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種馬ズ  作者: 雪だるま
第一章

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40

朝七時。


テレビ局。


情報番組生出演。


佐藤レイ。


現在。


芸能界でもかなり“数字を持つ若手”。


当然。


扱いも丁寧。


メイク室。


スタッフたち。


「レイさんおはようございます!」


「今日もよろしくお願いします!」


レイ。


秒速で九十度お辞儀。


「のだぁあああ!!!こちらこそよろしくお願いしますなのだぁあああ!!!」


超低姿勢。


「いつも見てますのだぁ!!!」


大嘘。


「局様には感謝しかないのだぁ!!!」


媚び。


完全に媚び。


ヘアメイクさん笑う。


「レイくん朝から元気だね〜」


「お仕事をいただける幸せを噛み締めてるのだぁ♡」


完全に営業モード。


その時。


番組プロデューサー登場。


レイ。


即起立。


「のだぁあああ!!!」


「おはようレイ君」


「おはようございますなのだぁあああ!!!」


「今日も頼むね〜」


「命をかけますのだぁ♡」


「そこまでしなくていい」


レイ、

ニコニコ。


完全に小物。


だが。


本当に偉い人には逆らわない。


芸能界の恐怖を知っているから。



数時間後。


収録終了。


レイ。


大成功。


SNSでもトレンド。


『朝からレイうるさい』


『媚び方が全力』


『また靴舐めるって言ってた』


いつも通り。


そして。


局退出。


移動車。


レイ。


「ふぅ〜〜」


急に態度変わる。


ソファへドサッ。


「疲れたのだぁ」


マネージャー田村。


「さっきまでの元気は?」


「営業用なのだぁ」


最低。


だが。


そこへ。


新人スタッフ。


まだ二十代前半。


恐る恐る言う。


「あの……レイさん」


「のだぁ?」


「次の移動なんですけど……」


「何なのだぁ?」


レイ、

急に偉そう。


「車ちょっと狭いのだぁ」


「えっ」


「吾輩クラスになるとぉ」


足組む。


「もっとフカフカじゃないとダメなのだぁ♡」


「いや今日普通に高級車ですけど」


「心が狭いのだぁ」


「どっちが!?」


レイは新人に向かって指を振る。


「社会とは気遣いなのだぁ」


「お前が言うな」


「新人ぃ」


「はい……」


「飲み物なのだぁ」


「はい!」


「冷たすぎるのは嫌なのだぁ」


「はい!」


「でもぬるいのも嫌なのだぁ」


「めんどくせぇ!!!」


田村が叫ぶ。


レイは真顔。


「大人気アイドルは繊細なのだぁ」


「ただのわがままだろ」


新人スタッフ、

若干引いている。


だが。


レイ。


上には媚びる。


下には妙に偉そう。


芸能界で最悪なタイプの縮小版。



昼。


雑誌撮影。


カメラマン。


大御所。


レイ。


「先生ぇえええ!!!」


また媚び。


「いつも作品見てますのだぁ!!!」


大嘘。


「レイ君相変わらずだねぇ」


「尊敬してますのだぁ♡」


超笑顔。


だが。


数分後。


若いアシスタント。


照明ミス。


「すみません!」


レイ。


即反応。


「のだぁ?」


空気変わる。


「吾輩の顔に影が入ったのだぁ」


「す、すみません!」


「顔が命なのだぁ」


「はい!」


「次やったらグッズ価値が落ちるのだぁ」


「そこ!?」


カメラマン爆笑。


「レイ君ほんと面白いなぁ!」


レイ。


即媚び笑顔。


「ありがたいのだぁ♡」


そして。


アシスタントへ。


「気をつけるのだぁ」


「はい……」


切り替えが早い。


最悪。



夕方。


CM会議。


スポンサー。


広告代理店。


偉い人だらけ。


レイ。


また別人。


「のだぁあああ!!!」


「本日はありがとうございますなのだぁ!!!」


ペコペコ。


「御社の商品大好きなのだぁ!!!」


昨日まで知らなかった。


「レイ君本当感じいいね〜」


「そんなそんななのだぁ♡」


猫。


完全に猫。


だが。


会議後。


廊下。


若手AD。


「あの、レイさん次の資料なんですが……」


レイ。


真顔。


「遅いのだぁ」


「えっ」


「人気者を待たせるななのだぁ」


「すみません!」


「あとコピーちょっと斜めなのだぁ」


「そこ!?」


「芸能界は細部なのだぁ」


「お前さっきまで床舐めそうなくらい媚びてただろ!!」


田村ツッコミ。


レイ。


真顔。


「スポンサー様は怖いのだぁ」


「潔いな」



夜。


事務所。


新人男性スタッフ。


書類ミス。


レイ。


「のだぁ〜〜?」


ニヤァ。


「これ違うのだぁ」


「す、すみません!」


「吾輩の名前間違えるとはいい度胸なのだぁ」


「本当にすみません!」


「減給なのだぁ」


「お前にそんな権限ねえよ」


田村即ツッコミ。


レイはソファにふんぞり返る。


「芸能界は上下関係なのだぁ♡」


「お前が言うと腹立つな」


その瞬間。


社長室ドア開く。


社長登場。


レイ。


秒速起立。


「のだぁあああ!!!」


九十度。


「社長ぉおおお!!!」


「うるせぇ」


「今日も素敵なのだぁ♡」


「さっきまで偉そうだったろ」


「気のせいなのだぁ♡」


完全に猫。


新人スタッフ、

呆然。


数秒後。


小声。


「……レイさん最低だ」


田村。


静かに頷く。


「でも売れてるんだよなぁ……」


そしてその頃。


レイ本人は社長へ媚びながら思っていた。


(偉い人怖いのだぁ……)

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