52.
(※マーシー視点)
翌日、私は六時に目を覚ました。
毎朝起きて最初に思うのは、「もっと眠りたい」ということだ。
そして、今まではこの誘惑を我慢してきた。
しかし昨日、私は遂に、二度寝という禁忌を犯したのである。
しかも、五分だけと決めていたのに、十分も二度寝してしまった。
そのせいで、朝の点呼の時間に到着したのが、ぎりぎりだった。
ぎりぎりセーフではなく、ぎりぎりアウトだと自分では認識していたけど、何も言われることはなかった。
そういうわけで私は、今日も二度寝をすることにした。
しかし、十分だとぎりぎりなので、五分だけ二度寝することにした。
そして五分後、二度寝から目覚めた時にまず思ったのが、「べつにあと五分くらい寝ても、きっと大丈夫」ということだった。
昨日だって、点呼に遅れたことがバレなかったのだ。
指導員も案外抜けていることが分かった。
いくら厳しくて怖い存在でも、彼らだって人間なのだ。
完璧ではない。
ということで、また二度寝をすることにした。
次に目覚めたときには、六時十分だった。
昨日と同じである。
爽快な目覚めとまではいかないけど、最初に起きた時よりはかなりマシだ。
私は急いで集合場所へ向かった。
昨日と同じく、点呼は既に始まっている。
私はこっそりと、列に紛れ込んだ。
大丈夫だと思いつつも、やはり少し不安だった。
今日はバレてしまうのではないか、という気持ちも少しはあった。
しかし、点呼が終わっても、特に指導員から何か言われることはなかった。
やはり、彼らだってすべてお見通しというわけではないのだ。
明日からも大丈夫と確信した私は、毎日二度寝をするようになった。
この施設はルールが厳格だ。
でも、それ故に、点呼の時間も毎回きっちりと同じ時間に行われる。
だから私も、毎回同じように、列に紛れることができる。
「さて、今日もあと十分寝ることができるわ……」
私は毎日毎日、二度寝を繰り返した。
しかし数日後、予期せぬことが起こるのだった……。




