106、 招待
俺が 召喚者だと 何故か心に掛かっていた鍵が今開いた気がした、いや待て
相手は悪魔だ どんな手を使って来るとも限らない。
<んも~ 疑りぶかいなぁ じゃあさ、君 何処で生まれたの。>
俺は帝都から一番近い村の農家の二男だ、それが何だ。
<その村の名前は?小さい時一緒に遊んだ友達の名前は? 君のお父さん
お母さんの名前は? その村の風景は思い出せるかな?>
なんだそんな事か 村の名前は ・・・えっ! 思い出せない 何となくこんな
感じじゃあ無かったかと思い出す故郷の風景、これは鮮烈に覚えているものでは
ないだろうか、それがこんなボヤっとした記憶は違和感が有る。 そして思い
出せない子供の時の友人はまあいい 父と母の名前 ・・・覚えていない
有り得ない。 おい 悪魔! 俺の記憶に何かしたろう、もとに戻せ。
<かなり強力な記憶歪曲の効果が有る様だねそのチョーカー 外して良いかな。>
こっ、此れは帝王様より頂いた物! 決して外すなと言われていて 実際に
掃除をしようと外そうとしたが如何しても外れなかった物だとても
取れないだろう。
<え、外しても良いの そうなら話が早く成るんだけど 良いかな。>
ふんっ、どうせ外せないだろうに。
<はい 外したよ。>
なっ! 俺の目の前に浮かんでいるチョーカー、そして頭の中に何かが
流れ込んで来た 何が起きて居る? 一頻り津波の様な何かが終わりを
告げると頭の中が今まで無かった程澄み渡っていた。
俺、あっ あれ 俺何やってんだろう。
<戻ったみたいだね 勇者 有鹿 功 君。>
ばあばの家から 俺の愛車でばあばを乗せて本館へ向かう ばあばは車より
自転車の方が合ってると言うので 3輪の電動トライク自転車を出した それが
今俺の愛車のリヤシートに乗っている。さてお昼だ 何食おうかな 何作ろうかな
『ばあばさん お昼何か食べたい物有りますか?』
「太一さん そのばあばさん て 多分その内間違ってばあさんに成るから止めて
下さいね。」*ばあば 了解しました
「それで 私はですね、先日のうどん あれは冷たかったですね、温かいうどんは
無いのですか?」*ばあば
『有りますよ でも季節的に温かいと 暑いでしょう、』
「いえ、私は温かい食べ物が好きなのです ですから温かいうどんを御願い
します。」
『了解致しました、ばあば、 早速熱々なのを作りますね。』
さて とっても温かいうどんと言えばあれだ、あれ!鍋焼きうどん さあ作ろう
食堂に来て ばあばを席に着かせて キッチンへ チョット用意する物が多いので
うどんは時間差で茹で始めよう、先に天ぷらだな 俺は自分で作る時はえび天と
かき揚げを入れる 若い時にはこれに揚げたお餅も入れてたけど この歳になると
(アラフォー)流石になぁ、ばあばには入れて見るか? へっ!考え事をしてると
袖を引っ張られた。リトだ [入れて] はい、判りました。
これは量を増やさねばならないかな [大丈夫 お水と食べれば いいの。]
そうか 俺の水と食べればリトは満腹に成るんだった。分かったリト
お手伝いしてね。
うどんを茹でるのをリトに任せて 俺は天ぷらを揚げる えびの天ぷらと お餅、
ニンジン・牛蒡・玉ねぎ 貝柱も入れよう かき揚げを揚げる。十分な量を揚げ
切った そして 麺つゆ リトがうどん茹で始めちゃったので 麺つゆは
インスタントで必用量の水(俺の水を使って見よう)そこに酒を入れて沸騰させ
インスタントの出汁を投入、塩味を確認して 出汁醤油を少量づつ投入
味見を繰り返して頂きの到達点を目指す、ここだ! 麺つゆ完成、あっ!
アマに わかめとかまぼこを用意して貰えば良かったのに 指示出すの忘れてた
急いで用意しなくっちゃ。
{告 マスター、 大丈夫です 既に用意出来ています 多分忘れてると思って
手配しておきました。} 何時も有難うアマ、 感謝しております
後は 其れらしい器を用意して 盛り付け でも鍋焼きうどんは此処から、
用意した器につゆを張り、茹で上がって滑りを取って洗ったうどんを投入これから
卵を入れるので うどんは茹で時間の2.3分前倒しで上げてね、他の具材も
トッピングして(揚げ餅以外) そして卵投入 個人的な事だけど揚げ物の
衣がグチャグチャなのが好みだ、
[お兄ちゃん お餅は入れないの?] ああそうだね お餅煮ちゃうとスッゴク
にちゃにちゃになっちゃうの だから一緒に入れないんだ。
[そうなんだ でも すっごくにちゃにちゃが好きなら 入れて良いんだよね。]
何か圧倒的な力に逆らえずリトの分だけ揚げ餅を入れる 卵が良い感じになったら
出来上がりだ。 今日はリト・ばあば・俺しかいないので お盆に乗せて鍋焼き
運搬、多めに揚げた エビとかき揚げとお餅は近くに居たタンゴが運んでくれた。
皆で席について 頂きます。 足りなかったら 天ぷら足してね。 なんて
食べ始めたら 他から わらわら 新商品見学に皆来始めたけど 余りに
冬向き商品の為、皆帰って行った。(ここは当然だと思います) しかし
美味しい物は 何時食べても美味しいのです、真冬に温かい部屋で炬燵に入って
いると 時々、ああ 冷やし中華食べたいなぁ~ って思うアレです。
今自分の食べている物に色んな言い訳をしながら食べてるけど 暑い物は熱い
汗が大量に出てくるのは仕方がない 俺は個人的に扇風機を取り出して 風を
浴びながら 鍋焼きうどんを食べる。でも 美味い 前世では経験したことが
無いが夏の鍋焼きうどん 美味しい! でも暑い。 なに此の反目した行為は?
『ばあば・リト 暑くないですか?』
「はい 平気ですよ、体がポカポカして来て とっても美味しいです。」*
ばあば
[全然平気 お兄ちゃん もっとドロドロでも大丈夫。]
リトはにちゃらーなの?
それでは 揚げ玉もリトには 投入して上げましょう。
それにしても 2人のお顔は汗で 濡れている。 やっぱり暑いだろうから
扇風機を追加しようとしたら 拒絶された(何で?) 食後ばあばから告白された
のは (ちっちゃな声でね) 湯殿に有る体重計で自分の毎日の体重を測っていたら
少しづつ増加しているのを知ったばあばは, ダイエット作戦を遂行すべく 俺に
この季節に過酷な食事を 所望した様だ。 リトも同じ理由で暑いのを耐えれば
体重が減ると思い 同じ物を食べたと言う。(あなたは 成長してるんじゃ
ないかな)
やはり 女性は何歳でもその辺りに気を遣うのだな と教訓を得て何かその手の
メニューを考える必要に迫られた様な気がした。 頑張らないと。
<ただま~> 毛玉みたいな挨拶で帰って来たんだ フォー
<酷いよ 毎度太一君, 今日はスペシャルゲストを連れて来たんだから。>
誰それ、どんな関係なのフォー?
フォーの隣に居た人は 黒髪に黒目だけど 醤油系美男子のお手本の様な人だった
<彼は 功君 人族の勇者さ、 皆仲良くしてね。> 重大発言来た~!
『初めまして 悪魔の 瀧沢 太一です、 宜しくお願いします。』
<太一君、彼は 君と同じ世界から召喚された人だよ お友達になって
上げてね。>
全く今の状況を飲み込めない 勇者。 今までで言えば超危機的状況である
目の前に この前殺したと思われた悪魔がにこやかに笑いながら握手を
求めている。
その他の種族も 魔界では 超危険種族の バンパイヤが大量に居るし オマケに
魔法が得意で 人の言う事を聞かない エルフがこれまた多数居る。それに
悪魔、見えないけど元悪魔は居る。そして 俺の足に纏わり付いている少女は
どんな存在なんだ? 怖くて振り解けない。




