表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
94/191

17

何も覚えていないような解答に、アシェスは首を傾げる。


「お前、何も覚えてないのか?」


「うん、確かジェスターさんに魔法の使い方を習ってて…」


必死で頭を凝らし思い出そうと唸っているが、アシェスはすぐにそれを制した。


「覚えてないならいい。無理に頭を使うな。それよりも身体はなんともないのか?」


「う~ん…心なしか怠い…。ねぇ…何があったの…?」


アシェスはジェスターと顔を見合わせアイコンタクトを交わした。

考えはやはり同じだ。言わずとも意志は疎通していた。頷いたジェスターを横目にスフィアにへと向き直る。


「何もねぇよ。ただお前が魔力を感じるのに集中しすぎて倒れちまっただけだ」


「そうなの?」


「初めはそんなものですよ。ちょっと魔力を吸収しすぎて身体が耐えきれなかったのでしょう。怠さはその影響ですから心配ありません」


ジェスターはやんわりと諭す。

スフィアには今後、不用意に魔法は使わせないほうが良い。二人が即座に出した結論は同じだった。

さすがのジェスターもあの惨状を目の当たりにして、浅はかだったと後悔しているのだろう。

代行者というものを軽く見すぎていたのだ。

お伽話や伝承はただ大げさに語っていたものではなかった。

それは紛れもない真実。

世界を変える力、それは本当にあるのだと。

少しばかりふらつく足を床に着け、スフィアはベッドから立ち上がる。


「歩けるのか?」


「うん、大丈夫。ちょっと身体が怠いだけだから」


スフィアはフォーザに向き直った。顔を覚えていたのかぺこりと頭を下げる。


「あの…ベッドありがとうございました。迷惑かけちゃったみたいで」


「いやいや…あのときのお嬢ちゃんがローウェンスの姫君だったとは…。こうしてお目にかかれただけで光栄ですよ。ウチの店をどうかご贔屓に…」


「このクソオヤジ!」


がつん!とフォーザの頭に拳骨が飛ぶ。


「痛っ!アシェス何をする!」


「こんなときまで商売を頭に入れるたぁとんでもねぇな…」


「まあ何だ…軽い冗談ってやつだ。オヤジギャグという言葉を知らんのか」


「知るかよそんなもん!」


乾いた笑いを浮かべていたが、アシェスは呆れていた。それでもフォーザらしいとどこか心で笑ってはいたが、一応釘は挿しておいたのだろう。


「ったく…コイツも目覚めたことだし、一度王宮に帰るぞ」


「う…うん」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ