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62.

「彼女ね、私に話しかけてきたんだけれど……、もうね、びっくりよ。彼女、私に頭を下げて、昔このことを謝ってきたの。もう、誠心誠意謝られたから、私も、許したんだけれど、あのマーシーが謝罪するなんて、本当に驚いたわ」


「確かに、それは驚きますね。まさか彼女が謝罪するなんて……、天地がひっくり返ってもそんなことはありえないと思っていたのですが……。そんなに変わっているのなら、一度お目にかかってみたいですね」


 なんてことを言っていたら、その願いは、一秒後に叶った。

 なんと、教室にマーシーが入ってきたのである。

 神様か、あるいは悪魔が、私の願いを叶えてくれたのだ。

 私は驚いて、何も言えなかった。

 ほかのみんなも驚いているみたいで、教室は不気味な静けさに包まれていた。


「カトリーさん……」


 マーシーが口を開いた。

 え、さん付け?


「今までのこと、本当に悪かったわ。あなたに出会ってからしてきた数々のこと、それに、学園祭のことも、本当に申し訳ないと思っているわ。本当に、ごめんなさい」


 彼女は、深く頭を下げて謝罪した。


「あ、はい、その、もう、頭を上げてください……」


 私は驚き過ぎて、それくらいしか言えなかった。


「ここにいるみんなにも、謝らせてください。学園祭で私がしたことは、許されないことです。もう少しで、学園祭が中止になるところでした。本当に、申し訳ありませんでした」


 彼女は再び、頭を深く下げた。


「私は、施設に入って生まれ変わりました。もちろん、今までの罪が消えたとは思いません。ですが、これからは全生徒の模範になるような存在になるよう、努力しようと思います。私は、過去の私とは決別しました。もう、誰にも迷惑はかけませんので、ご安心ください」


 彼女はそう言うと、教室から出て行った。


 えっと……、今、教室を訪れていたのは、どちら様でしょうか?

 あれが、私をいじめたり、学園祭をめちゃくちゃにしようとしていた人ですか?

 まるで、別人じゃないですか……。


 施設に入ったことによって、彼女は、本当に生まれ変わったみたいだった……。


 これなら、彼女が学園にいても、私の生活は脅かされる心配はない。

 もう二度と、彼女が騒ぎを起こすこともない。

 

 そう思って、いいのよね……。

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