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種馬ズ  作者: 雪だるま
第一章

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46/57

41

東京ドーム。


開演十五分前。


五万五千人。


満員。


光るペンライト。


ざわめき。


熱気。


巨大スクリーン。


そこに映る文字。


【種馬ズ DOME LIVE TOUR FINAL】


歓声。


地鳴りみたいな歓声。


スタッフたちですら少し緊張していた。


今の種馬ズ。


本当に“国民的アイドル”になってしまった。


しかも。


ライブが強い。


音源だけじゃない。


現場熱量が異常。


だからドームでも埋まる。


そして。


舞台裏。


レイ。


「のだぁ……」


ストレッチ中。


珍しく真面目。


黒崎は喉調整。


神谷は静かに目を閉じている。


ハルはまだバナナ食べてる。


スタッフたちが走る。


「あと五分です!」


「映像スタンバイ!」


「照明確認!」


空気が張る。


その時。


レイがボソッと言った。


「……今日もいっぱい来てるのだぁ」


黒崎が少し笑う。


「そりゃドームだからな」


神谷も小さく頷く。


ハルはニコニコ。


「楽しみ!」


その瞬間。


開演SE。


ドォォォォン!!!


歓声爆発。


床まで震える。


レイ。


ニヤァ。


完全にスイッチが入る。


「のだっ♡」


種馬ズ。


ステージへ。


暗転。


巨大モニター。


馬の足音。


ドラム。


炎。


そして。


センターステージ。


光。


レイ。


「のだぁああああああ!!!!!!」


歓声。


爆発。


ドームが揺れる。


「キャアアアアア!!!」


「レイーーーー!!!」


「黒崎ーーー!!!」


「神谷ーーー!!!」


「ハルーーー!!!」


五万人。


完全熱狂。


種馬ズ。


現在。


本当にライブモンスターだった。


一曲目。


『種馬も辛い』


イントロだけで歓声。


レイ。


花道を走る。


「のだだぁ〜〜♩」


会場大合唱。


もう訳が分からない。


“湿布貼ってほしいのだぁ〜♩”


を五万人が歌っている。


異様。


だが。


めちゃくちゃ盛り上がっている。


黒崎は煽る。


神谷も今日は珍しく笑っている。


ハルは飛び跳ねる。


そして。


MC。


レイ。


息を切らしながら前へ出る。


「飼い主たちぃいいい!!!!」


歓声。


「餌代払ってくれましたのだぁ!?」


大歓声。


「払ったーーー!!!」


「よろしいのだぁ♡」


レイ、

超笑顔。


「今日も吾輩たちは生き延びるのだぁ♡」


「キャーーーー!!」


黒崎、

横で笑ってる。


「その言い方やめろ」


だが。


もうこれもライブ文化。


種馬ズと飼い主たち。


独特の距離感。


「のだぁ!!!」


レイ、

ドーム見渡す。


「五万人なのだぁ!?」


歓声。


「すごいのだぁ!?」


歓声。


「でもぉ!!」


指差し。


「グッズはまだ買えるのだぁ♡」


爆笑。


「お前なぁ!!」


黒崎ツッコミ。


だが。


飼い主たち。


もう慣れている。


『レイらしい』


『安心した』


『通常運転』


コメントが流れる。


そして。


ライブ再開。


『愛しの人参』


空気変わる。


ペンライト。


ゆっくり揺れる。


レイも今日は少し真面目に歌っていた。


“高い指輪はないけれどぉ〜〜♩”


観客。


普通に泣いている。


種馬ズ。


ふざけてる。


でも。


ライブになると妙に感情を持っていく。


そこが強い。


そして。


中盤。


『勝ち馬が憎い』


イントロ。


歓声。


デカい。


めちゃくちゃデカい。


レイ。


笑う。


「今日はぁ!!!」


ドーム煽る。


「負け犬ども全員叫ぶのだぁあああ!!!」


歓声爆発。


そしてサビ。


五万人。


大合唱。


“勝ち馬ばっか選びやがってぇ〜〜♩”


異様。


東京ドームで歌う内容ではない。


だが。


めちゃくちゃ盛り上がる。


しかも。


途中。


レイ。


感情乗る。


「吾輩の三年返せなのだぁあああ!!!」


悲鳴。


歓声。


爆笑。


全部混ざる。


黒崎、

笑いながら歌えてない。


ハルは転げそう。


神谷ですら口元が緩んでる。


そして。


ライブ終盤。


照明落ちる。


静かな空気。


黒崎が前へ出る。


「今日は本当にありがとうございます」


歓声。


「こんな大きい場所に立てると思ってませんでした」


静かに拍手。


神谷。


「……来てくれてありがとうございます」


歓声。


ハル。


「楽しかったーーー!!!」


歓声。


そして。


レイ。


少し静か。


珍しく。


「のだぁ……」


会場を見る。


ペンライトの海。


五万人。


全部。


自分たちを見ている。


レイ。


少し笑った。


「吾輩ぁ」


静か。


「昔はぁ」


「……」


「ライブで余ったうちわ配ってたのだぁ」


観客笑う。


黒崎も苦笑。


本当だから困る。


「でもぉ」


レイ。


少し照れくさそう。


「今はこんなに飼い主たちがいるのだぁ」


歓声。


「ありがとなのだぁ」


その瞬間。


ドーム。


歓声で揺れた。


レイ。


ちょっとビビる。


「のだぁ!?」


黒崎、

笑う。


「お前が感謝するとざわつくな」


「慣れてないのだぁ」


ハルは泣き笑い。


神谷は静かに会場を見ていた。


そして最後。


銀テープ。


炎。


歓声。


レイ。


最後の最後。


「飼い主たちぃいいいい!!!」


会場。


「うおおおおお!!!」


「帰るまでがライブなのだぁあああ!!!」


「あとグッズ通販も忘れるなのだぁあああ!!!」


「最後までそれかよ!!」


ドーム。


爆笑と歓声に包まれる。


そして。


東京ドーム。


巨大モニター。


最後に映る文字。


【また会おう】


その下。


小さく。


【餌代ありがとう♡】


黒崎、

裏で頭抱えていた。

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