04.迷宮都市オワリ1
迷宮都市オワリは巨大な都市だった。
ダンジョンを中心に円状に広がった都市で中心部は裕福層、外周部は貧民層にわかれ、さらにその外周のスラムは日々広がっているらしい。
ダンジョンでの一攫千金や冒険者相手の商売で誰でも成り上がれるチャンスがあり、それを目当てに人や商人が集まり、珍しい物目当てで金持ちも集まり、金持ち目当てで盗賊も集まり、街全体がカオスな雰囲気をだしている。
ダジャンさんにお店に誘われたがそれを断り、明日伺う約束を取り付けると、ふらりと人気のない通りへ向かうことに。
『索敵』をかけてら3人ほど尾行してきているのだ。
さっさと処理してやろうと途中の路地に入り自身に『隠蔽』をかけて潜む。
案の定、1人が追いかけてきたので通り過ぎたところで背後から袈裟懸けに一刀両断。
すぐに『解体』して指だけ回収。
「すぐに慣れるものなんだな」
自身を確認しても震えや動揺もない。
人殺しをしても冷静な自分に驚く。
『隠蔽』をとき路地から通りに出る。
『索敵』をすると1人は尾行したまま、もう1人は路地に入っていった。
そのまま通りを走り抜け尾行が離れたところで『隠蔽』
尾行者の様子を見ると1人は8歳の子供、もう1人は盗賊だった。
子供が何処かへ走り去ったのでもう1人の盗賊を『隠蔽』したまま尾行する。
盗賊が人気のない道に入ったところで首をダガーで切り裂く。
すぐに傷にポーションをかけてから再度首にダガーの刃をあてる。
その状態で盗賊を尋問し、色々話を聞き出し最後は首を切り裂き『解体』して指を回収。
状況を要約すると、サカイで殺したリーダー格の盗賊は、オワリのスラムの一角を支配している盗賊団のボスの息子。ボスの息子を殺した僕に復讐するためにオワリで待ち構えてたそうだ。
アジトの場所と大体の人数を聞き出したので急いでそこに向かう。
さっきの子供の伝令でアジトは慌ただしくなっているはずだ。
『隠蔽』しながらアジトに近づき、『鑑定』で盗賊と表記された奴が目に入るたびに殺していく。
5人ほど暗殺したところで異常に気付いたようでアジトは大騒ぎ。
『隠蔽』を解き、一気にアジトに乗り込む。
刀で切り、風魔法で切り裂く、その時の記憶ははっきりと覚えてないが気づいたら10人前後の死体が転がっていた。自分もポロポロになっていた。
装備を『万物創造』で新しくして、死体を順に『解体』。『鑑定』をかけつつ処理していたら盗賊のボスが混ざっていた。
アジトの奥に気配を感じるので覗くと5歳から12歳くらいの子供が20人ほどいた。
ほとんどが怯えていたが、1人の12歳くらいの少年が他の子を守るようにこちらを睨み剣を構えているので、どう殺すか考えていた時にハッとする。
何を考えていたんだ。
急に全身に震えがきた。
槍を取り出し石突きの部分で少年の腹を突き、怯んだ隙に組み敷く。
ダガーを少年の首に当て他の子供たちを牽制し、状況の説明を求めた。
子供たちはしばらく怯えていたが1人の女の子が自分たちの境遇を話し始めた。
全員が孤児。
盗賊団に拾われ、男の子は戦えるものはダンジョンで稼ぎ、戦えないものは雑用や盗賊手伝いを。
女は、雑用と人質で男の子の稼ぎが少ないと娼館に売られることになっている。
稼いでも儲けは全て取られ、逆らえば殺されるし、逃げてもスラムで生きていけない。
戦え稼げる者も自分たちが逃げれば小さい子は殺され女はすぐに売られることになっているので逃げられない。
そんな状況だった。
少年の拘束を解き、子供たちにここに泊めてくれと告げる。
びっくりして動きが止まる子供達。狼狽する説明してくれた女の子。警戒する少年。
とりあえず子供たちを並べて順にクリーンをかけていく。
『収納』から食材を取り出し料理をはじめる。
子供たちは一気に警戒心をなくし興味津々。少年は警戒を続けていたが、今夜の宿泊料だと告げると疑いながらも納得したようだ。
子供達はあまり食べていないらしく痩せ細っていたので消化の良いように粥にした。
かつお節ぽいもので出汁を取り、その出汁で米と細かくした芋や青野菜を煮る。最後に塩を振って完成。
同時に、ロック鳥の肉と玉ねぎぽい野菜と人参ぽい野菜を小麦と一緒に炒めてそれを水と牛乳で煮る。最後にチーズでコクを出して完成。
米と野菜の粥とホワイトシチューだ。
栄養と消化良さと腹にたまりそうということでこれらにしてみた。
粥もシチューもあっという間になくなった。
小さい子が眠そうだったので部屋にクリーンをかけて、戦いのあった場所もクリーンをかけておいた。
警戒していた少年はクリスと名乗り、僕のことと今後のことを話し合った。
しばらくダンジョンに潜ること。
自分で作った物やダンジョンで手に入れた物を売る店を借り拠点にすること。
そこで働く人材が欲しいのでここの子供達全員うちで働かないかということ。
最初給料は安いが3食はきっちり食べさせるということ。
クリスは驚き怪しいんでいたが、まぁ正常な反応だ。
僕も何でこんなことを提案したのか自分でびっくりしている。
僕は「悪いようにしないからゆっくり考えてくれ」とクリスに言い、レベルの上がった自身とスキル、称号を確認してから眠る。
こんな状況で不用心かと思ったが『警戒』スキルがあるからと言い訳をしつつ子供達を信じていた自分がいた。
尚人は夢を見た。またあの夢だ。幼い時の幸せだった頃の両親と妹の夢だ。
夢の中の妹が、境遇を話してくれた女の子、ニーナと重なった。
ニーナは、黒髪黒目で死んだ妹に似ていた。
ああ、それでかと夢の中で妙に納得した。
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生活魔法 2/10(コモン)
清掃系魔法を使える
着火魔法を使える
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解体 2/10(コモン)
動物や魔物を解体することが出来る
普通状態の素材、食材、魔石に分けられる
確保する部位を選べる
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盗賊ハンター
盗賊団を壊滅させた者の称号
職業盗賊に対して特攻補正がかかる
職業盗賊に対して威嚇効果がある
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名前 真神尚人 17歳
種族 人間族
職業 勇者
レベル 5
HP 1500/1500
MP 930/930
力 300
体 280
俊 280
魔 350
【スキル】
万物創造 共通言語認識 電脳
剣術 刀術 槍術
投擲 体術 回避
解体 水魔法 風魔法
生活魔法 遠見 警戒
索敵 空間認識 料理
状態異常耐性 並行詠唱
【称号】
異世界人 勇者 閃光のマヨネーズ
盗賊ハンター
【装備】
打刀無銘
皮の鎧
お洒落なマント
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