33.天使族現れる
四十九階。
またもやボス部屋。
今まで一番大きいその部屋には、巨大な爬虫類――ドラゴンが横たわっていた。
「死んでる?」
そのドラゴンは絶命していた。
次の瞬間、そのドラゴンは光となって消えた。
「前菜としては、まあまあかな」
その光の元には、背中に光の翼がある中性的な顔をした人間がいた。
その人間が手を振ると、アグニさん、ルミナスさん、ハカセ、白百合騎士団、全員が光の輪に拘束された。
「まだまだ早熟だけど僕の好みではあるね。早速だけどいただきます」
その人間は卑猥な笑みを浮かべながらこちらに近づいてくる。
僕はブリットショットで対応するがまったくダメージを受けた様子がない。
刀で切るがまったく効果がない。
松本さんも攻撃するが効果がない。
「神たる天使族のこの僕にそんな矮小な攻撃が効くとでも?傷を付けたいならユニークスキルでも使ってみれば?」
僕がユニークスキルを使うのを躊躇していたら松本さんの目の色が変わった。
暴走か?
白百合騎士団全員が光の拘束を解いて天使族に切りかかった。
松本さんと同じで目の色がおかしい。
天使族はそれをヒラヒラ躱していく。
「そちらの彼女のユニークスキルは支配下の人間の能力をあげるというところかな?自我がないことを考えると割と凶悪な力だね。でもいいねぇどんどん熟していく」
「さぁ君も力を使いなよ。持ってるのだろユニークスキル」
白百合騎士団の攻撃をかわしながら天使族は僕を挑発してくる。
「なんじゃ、何か目的があって霊力を集めていると思ったらただの食事か」
ハカセは光の拘束を解くと呆れたような様子で天使族をみる。
「伏せ」
天使族はうつ伏せに地面に叩きつけられた。
「はい、自己紹介」
「僕はミカエル。天使族のミカエル。くそっ何故!何が起こ――」
「天使族にしては頭が弱いの。お前らに強制力がある時点で」
「神人族!」
「正解」
ハカセが指を鳴らすとミカエルは意識を失うように気絶した。
同時に松本さんと白百合騎士団達も意識を失うように倒れた。
「面白いことはなにもないか」
ハカセは、ミカエルの光の羽根を毟るとそれを球状に固めて魔石の様な物を作った。
「霊石といったところかな」
ハカセはそれを僕に向かって放り投げた。
「元の世界に帰るエネルギーに使えるから取っておきなさい」
「ハカセ今のは・・・」
ハカセの説明によると、天使族の遺伝子には神人族に絶対服従する命令が組み込まれていて逆らえないそうだ。
「神人族以外の者では傷つけられない設定にしてあるからね。天使族を傷つけられるのは神人族かユニークスキルを暴走させた勇者だけじゃな」
ハカセは倒れているミカエルの頭に手を突っ込んだ。
グロい・・・。
「予想通りじゃ」
ハカセによると、天使族が勇者を召喚しているのは暴走したユニークスキルから霊力を摂取するため。
霊力を摂取する理由はただの食事。
この世界で作られる魔力を食料にしていたが、あるとき霊力が美味であることに気付き、地球から召喚した勇者のユニークスキルを暴走させれば大量の霊力を得られることがわかった。
「今回は、アースガルドを維持する魔力まで使って大量の勇者を召喚したみたいじゃの。霊力が欲しいがために」
「ナオト、天使族を何匹か狩れば地球に帰るエネルギー1人分くらいは確保できるぞ」
「えっと天使族を倒してしまってこの世界は大丈夫なんですか?」
「問題ないね。管理を放り出して自由に動いているのだからもういらないね」
「ナオト、一緒に天使族を滅ぼそう」
「は?」
「協力するかわりにわしも地球に行くからな!」
頭の痛い案件が増えた。
さてこれはどうしようとミカエルを見ると小さく縮んでおたまじゃくしの様な姿になっていた。
これが天使族?
「魔力を注げば元に戻るがこれは研究用に貰っておこう」
ハカセはそのおたまじゃくしを飲み込んだ。
グロい。
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名前 真神尚人 17歳
種族 人間族
職業 勇者
レベル 10
HP 3000/3000
MP 2862/2862
力 550
体 510
俊 510
魔 600
【スキル】
万物創造 共通言語認識 電脳
狩人 剣術 刀術
投擲 体術 ゴブリン式格闘術
回避 解体 火魔法
水魔法 風魔法 土魔法
回復魔法 重力魔法 生活魔法
状態異常魔法 弱体化魔法
遠見 警戒 索敵
空間認識 料理 農業
状態異常耐性 並行詠唱
【称号】
異世界人 勇者 閃光のマヨネーズ
盗賊スレイヤー 帝国勲章 カレーの王子様
【固有魔法】
ブリットショット
ブリットバースト
リバイブ
【装備】
アダマンタイ刀
皮の鎧
手甲
お洒落なマント
世界樹のペンダント
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