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種馬ズ  作者: 雪だるま
第一章

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34 黒崎回

黒崎蓮。


種馬ズリーダー。


24歳。


現在。


芸能界で最も「謝罪と競馬が似合う男」になりつつあった。


原因。


競馬CM。


しかも。


異様に多い。


最初は普通だった。


地方競馬アプリ。


競馬新聞。


スポーツ紙。


そこから始まり。


今では。


中央競馬。


競走馬育成ゲーム。


競馬場イベント。


果ては。


馬主向け高級雑誌まで来ている。


完全に“馬業界の顔”。


当然。


黒崎本人も困惑していた。


⸻


撮影スタジオ。


巨大グリーンバック。


競走馬。


スーツ姿の黒崎。


周囲スタッフ。


「黒崎さんお願いします!」


「はい」


いつものように柔らかい笑顔。


安定感。


爽やか。


誠実。


競馬業界のお偉いさんたちは、

黒崎をかなり気に入っていた。


理由。


・落ち着いてる

・礼儀正しい

・スキャンダル少ない

・謝罪対応上手い

・馬関連ネタを嫌がらない


そして何より。


グループ名。


『種馬ズ』


競馬界隈。


最初めちゃくちゃ笑っていた。


そして気づいた。


「……これ競馬案件に使いやすくね?」


結果。


現在。


競馬案件が大量に来る。


⸻


CM監督が言う。


「黒崎さん、もう少し“信頼できる男”感で!」


「はい」


黒崎、

頷く。


カメラ回る。


「人生を賭ける瞬間がある」


低い声。


落ち着いた表情。


「だから俺は、本物を選ぶ」


後ろで馬が走る。


めちゃくちゃカッコいい。


スタッフ。


「いい!!」


「さすが黒崎さん!!」


「競馬CM慣れてる!!」


黒崎、

苦笑。


慣れたくて慣れたわけではない。


だが。


最近本当に競馬仕事が多い。


しかも。


妙にハマる。


⸻


その頃。


楽屋。


レイ。


CMモニターを見ていた。


「のだぁ」


神谷が静かにコーヒー。


ハルはお菓子食べてる。


レイは真顔だった。


「黒崎ぃ」


「なんだ」


「馬主みたいなのだぁ」


「最近よく言われる」


実際。


黒崎。


最近どんどん、

“高級競走馬クラブ代表”

みたいな雰囲気になっている。


スーツ。


時計。


落ち着き。


全部妙にそれっぽい。


ハルが笑う。


「なんか“クラシック三冠狙います”って言いそう!」


「言わねえよ」


神谷もボソッ。


「……でも似合う」


「お前まで」


黒崎はため息。


だが。


事務所は大喜びだった。


競馬案件。


単価が良い。


スポンサーも太い。


しかも。


最近は女性ファンも普通に競馬場へ来る。


“種馬ズ効果”。


競馬場側も驚いていた。


「女性客増えてる!?」


「若い客増えてる!?」


「なんで!?」


理由。


黒崎。


⸻


競馬場イベント当日。


とんでもない人数。


「黒崎ーーー!!」


「キャーーー!!」


「かっこいいーー!!」


そして。


混ざる。


ガチ競馬おじさん。


「黒崎くん馬券どう思う!?」


「黒崎リーダー!!今日の本命は!?」


カオス。


競馬ファンと飼い主が混ざっていた。


黒崎本人は普通に営業していた。


「今日は皆さん楽しんでください」


爽やか。


その横。


レイ。


「のだぁ……」


競馬場グルメを食べていた。


「美味いのだぁ♡」


完全に観光客。


司会者が笑う。


「レイくん競馬やるの?」


「やらないのだぁ」


「なんで?」


レイ、

真顔。


「ギャンブルで負けるくらいなら自分のグッズ転売した方が安定なのだぁ」


「最低」


競馬関係者爆笑。


黒崎は頭を抱える。


「お前ほんとそういうこと言うな」


「現実主義なのだぁ♡」


その時。


競馬協会の偉い人が黒崎へ近づく。


「黒崎さんぜひ来年も……」


「ありがとうございます」


また営業。


また笑顔。


レイはその様子を見ながらボソッと言う。


「のだぁ……」


「何」


「黒崎だけどんどん上級国民みたいになってるのだぁ」


「言い方」


実際。


最近の黒崎。


妙に人脈が広い。


馬主。


企業社長。


スポンサー。


局幹部。


全部と話せる。


しかも。


空気を壊さない。


だから好かれる。


一方。


レイ。


「のだぁ♡競馬場限定アクスタ高騰しそうなのだぁ♡」


終わってる。


黒崎は遠い目をした。


⸻


夜。


事務所。


黒崎が戻る。


机の上。


また競馬案件。


・競馬場CM

・GⅠ特番ゲスト

・競走馬育成ゲーム

・高級時計×競馬コラボ


黒崎。


「……また?」


田村が苦笑する。


「黒崎=馬、になってきてる」


レイが即反応。


「種馬なのだぁ♡」


「お前黙れ」


ハルは笑い転げていた。


神谷は静かに言う。


「……でも似合ってる」


黒崎はソファに沈みながら呟いた。


「なんでアイドルやってたら馬業界に詳しくなるんだよ……」


その瞬間。


レイ。


ニヤァ。


「のだぁ♡」


「嫌な予感」


「次の新曲」


「うん」


「“GⅠも辛い”にするのだぁ♡」


「やめろ!!!!」

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