歳ほどの、青年のような見た目をしているのに対し、その人は外見的には二十代前半くらいだった。
「…なんでいるんだよ」
「何か不都合な点でも?」
ドロテアは怪訝そうな表情を浮かべるも、目線をクレアの方へと戻した。そして一体どこからか取り出したのか双眼鏡を取り出して、観測隊のごとくうつ伏せなってクレアを覗いた。
そしていつの間にか、ドロテアのそっくりさんも自前のカメラ構えて連写しまくっていた。
ドロテアは双眼鏡を覗きながら言った。
「あとでその写真ちょうだい」
「ならばそろそろ器を取ったことを許してもらおうか」
「何言ってんだよ死体窃盗犯。僕の体を返せ」
どうやらこの二人は、あまり仲がよろしくないようだった。
二人が気がそらしている間に、クレアに話しかける子供がいた。
「なにつくってるのー」
「へびさんとかえるさん」
「えー、へんなのー。アソパソマソとかつくらないのー」
ドロテアは顔にうっすらと苦悩の表情を滲ませた。
「…あー、うちのクレアあんまりテレビとか観ないからなぁ」
だが次の瞬間、二人にそれを遥かに超越する悶絶級の衝撃が走った。
「ん〜、じゃあ宇宙戦艦ヤ◯ト作ろっかな!」
「「え?」」
幼女にしちゃあチョイスが渋すぎるだろ。
おまけ
【算数】ツルギが1個70円のりんごと1個30円のみかんを握り潰してこう言いました。
「次は貴様がこうなる番だ」




