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50.

「あぁ、もう少しで卒業式ですね……。ハワードさんと一緒に過ごす時間が減ってしまうので、寂しくなります」


 私はハワードと一緒に、空き教室でお昼休みを共にしていた。

 学園祭が終わって、しばらく経過していた。

 残る行事は卒業式のみだ。


「そうですね。でも、高等部にいるので、会いたいと思えば、いつでも会えますよ」


 後頭部?

 死んでしまっても、いつでも君の心の中にいるよ的なことかな……。

 一瞬そう考えてしまったけれど、それは勘違いだった。

 彼は死ぬのではなく卒業するだけで、後頭部にいるのではなく高等部にいるという話だ。


「まあ、そうなんですけれどね……」


「ただ高等部に上がるだけだから、あまり卒業という感じはしません」


「でも、会える機会は確実に減るわけですから、やっぱり寂しいですよ。クラスメイトの子が言っていましたけれど、中等部になってからは、それまで仲が良かった後輩の友達とも、会う機会が減ったって言っていましたよ。卒業してからしばらくは何度か会っていても、段々と会う回数も減って、今ではほとんど会わなくなったそうです」


「確かに、そういうのはよくある話ですね。寂しいですけれど、それが普通なのでしょう」


「まあ、私も中等部に入ってからは、仲が良かった後輩の友達とも合わなくなりましたし、それが普通なのかもしれませんね。……でも、ハワードさんともいつかそうなってしまうのは、なんだか嫌です」


「そうですね……。友達と会う機会が減るのなら、友達以上の関係になるというのは、どうですか?」


     *


 (※マーシー視点)


 おかしいわ、こんなの……。

 

 私たちの関係は、指導員と生徒でしょう?

 それなのに、こんな体罰が許されるの?


「あなたたちのことは、よくわかっています。程度の差はあれど、今まで悪さをしてきた子たちなのでしょう? でも、安心してください。この施設に入れば、どんな人でも更生できますから。私たちが、必ず更生させます。どんな手を使ってでもね……」


 指導員のこの笑顔も、今の私にとっては恐怖の対象でしかなかった。

 私もこの施設を出るまでに、更生させられるの?

 この復讐心も、綺麗に消されてしまうの?

 

 いや、私は絶対に、カトリーへの復讐をあきらめないわ……。

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