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35/64

35.

 (※エリオット視点)


 僕はシンシアと一緒に、学園祭を楽しんでいた。


 なんだろう……、こんな気持ちは初めてである。

 自分でいうのもなんだけれど、僕は女子からよくデートの誘いを受ける。

 しかし、デートの最中に毎回、僕は女子たちの機嫌を損ねてしまっていた。

 その原因は、僕にある。

 僕はべつにシスコンというわけではないけれど、カトリーの話題をよく持ち出す。

 そして、僕とデートしている女子は、自分がいるのにほかの女性の話をされるのが面白くないらしく、一回のデートでそれっきりということが何度かあった。


 僕はそれ以降少し学んで、女子とデートしている時は、彼女たちに気を遣ってカトリーの話題を控えるようになった。

 シスコンではないので、それくらいの我慢はできる。

 しかし、何の因果か、うっかりと無意識のうちに、ぽろっとカトリーのことを話してしまうのだ。

 それで、デートはそれっきりとなってしまっていた。


 そんな僕だけれど、シンシアと一緒に回る今日の学園祭は楽しい。


 シンシアとは、これまでにハワードの家に行った時などに、何度も話したことがある。

 しかし、二人きりというシチュエーションは初めてだった。

 最初のうちは、彼女に気を遣ってカトリーの話題は避けていた。

 しかし例のごとく、シスコンではないはずの僕は、なぜかうっかり彼女の話題を口にしてしまっていた。

 しまった、と思ったが、意外にもシンシアは嫌な顔一つせず、僕の話に付き合ってくれた。


 一応さりげなく、自然な感じで、「今までデートした女子は、カトリーの話題を出すと不機嫌になっていたけれど、君は平気なの?」とシンシアに聞いてみたところ、「私はシスコンに理解があるので大丈夫です」というのが彼女の返答だった。


 そうか……、彼女には、シスコンの兄であるハワードがいる。

 だから、こんなことには慣れているということか。

 まあ、僕はシスコンではないけれど。

 しかし、シスコンと言われること自体は嫌いではない。

 いつまでも変わらないカトリーへの愛情を、まるで褒められているように感じるからだ。


「さて、次はカトリーのクラスへ行こうか。変わった飲み物や食べ物を提供しているそうだよ」


「いいですねぇ。行きましょう、行きましょう」


 僕たちは、カトリーのクラスへ向かった。

 この楽しい時間が、もっと続くと思っていた。

 しかし、この楽しい学園祭はいつまでも続かなかった。


 以前僕に告白してきた彼女が、()()()()()をしてしまったせいで……。

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