16.
私はある問題に頭を悩ませていた。
マーシーの嫌がらせをどう防ぐか、という問題ではない。
いや、それも問題なのだけれど、今は別の問題に頭を悩ませていた。
「ボビィ君が自転車に乗っていたとか、車に追い抜かれたとか、そんなこと、私の人生には関係ないのに……」
そう、数学の宿題である。
私は学生なので、その本分は勉学にある。
私は一人で部屋で悶々と悩んでいた。
しかし、苦手なものは苦手なので、いくら悩んだところで解決の目処は立たなかった。
数学が苦手なのではなく、コツコツ勉強することが苦手なので、救いようがないかもしれない。
「しかたがない。助っ人を頼むか……」
私はエリオットのところへ向かった。
彼は私のことを溺愛しているので、大体の言うことを聞いてくれる。
「この宿題、私の代わりに全部解いてもらえないでしょうか?」
「自分でやった方がいいよ。僕が教えてあげるから」
まあ、大体のことを聞いてくれると言っても、何でも聞いてくれるわけではない。
しかし、教えてくれるだけでも、ありがたいと思わなければならない。
「えぇっと、ここの問題なんですけれど……」
私はエリオットからアドバイスやヒントを教えてもらいつつ、問題に取り組んだ。
そして、何とか宿題を終わらせることができた。
「いやぁ、さすがですね。私より長く生きているだけありますよ。とてもわかりやすい説明でした」
「役に立ってよかったよ。あ、そうだ。今日、ハワードの妹にあったそうだね」
「ええ、そうなんです。私より一学年上の先輩なのですが、同じ目に遭っている私のことを、とても心配してくださっていました」
「その問題も、早く解決しないといけないね」
「そうですね。シンシアさんとも話していたのですが、マーシーさんが勝手に墓穴を掘ってくれればいいのですけれど……」




