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「料理を食べて倒れたのが、私ですって? いったい、何を言っているのですか? 私がこの学園際に来た時のことを、お忘れになったのですか? 自分で言うのもなんですが、私ってこの学園の中等部の人たちの間では有名ですから、私がこの学園に来れば、誰かが気付くでしょう? 実際、私が学園祭に来た時、周りの人たちはざわついていました。もし私が料理を倒れて倒れた人物だったら、周りにいた誰かがそのことに気付いて、すぐにうわさが広がると思います。でも実際には、そんなことにはなっていません。これをどう説明するのですか?」
マーシーが必死に言い訳をしていた。
最初の威勢はほとんど消えていて、今は必死に抵抗している感じだった。
そんな彼女に、ハワードは説明を続けた。
「簡単なことですよ。あなたは、別人に成りすましていたのです。髪型や服装を変え、メイクをしていれば、周りにいた人たちは、倒れた人があなただとは気づきません。実際、以前のあなたとは全然違うので、誰も気づきませんでした。あなたがカトリーさんのことをあざ笑いに来るまでは、ですけれどね」
ハワードの言う通りだった。
マーシーは私が絶望するところを見たくて、私たちのところへ来た。
それだけではない。
マーシーは、自分の姿でこの学園祭に来た。
自分の仕業だとあえて匂わせ、それでもどうすることもできないまま、学園祭が中止になり、私が絶望する展開を望んでいたに違いない。
それこそが、彼女の目指した完全勝利の展開だったのだろう。
でも、それが仇となった。
彼女は歯が抜けていることを、私たちに知られてしまったのだ。
そのことについて、ハワードが説明し始めた。
「最初に話したように、これで、料理に紛れていた歯が、証拠になるのです。すべてはあなたの自作自演だったということですね。そのことについて、このクラスの人から有力な証言もありますよ」
「……な、なんですって!?」
マーシーは狼狽えていた。
学園祭を中止に追い込んで、私の絶望した顔を見る展開を望んでいたのに、こんなことになるとは思っていなかったのだろう。
彼女の声は、最初に現れた時の勢いはすでになくなっていた。
動揺しているのがわかるほど、声が震えていた。
「料理に混入していた歯に加えて、彼らの目撃証言があったからこそ、これがすべて、あなたの自作自演だと気付くことができたのです」
ハワードの隣に、二人の人物が並んだ。
彼らが、その証言者である。
その証言者は、画家の卵くんと、歯科医師の息子くんだった。




