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15.

 (※マーシー視点)


 今日は、あの女とエリオット様が婚約破棄するまでの期日だった。

 しかし、あの女には今日ここへ来るように言っていたのに、現れなかった。

 なるほど、そういう態度に出るわけね。

 それならば、こちらにも考えがあるわ……。


 そうそう、最近嬉しいことがあったのだ。

 それは、エリオット様が私を医務室まで運んでくれたことだ。

 医務室の先生がそう言っていた。

 もしかして、彼は私のことが好きなのかしら……。


 それに、もうひとつ。

 エリオット様と一緒に、ハワード様も私のことを医務室まで運んでくれたそうだ。

 彼ら二人は、この学園でも女子から人気の二人である。

 そんな彼らに医務室まで運んでもらえるなんて、なんて幸せなのだろう。

 気を失っていたことが悔やまれる。

 エリオット様もいいけど、ハワード様も素敵だわ。


 ハワード様とはお話したことがないけど、医務室まで運んでくれたことのお礼を言って、それを機に、お近づきになろうかしら。


 そんなことを思いながら下校していると、数十メートル前を、ハワード様が歩いているのを発見した。

 私は、すぐに彼に駆け寄ろうとした。

 しかし、彼の隣を歩いている女生徒が目に入った。


「はあ!? どうして、あの女がハワード様と並んで一緒に帰っているの? どこまで私の恋路を邪魔するのよ!」


 ハワード様の隣を楽しそうに歩いているカトリーに、私は怒りの視線を向けていた。


     *


「本当に、お家にお邪魔してもいいんですか?」


「ええ、もちろんです。妹もカトリーさんに会いたがっています。あなたのことを、心配していましたよ」


 あぁ、同じマーシーの被害者として心配してくれているのか。

 なんとお優しい……。

 ハワードの家に到着した。

 立派な屋敷である。

 私はハワードについて行き、彼の部屋に入った。

 数分すると、彼の妹もやってきた。


「あなたがカトリーね。私はシンシアよ。よろしくね」


「あ、どうも、こちらこそ、よろしくお願いします」


「マーシーに虐められているんでしょう? あなたも大変よね。あの人、自分のことしか考えてないから、質が悪いのよね」


「そうなんですよね。こちらの話は全く聞いてくれませんし……」


「マーシーは私が所属しているクラブの先輩なんだけど、そのクラブの男子に私が色目を使っているとか、そんな難癖をつけてきて、もう、最悪だった。クラブもやめちゃったわ」


「そうなんですか。それは、大変でしたね。どうにか、彼女の横暴を防ぐことはできないでしょうか」


「まあ、マーシーは馬鹿だけど、一目につくようなところでは手を出してこないからね。先生たちにはバレないのよ。彼女が墓穴を掘ってくれればいいんだけれど……」


「そうなんですよねぇ。そんな機会が訪れたらいいのですけれど……」


 あるはずもないと思いながらも、私は思わず呟いていた。

 しかし、意外にも、その機会はすぐに訪れることになるのだった……。

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