21.神人族
「まず我は、神人族である。今より太古の昔にこの大陸を支配繁栄させていた、唯一無二の人種であった」
「我々神人族は、魂のエネルギー、霊力によって繁栄していた。誰もが平等に富と幸せを得、争いも病気も飢えもなく、死すらも超越する。それが我々神人族であり、霊力の力だった」
「霊力は魂の力、すなわち魂が存在する、我々が生きていれば永遠に手に入るエネルギー――のはずだったが一つだけ手違いがあった。死をも超越した繁栄の結果、魂が堕落したのだ。生きようとする力、現状を変えようとする想い、他人とかかわることによって生まれる感情。それらが霊力の源だった。それらを失い、堕落した魂では上手く霊力が取り出せないのだ」
ハカセは落胆した表情で周りを見渡す。
突然の大きな話に僕達は驚愕するばかりだ。
「だが、神人族の一部はそれに気づき打開策を打った。1つは、霊力に変わる新しいエネルギー――魔力の作成じゃ。魔力の素である魔素を生み出す植物を作り、魔素を取り込むことによって魔力の結晶、魔石を生成する動物、魔物を作ったり」
「魔力について一応の完成を見せたが、霊力が尽きる前に普及させる目途が付かんかった」
「第2の対策は、移住計画じゃ。アースガルドに魔力が満ちるまで別の場所に避難することになった。避難場所は地球という惑星だった。それは、隣り合った宇宙に我々が新しく作り出し惑星じゃ」
え?どういうことだ?
ファンタジーな世界に飛ばされたと思ったらSFだったということか?
「地球、真神尚人君の生まれ故郷じゃが、そこに移転するにあたって、多少の退化と霊力、魔力が存在しないため、それに代わるエネルギーと技術、科学を普及させた。結果として1つのコミュニティとして発展しているようじゃの」
「さてここまでの話でわかったと思うが、地球から召喚された勇者やそこの真神尚人君は神人族じゃ。ではその他のこの星の人種は何だとなるがそれが3つめの対策じゃ」
「地球に転移した神人族は、いずれ魔力の満ちたアースガルドに戻る予定でいた。そのため世界を管理するために、我々の遺伝子をベースに多種の動物の遺伝子を組み合わせてホムンクルスを作ったのじゃ」
「世界のシステムを管理する天使族、魔物の製造管理をする魔族、魔素を作り出す植物の管理をするエルフ族、増えすぎた魔物を調整する獣人族、そして転移ゲートを管理守護する龍族」
ハカセは、エドさん達を見る。
「残念ながら君たち人間族はワシらの時代には存在しなかった」
「予測だが、人間族の遺伝子構造は神人族の遺伝子を模倣した不完全なホムンクルス、ホムンクルスを製造する技術はあるが、知識のない天使族あたりが作った物だろう」
「ここまでの話はわかったかな?」
色々ぶっ飛んでいて理解が追い付かない。
他のパーティーメンバーも同様だ。
特にエドさん達など衝撃の事実に惚けている。
「しかし、プログラムによって思考誘導を受けているはずの天使族が新しい種族を作り出すなど面白い状況になっておる。これは進化なのか変異なのか興味深い」
「世界の履歴からすると何度も地球の人間をこちらに召喚している。これは何を意図するものなのか。このユニークスキルシステムも天使族が組んだプログラム、これも何かに関連するのだろうか。召喚には転移ゲートを使っていない様だが独自の抜け道を作った?面白い!ただプログラムされただけの人格が意思を持って行動する。これは素晴らしいぞ。ワシの研究が捗るじゃないか、天使族を1匹サンプルでほしい所じゃが・・・」
説明していたはずのハカセさんがいつの間にか1人で考え込み始めてしまった。
話しかけても反応がない。
ハカセさんの話は突飛すぎてすぐに飲み込めない。
だがこれが本当のならば地球人は元々、アースカルドの人間で神人族だったことになる。
そして今、アースガルドにいる人種は全て作られた存在?
この話が本当なら衝撃の事実だが、本当ならね。
狂人のたわごとかもしれない。
しばらく混乱していると、停止していたハカセが動き出した。
「ほれ、そこの獣人、ワシを殺す気で殴ってみろ」
この人、やはり狂人のようだ。
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名前 真神尚人 17歳
種族 人間族
職業 勇者
レベル 10
HP 3000/3000
MP 2862/2862
力 550
体 510
俊 510
魔 600
【スキル】
万物創造 共通言語認識 電脳
狩人 剣術 刀術
投擲 体術 ゴブリン式格闘術
回避 解体 火魔法
水魔法 風魔法 土魔法
回復魔法 重力魔法 生活魔法
状態異常魔法 弱体化魔法
遠見 警戒 索敵
空間認識 料理 農業
状態異常耐性 並行詠唱
【称号】
異世界人 勇者 閃光のマヨネーズ
盗賊スレイヤー 帝国勲章 カレーの王子様
【固有魔法】
ブリットショット
ブリットバースト
リバイブ
【装備】
アダマンタイ刀
皮の鎧
手甲
お洒落なマント
世界樹のペンダント
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