24.
いったい、どういうことだろう?
ハワードが何を言おうとしているのか、私にはわからなかった。
でも、彼がマーシーの味方をしているというのが私の勘違いで、本当は私の味方だったと分かったことが何よりも嬉しかった。
一度でも彼がマーシーの味方だと勘違いした自分が恥ずかしい。
最初から彼は、私の味方だったではないか。
「さて、階段から落ちたカトリーさんですが、彼女は気を失ってしまいました」
ハワードが説明を続けた。
「エリオットさんと私は担架でマーシーさんを運んでいました。そこで、偶然通りかかった生徒の一人に手伝ってもらい、エリオットさんは彼と担架を持つのを交代しました。そして、私たちはマーシーさんを運び、エリオットさんは一人でカトリーさんを抱きかかえて運びました」
私が気を失っている間に、そんなことがあったのか。
まさか、エリオットが運んでくれていたなんて。
あとでお礼を言っておこう。
「そして、カトリーさんは医務室のベッドで休んでいたのですが、彼女の不運は、まだ続きました。詳細は省きますが、彼女は医務室のベッドから勢いよく落ちたのです。本人は勢いよく降りたと言っていますが、落ちたと言っても差し支えないでしょう。なぜなら彼女はその時、腕を折ってしまったからです」
……あ。
あぁ、なるほど!
そういうことね!
エリオットが何を言おうとしているのか、私はようやく理解した。
まったく気づかなかった。
マーシーの主張にまさか、こんな穴があったなんて。
「当然彼女は、腕を折ってしまったので、しかるべき処置を施してもらいました。皆さんも彼女を見ればわかります。彼女の腕には、ギブスがつけられているのです!」
ハワードの言葉で、生徒たちはざわめき始めた。
言われてみれば、単純なことだった。
どうして気付かなかったのだろうと、私を含め、誰もが思ったことだろう。
「彼女の腕は、ひじから指の先までギブスに覆われています。マーシーさん、あなたの左頬にくっきりとついた腫れ痕は、どう見ても右の掌の痕です。そして、カトリーさんがギブスをしているのも、利き腕である右手です。マーシーさん、あなたはその腫れ痕は、今朝つけられたものだといいましたよね? しかしカトリーさんがギブスをつけ始めたのは、それよりもずっと前です」
生徒たちが私に向けていた疑惑の目は、ハワードの言葉によって、一斉にマーシーに向けられた。
「マーシーさん、教えていただけませんか? ひじから指の先までギブスで覆われている折れた腕で、カトリーさんはどうやってあなたの頬に、その掌の痕をつけたのですか?」




