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種馬ズ  作者: 雪だるま
第一章

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29 社長回

都内高級マンション最上階。


夜景。


ワイン。


間接照明。


そして。


クソ高いソファ。


そこに。


スターライト・クリエイティブ社長、

大門剛志は座っていた。


50代。


元ヤン。


成金。


派手好き。


酒好き。


競馬好き。


そして。


種馬ズを生み出した男。


「がっはっはっはっは!!!」


笑い声が部屋に響く。


上機嫌。


何故なら。


最近、

金が異常に入ってくるからである。


ドーム。


CD。


配信。


グッズ。


映画。


CM。


印税。


全部。


種馬ズが売れすぎている。


そして何より。


社長には秘密兵器があった。


それは――


作詞印税。


「いやぁ〜〜」


社長はワインを揺らしながら笑った。


「まさかあんな適当に書いた曲が売れるとはなぁ!!」


ソファ横。


若い愛人たちが笑顔で頷く。


「すごぉ〜い♡」


「社長天才ですぅ♡」


「才能ありますぅ♡」


全員、

媚びが完璧。


芸能界である。


愛人Aが社長の肩に寄りかかる。


「社長ぉ、“愛しの人参”も社長なんですよねぇ?」


「そうそう」


社長、

ニヤニヤ。


「酔っ払って焼酎飲みながら書いた」


「ええ〜♡すごぉい♡」


実際。


種馬ズ楽曲の何割か。


社長が適当に作詞している。


理由。


酔った勢い。


本当にそれだけ。


しかも。


妙に売れる。


「“種馬も辛い”とかぁ」


社長は腹を抱えて笑った。


「湿布貼ってほしいだけで書いたからな!!」


愛人たち爆笑。


「センスありすぎますぅ♡」


「だろぉ?」


社長は完全に調子に乗っていた。


何故なら。


印税がえぐい。


最近では。


通帳を見るたびに笑うレベル。


「いや〜〜」


ワインを飲む。


「人生分かんねぇなぁ」


数年前。


種馬ズは小箱。


グッズ余り。


名前で笑われる。


売れない。


そんなグループだった。


それが今。


ドーム。


映画。


国民的人気。


しかも。


適当に書いた歌詞まで売れてる。


「“愛しの人参”なんてよぉ」


社長は笑う。


「スーパー帰りの夫婦見て適当に書いただけだぞ?」


「天才ですぅ♡」


「生活感がリアルですぅ♡」


「庶民性が刺さるんですぅ♡」


社長。


ニヤニヤが止まらない。


完全に気持ちよくなっている。


その時。


テレビ。


種馬ズライブ映像。


レイが叫んでいた。


『飼い主ぉ!!餌代ありがとなのだぁ♡』


観客大歓声。


社長。


酒を吹きかけた。


「がっはっはっはっ!!」


「レイ君ほんと面白いですよねぇ♡」


「最高だろあいつ!!」


社長はケラケラ笑う。


「最初はただのうるせぇガキだったのによぉ!!」


実際。


レイがここまで跳ねるとは、

社長も思っていなかった。


最初の印象。


「顔はいい」


「うるさい」


「俗っぽい」


「小物」


以上。


だが。


何故か売れた。


しかもめちゃくちゃ売れた。


「いや〜〜」


社長は愛人の肩を抱きながら笑う。


「芸能界って分かんねぇなぁ!!」


「でも社長、見る目あったんですよぉ♡」


「まあなぁ♡」


ドヤ顔。


だが。


真実。


社長は種馬ズ結成時、

普通に酔っていた。


グループ名も酔って決めた。


曲も酔って書いた。


方向性も適当。


それなのに。


売れた。


奇跡。


いや事故。


だが。


芸能界とは時々そういう場所だった。


その時。


社長スマホ通知。


印税振込。


金額。


社長。


数秒停止。


そして。


「がっはっはっはっはっは!!!!!!」


爆笑。


「また増えてる!!」


愛人たちも盛り上がる。


「すごぉ〜い♡」


「社長モテモテぇ♡」


「才能ある男って素敵ですぅ♡」


全員媚び媚び。


社長も気分がいい。


「いやぁ〜〜」


高級ソファにもたれかかる。


「“人参くらい毎日買うのだぁ〜♩”で金持ちになれるとは思わなかったなぁ!!」


愛人たち爆笑。


だが。


本当にそれで儲かっている。


恐ろしい。


その頃。


別場所。


種馬ズ楽屋。


レイ。


「のだぁ?」


スマホを見ていた。


「社長また高級車買ってるのだぁ」


黒崎、

遠い目。


「印税な」


ハルが笑う。


「すごいよね〜!」


神谷は静かに呟く。


「……曲作った人が一番儲かるんだ」


レイ、

静止。


数秒。


「……のだぁ」


目が光る。


黒崎、

即察する。


「あっ」


「吾輩も曲書くのだぁああああ!!!」


「始まった!!」


レイは立ち上がった。


「印税なのだぁ!!!」


「やめろ!!」


「一生遊べるのだぁ!!!」


「夢が俗!!」


レイは真顔だった。


「芸能界とは夢のある場所なのだぁ」


「お前の夢だけ汚いんだよ」

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