表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
召喚勇者は世界を救わない  作者: 粉みるくススル
ヨルムンガンド
59/74

19.独白

私は、従兄のことが好きだ、深く愛している。


6歳の時にその彼と親戚の集まりで会った時に一目惚れをした。

親同士が仲が悪かっためその後、会うことはなかったが10歳の時に彼はうちにやってきた。

母は「これから家族になるのだから仲良くね」と言った。

嬉しい。

彼がうちにやってきた理由は知らないが、家族になるということは嬉しいことだ。

何故か、家族になる彼は酷く落ち込んでいた。


「年齢的に私が妹ね。よろしくねお兄ちゃん」


一瞬彼が怒ったような拒絶するような態度を見せた。

気のせいだろう。私と家族に慣れて嬉しいはずだ。


両親が、彼を虐げ始めた。「予定と違う」というのが気に食わないそうだ。

彼の笑った顔が好きだから彼を喜ばせるため、私と家族になったことがどれだけ素晴らしいことかを日々力説した。

彼は、感情を押し込める様になり私を避ける様になった。

両親の躾という名の暴力が始まった。

消耗している彼に手を差し伸べると彼は私にすがってきた。

愛おしい。


ああ、そうか。彼を追い詰めて追い詰めて最後に助けてあげれば良いんだ。

そうすれば彼は愛おしい顔を見せてくれる。

私は彼を徹底的に愛した。


12歳の頃、彼は突然いなくなった。

弁護士という大人が彼を奪ったのだ。

両親に「彼を返して」と頼んでも何もしてくれない。

だから殴った。

両親が彼にしていたことだから、私は知っている。相手を従わせるには暴力で屈服させればいいことを。

従順となった両親が言うには、暴力を振るったから家族になる資格を奪われたそうだ。

当たり前だ。愛している相手に暴力を振るうなんて信じられない。

暴力を振るわなくても心を壊してしまえば私の人形になるのに。

愛しい愛しい私の彼。


どうやら私は美人らしい。

そんな私に言い寄る(バカ)を利用した。

将来、彼を支配するため男を操る術を磨くためだ。

私の言いなりとなった彼氏(ドレイ)達に、彼のことを探らせ、彼の住んでいる家をみつけた。

愛しい彼の姿を見に行くと彼の隣に知らない女がいた。

あの(ビッチ)、彼に色目を使っている。敵だ。


ふふっ


バカな女。あの女は気づいていない。

彼は笑顔を見せているが心は閉ざしたままだ。

あの心を開くにはナイフでこじ開けるしかないんだ。

ゆっくりじっくり彼の心に侵食していくの。そして最後にナイフでこじ開け引き裂く。

ああ、愛おしい。


彼の進学先を調べて同じ高校に通うことにした。


同じクラスになった彼は驚いていた。

私も驚いたは、まさか同じクラス何て。

運命を感じた。

そういえばあの(クソビッチ)もいた。


このまま無難な高校生活を送る。

高校卒業と同時に私は彼の子供を授かる。

そして結婚。

ああ、待ち遠しいわ。



そして今、異世界にいる。

異世界にいても目的は変わらない。


私の持っていたユニークスキルは、他人を操れるというもの。

でもそんなことはどうでもよい。重要なのは、糸を付けた相手を監視できるということ。

すぎに彼に糸を付けた。

運命の赤い糸はここにあったのね。


彼はすぐにいなくなってしまたっだ、糸のお陰で居場所はすぐにわかる。

あの(ストーカークソビッチ)は慌てていたようだけど。

ご愁傷様。


あの女にご執心だった男達を焚き付け、身動き取れなくなったところで私は彼を追った。

戦う彼も素敵だわ。


途中でゴブリンに襲われるふりをして彼に取り入ろうとした女がいた。

どこぞの貴族令嬢らしいが、きっとあれが悪徳令嬢って奴ね。

彼は、悪徳令嬢の誘いを跳ねのけ船で別の大陸に渡った。


あの悪徳令嬢、目の前で親を殺して館を燃やしてやったら泣きくるっていたわ。

なんでこんなことをするのか聞いてきたから答えてあげたわ。

彼を誘惑したからって。

万死に値するわ。


その後、彼を利用していたダジャンという商人を潰してやろうと思ったが、彼もダジャンを利用しているようなので様子見した。


そうそう、彼に子供が出来たの。

あんなにたくさんの子供、素敵だわ。

彼がお父さんで私がお母さんね。

彼が世話をしだすと子供達は元気に活発になっていく。

彼と子供達を見守る私の愛もおかげもあるわね。


ある日、彼の元にエルフがやってきた。

一緒に住むらしい。

私達の家族団らんに入ってくるなんて無礼なエルフだ。

そう言えばあのエルフ、400歳越えてるとか。

ただのババアか。


あのエルフがむかつく。

彼との距離が近い。

私も食べたことのない彼の手料理を毎日食べている。


最近彼はあのエルフに優しい顔を向けている。あんな顔初めて見た。


むかつくむかつくむかつくむかつくむかつくむかつくむかつくむかつくむかつくむかつくむかつくむかつくむかつくむかつくむかつくむかつくむかつくむかつくむかつくむかつくむかつくむかつくむかつくむかつくむかつくむかつくむかつくむかつくむかつくむかつく。


彼とあのエルフが、長期間ダンジョンに潜るらしい。

有象無象達も一緒だから浮気をするわけないだろうが、念のため監視が必要だ。


ダンジョンで、彼と私の子供達を見つけた。

ピンチになっていたので助けてあげたら「ありがとうお姉さん」と可愛いかを向けてくれた。

なんて良い子なのかしら。


「お姉さんじゃなくてお母さんと呼んでね」


と言ったら固まってしまった。

仕方がないので長男の首筋に剣を突き付けて再度頼んだら「ありがとうお母さん」と言ってくれた。

ああ、素敵な子供達ね。

お母さんは、お父さんの監視を頑張るわ。


あのエルフが魔力枯渇で倒れていたので糸を付け浸食された。

これでいつでも操れる。


糸を付けたわかったことがある。

あのエルフが彼に好意を持っていることが。


でもね、それは無駄なことなのよ。

だってあなたは(カタキ)になるのですから。


優しい顔をして彼に近づき背後から彼を刺す。

そして、彼と私達の子供を虐殺する魔女。

ああ、なんて悪辣非道。

そして、悪逆非道な魔女を倒し彼を救い癒すのは私。

なんて素敵なシナリオかしら。




私は、真神玲子。

真神尚人を愛するただの一人の女。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小説家になろう 勝手にランキング

新しい連載を始めました。よかったらお暇な時でも目をお通しください。
↓↓↓
干物男は異世界でも引きこもりたい
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ