48.
(※マーシー視点)
なんなのよ。
なんなのよ、これは……。
こんなの、私の望んでいた展開ではない。
何もかも順調だったのに……。
学園祭を中止に追い込んで、カトリーの学園祭活を壊す計画だったのに……。
この日のために、家でずっとメイクの練習をしていたのに……。
変装して、ただの一般客のふりをして、料理を食べて倒れるところまでは良かった。
学園祭中止まであともう少しで、カトリーも絶望する寸前だった。
それなのに、それなのに……、まさか、歯が抜けていただけで、こんなことになるなんて……。
思えば、歯が抜けたのだって、前回カトリーを陥れようとしていたせいだ。
あの時の代償さえなければ、今回はうまくいっていたのに……。
あぁ、どうしていつもうまくいかないの……。
私はただ、私の幸せを奪ったカトリーに、ささやかな復讐をしたいだけなのに、神様はなんて残酷なの……。
認めよう。
今回は確かに、私の負けだ。
でも、まだ次があるわ。
来年の学園祭では、もっとうまくやるわ。
何事もあきらめないのが、私のいいところよ。
「わかったわ! 認めてあげる! 確かに、全部私がやりました! 自作自演をして、学園祭を中止に追い込もうとしたわ! でもね、これで終わりだと思わないことね! 私はまた、同じことをするわ! カトリー! あなたの学園生活は、絶対に私が壊してあげるわ! 覚えていなさい!」
私はカトリーたちの前から去ろうとした。
しかし、一人の人物が私の腕をつかんだ。
「憲兵の者です。あなたを逮捕します」
「え……、ちょっと、離しなさいよ!」
私は抵抗したが、彼にそのまま学園の外まで連行された。
その間、周りにいた人たちからは拍手が送られていた。
彼らは、「面白かったぞ」とか「憲兵に連れて行かれている人、すごい演技力だな」とか、そんなことを言っていた。
「離して! 私は何も悪くないわ! 悪いのは全部、私から学園生活を奪ったカトリーよ!」
冗談じゃないわ。
これは演技なんかじゃない。
私は周りの人たちにそう訴えようとしたが、歓声でかき消されてしまった。
私の自作自演だと分かった今、学園祭が中止になることはないだろう。
私は、失敗したのだ……。
それに、憲兵に逮捕までされてしまった。
……逮捕?
今更、不安な気持ちが押し寄せてきた。
前回は学生だったから、罰は退学だけで済んだ。
でも今は、学生ですらない。
そんな私は、これからいったい、どんな罰を受けるの?
私は不安に押しつぶされ、震えていた。
そして、私に下された罰は、最悪のものだった……。




