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虚言の堕天使  作者: みさこんどりあ
第二部 亡霊少女の異世界放浪旅
101/108

Unfair

「ししょー、その…羽……」

「あ゙、……」


マホミルはしばらくフリーズした。どうやら本人も気づいていなかったらしい。

その後、マホミルは眉をしかつめらしく寄せて思考し、苦悩の表情を浮かべる。しばらくして、ようやく口を開く。


「……まぁ、そういう……タイプなのよ。今まで隠してたけど」


普段よどみなく滑らかに話すマホミルが、ここまで語彙力が減るのは珍しい。


マホミル曰く、面倒事に発展すると厄介なため、普段はしまっているらしい。収納ができるとは、全く便利な翼である。確かに、素性を探られたくないというのは、マホミルの態度として一貫しているように思える。


「まあ他にも、魔力量の調整とかに使ってるわ。戦闘時は、羽を出していたほうが有利ではあるわね。全体的に粗くはなるけど。羽がない時は省エネモード、といったところかしら」


翼を今まで隠し通せてたということ。それは戦闘時本気を出さずして、勝ってきたことを意味する。そりゃあ魔力の出力が多いほうが、同じ術式でも威力は強くなる。その反面その分緻密さには欠け、術も粗くなりやすくなるのだが、それでも基本的に特に攻撃特化の魔術であれば、出力が多いほど、強い。

クレアはこの間の暗黒竜との戦闘を思い出す。あれで、マホミルの実力の全てではないというのなら、マホミルが本気を出したら、一体どうなってしまうのだろうか。そこらの山でもふき飛ばせるだろうか。


そんなことを頭の中で考えていると、ふとマホミルから声がかかる。


「……ところでなんだけとさぁ、なんでこんな山奥にいたのかしら?私風邪で寝込んでたんだけど?」


——まずい。非常にまずい。顔が…、顔が笑ってない。マホミルを怒らせてしまった。これ絶対あかんやつだ。このあと2時間は説教確定のやつだ。


クレアは嫌な汗がだらだらと垂れた。クレアがマホミルのために、風邪に効く薬草を採りに行っていたことなど、マホミルは知る由もない。マホミルからすれば、風邪で寝込んでたところを突然起こされて、助けに来たも同然だから、そりゃ常識的に考えてマホミルが怒るのも当然だ。


「…その、わたし、薬s「言い訳は後で聞こうかぁ?」


セリフをキャンセルされた挙句、火に油を注いでしまった。


けれどクレアは心に決めて叫んだ。


「わたし、ししょーのために薬草採りに行ったの!!!」


その時、マホミルの長い前髪の下にある目が、確かに見開かれたのがわかった。



おまけ


マホミル:この間、夜中一人で生クリーム食べてたら、

イアデルが「共食い!!」って言ってきたので殺した。

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