04.その名はルー
ここ数日、料理を作っては廃エルフの口に突っ込む作業が続いている。
しかし、これだけ食べてるのによく太らないよなぁ。
「わふぁし、ほんらにたぺてもふろらないたいしふはほへ」
ルミナスさん、口に唐揚げ入れたまま喋るのは止めてください。
『礼儀作法』と『気品』のスキルは何処行った。
「私のどんなに食べても太らない体質なのです」
ニーナとミリアの視線が怖い。
あっ舌打ちしないでフローラさん。
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料理 5/10(コモン)
料理に関する技術に補正がかかる
調理技術が少し上がる
味に補正がかかる
火加減に補正がかかる
同時作業を使用可
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いつの間にか料理スキルが上がっていた。
同時作業という技が使えるようになったので作業効率が上がって助かる。
ルミナスさんばかりずるい。カレーを作ってと子供達にせがまれたのでカレーを作ることに。
カレーは人気だったがスパイス処理なので難易度が高いと不評だったので固形ルーを作ることにした。
このルーを売り物にしても良いかも。
料理担当のミリアにレシピを実際に作りながら教えた。
まずは下準備。
穴牛のスネ肉と骨、狂鶏の首肉と鶏ガラとモミジ、タマネギ、ニンジン、香味野菜を弱火でじっくり煮て大量のブイヨンを作る。ルー用は少量で良いのだが色々使えるからね。『収納』しておけば劣化しないし。
このブイヨン、本来は灰汁を取りながら弱火で一日煮込むのだが、『万物創造』で即完成させた。
ちなみに、穴牛と狂鶏は、一度大量の沸騰しているお湯に10秒ほど沈めてから取り出し、水に沈め冷やしながら表面の汚れを取る。熱が取れて、綺麗になったら完了、臭みを取る作業だ。
次にクミン、コリアンダー、カルダモン、オールスパイス、ターメリック、胡椒、ニンニク、唐辛子などのスパイスを焙煎して粉にして配合してカレー粉を。
クミン、コリアンダー、カルダモン、オールスパイスは香り、ターメリックは色、胡椒、ニンニク、唐辛子は辛みだ。
今回は、食べるのは子供達が主なので辛みを抑えて、香りと色を強く配合してみた。
この配合したカレー粉を弱火で黄色から少し茶色になるまで炒めておく。
さてルー作り本番。
みじん切りにした玉ねぎをラードでじっくり炒める。
透き通るまで炒めたら弱火にしてじっくり炒め飴色玉葱を作る。
バターで小麦粉を炒める。
バターが焦げないように20~30分炒めると茶色く色づき、粉っぽさがなくなりとろっとしてくる。
そこに、ブイヨン、カレー粉、飴色玉葱を加える。
じっくりと極弱火で水分を飛ばしながら炒めていく。火が強すぎると焦げ臭くなるので注意。
水分が飛び混ぜる感触が重くなってきたら、甘みとコクを出すため、ハチミツを加える。すりおろしリンゴを加えても良い。
更に炒めて、固まってきたら、型に入れて常温で放置。
冷えたら型から出して完成。
ルーが出来てしまえばあとは簡単カレー作り。
ジャガイモ、ニンジン、タマネギ、大きくカットしたオーク肉を炒めてから、早速先ほど作ったブイヨンで煮る。
具が柔らかくなったら、火を止めてルーと隠し味のすりおろしリンゴとハチミツをを入れて、弱火でとろみがつくまで煮て完成。
ミリアは、簡単に大量のカレーが作れるルーに感動していた。
ルミナスさんは、ルーを入れたあたりから皿を持ったまま大鍋の後ろに控えていた。
このルー、スパイスの配合やブイヨン、油などで味が変わるので色々研究すると良いよとミリアにアドバイスしたら、ダジャンさんに相談すると言っていた。
子供達もダジャンさんに丸投げするスタイルが確立しているようだ。
カレーを美味しそうに食べているルミナスさんに、ムスペルの火種について聞いてみた。
もちろんアダマンタイトを加工するためだ。
カレーに夢中で話を聞いていない。
カレーを取り上げたら泣きそうな顔でムスペルの火種について説明を始めた。
ムスペルの火種は、ムスペルという炎の巨人のドロップアイテムだそうだ。
何処に生息しているか聞いてみたら
「ムスペルは精霊なのでいつでも呼び出せますよ。ムスペルの火種が欲しいなら倒さないとだめですけどね!」
「もしかして、ルミナスさんが呼び出せます?」
「話の続きを聞きたいなら、先にカレーのお替りを」
口の周りをカレーで汚しながらキリッとされても・・・。
「ムスペル自体は簡単に呼べますが、大きいですし周りの被害を考えると呼び出すために広い場所か必要ですね。あと炎の精霊に属するので物理や魔法は効きにくいです。氷魔法、もしくは氷属性の魔剣が必要です」
服の袖で口を拭いながら話を続ける。
ああ、カレーのシミて落ちにくいのに・・・。
「ムスペルを呼び出す時はいつでも言ってくださいね。そうですね、またハンヌークを食べたいのでそれと交換で!」
どれだけハンバーグ好きなんだよ。
ハンバーグカレーとかから揚げカレーとか、トッピングについてはしばらく伏せておこう。廃エルフが食欲が収まるまでポンコツになりそうだから。
さて、ムスペル対策を考えてみる。
『万物創造』で『氷魔法』を作るのが手っ取り早いが、一から作るのも、『火魔法』と『水魔法』を材料に作るのもコストが高すぎる。現実的ではない。
ならば手持ちの物だけで考えてみよう。
一番現実的なのはブリットバーストだ。
現状だと土魔法で重量のある岩を生成して圧縮しているがこれを氷にしたらどうだろうか。
大量の氷塊を『収納』から出すと同時にそれをブリットバーストで弾丸にして撃ちだす。
試しに1tの水を『生活魔法』で凍らせ、ブリットバーストの弾丸にしてみたせ上手くいった。
魔法だけで使用するのと違って発射までタイムラグがあったが使用には問題ないようだ。
対策は見つかったが、問題が1つ出た。大量の水をどうするかだ。
しかし、それはすぐに解決。ルミナスさんの精霊召喚だ。
水の精霊を呼び出して大量の水を生成してもらえることになった。
さすがハイエルフ!
ルミナスさんのおかげでムスペル対策に50tの氷が準備できた。
ハンバーグを奮発してあげないとなぁ。
そうそう、今回のことであるアイディアが浮かんだ。
ブリットショットやバーストの金属を使った使用法だ。
一度考えたことがあったが、鉄の消費が激しいのと最有力候補だった鉛が需要が多く低価格で手に入らないことからコストの問題で避けていた。
わざわざ使わなくても魔法弾丸で威力変わらないしね。
だがタングステンの登場で状況が変わった。
人工ゴブリン鉄作成のために使えないかとあまり市場に流れてない金属を探した結果、タングステンがあったのだ。
ダンジョンでのドロップ率は高いが、加工が難しいことから捨てられていたり、ゴミみたいな値段で大量売られていたのだ。
徹甲弾とか作れるんじゃね?
100トン近くに購入してストックすることにした。
このタングステン、弾丸用ですからね?
金との比重が近いから金の偽造とかに使わないですよ?
人工ゴブリン鉄作成途中経過だが、鉄、血、魔石でも駄目だった。
魔力のこもった鉄だから魔石混ぜればいけると思ったんだけどなぁ。
絶賛僕の中で、タングステンが手に入ったことにより人工ゴブリン鉄作成の成功への期待が望まれる。
タングステンで高速度鋼を作って、それを槍先にしゴブリン鉄で回転させれば・・・
ドリルランス!
浪漫である。
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名前 真神尚人 17歳
種族 人間族
職業 勇者
レベル 8
HP 2400/2400
MP 2262/2262
力 450
体 410
俊 410
魔 500
【スキル】
万物創造 共通言語認識 電脳
狩人 剣術 刀術
投擲 体術 ゴブリン式格闘術
回避 解体 火魔法
水魔法 風魔法 土魔法
回復魔法 重力魔法 生活魔法
状態異常魔法 弱体化魔法
遠見 警戒 索敵
空間認識 料理 農業
状態異常耐性 並行詠唱
【称号】
異世界人 勇者 閃光のマヨネーズ
盗賊スレイヤー 帝国勲章
【固有魔法】
ブリットショット
ブリットバースト
サッキングブラット
【装備】
魔剣 吸血鉄塊
皮の鎧
お洒落なマント
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