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47.

「……な、なんですって!?」


 マーシーは狼狽えていた。

 最初はこんな展開になるなんて、思ってもいなかっただろう。

 そして、二人の人物が、ハワードの横に並んだ。

 それは、画家の卵くんと、歯科医師の息子くんだった。


「僕は人物画をよく描くので、出会った人のシルエットなどを見るのが癖なのですが、マーシーさんと倒れたお客さんの体型や骨格は全く同じです。いくら服装や髪形を変えてメイクをしても、体型や骨格を変えることはできません」


 画家の卵くんが言った。

 人の体型をじろじろと見るのはいかがなものかと思うけれど、それは、芸術を創作するうえでは大事な一環なのだろう。

 きっと、それ以上の意味はない。


「僕は歯科医師の息子なので、人の歯並びを見るのが癖なのですが、倒れたお客さんは、料理を食べる前は歯が全部揃っていました。でも、一本だけ抜けかけの歯がありました。そして、その人の抜けかけていた歯と、マーシーさんの抜けている歯の場所は、完全に一致しています」


 歯科医師の息子くんが言った。

 彼が言うのなら、間違いないだろう。

 私はこの学園に入学してから、「カトリーさん、歯に海苔がついていますよ」と彼に三回ほど言われているので、彼の観察眼に疑いの余地はない。

 私は意味もなく、口を閉じたまま、こっそりと歯を舌で舐めてみた。


 気付いたら、演劇部のロイくんたちが、プラカードを持っていた。

 あれは、クラスのお店にお客さんを呼び込むために用意してあったものだけれど、今はその上に紙を張って、違う文字になっている。

 

 私はそこに書かれている文字を見て、彼らの意図を察した。

 そのプラカードには、『学園祭の存続をかけた戦い! 黒幕の野望を打ち砕け!』と書かれていた。

 これは見たお客さんたちはきっと、この騒動もお芝居だと思ってくれるだろう。

 きっと、これで余計な騒ぎも起きない。

 一年に一度の楽しみである学園祭の中止なんて、誰も望んではいないのだ。


 それを阻止するために、皆が必死に頑張っていた。

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