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46.

「料理を食べて倒れたのが、私ですって? いったい、何を言っているのですか? 私がこの学園際に来た時のことを、お忘れになったのですか? 自分で言うのもなんですが、私ってこの学園の中等部の人たちの間では有名ですから、私がこの学園に来れば、誰かが気付くでしょう? 実際、私が学園祭に来た時、周りの人たちはざわついていました。もし私が料理を倒れて倒れた人物だったら、周りにいた誰かがそのことに気付いて、すぐにうわさが広がると思います。でも実際には、そんなことにはなっていません。これをどう説明するのですか?」


 マーシーが必死に言い訳をしていた。

 最初の威勢はほとんど消えていて、今は必死に抵抗している感じだった。

 そんな彼女に、ハワードは説明を続けた。


「簡単なことですよ。あなたは、別人に成りすましていたのです。髪型や服装を変え、メイクをしていれば、周りにいた人たちは、倒れた人があなただとは気づきません。実際、以前のあなたとは全然違うので、誰も気づきませんでした。あなたがカトリーさんのことをあざ笑いに来るまでは、ですけれどね」


 ハワードの言う通りだった。

 マーシーは私が絶望するところを見たくて、私たちのところへ来た。

 それだけではない。

 マーシーは、自分の姿でこの学園祭に来た。

 自分の仕業だとあえて匂わせ、それでもどうすることもできないまま、学園祭が中止になり、私が絶望する展開を望んでいたに違いない。

 それこそが、彼女の目指した完全勝利の展開だったのだろう。

 でも、それが仇となった。


 彼女は歯が抜けていることを、私たちに知られてしまったのだ。

 そのことについて、ハワードが説明し始めた。


「最初に話したように、これで、料理に紛れていた歯が、証拠になるのです。すべてはあなたの自作自演だったということですね。そのことについて、このクラスの人から有力な証言もありますよ」


「……な、なんですって!?」


 マーシーは狼狽えていた。

 学園祭を中止に追い込んで、私の絶望した顔を見る展開を望んでいたのに、こんなことになるとは思っていなかったのだろう。

 彼女の声は、最初に現れた時の勢いはすでになくなっていた。

 動揺しているのがわかるほど、声が震えていた。


「料理に混入していた歯に加えて、彼らの目撃証言があったからこそ、これがすべて、あなたの自作自演だと気付くことができたのです」


 ハワードの隣に、二人の人物が並んだ。

 彼らが、その証言者である。


 その証言者は、画家の卵くんと、歯科医師の息子くんだった。

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