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召喚勇者は世界を救わない  作者: 粉みるくススル
ヴァナニール帝国
24/74

03.人の値段

最悪な目覚め。

自身の血の臭いを感じ、昨日のことを思い出す。

『電脳』のアイテムリストを表示させ自分を落ち着かせるように上から順に確認すると最後の方にあった物、それは盗賊の指が4本。


「どうしたものかな」


死体を処理しようと昨日の盗賊を『解体』して得たものだ。

指以外は消え去った。装備品は放置した。


指だけ残ったことに驚きつつ思わず持ってきてしまったが、知識を検索して納得。

指を冒険者ギルドに持っていくと懸賞金が貰えるからだ。

手や足どれかの指があれば指紋からステータスプレートを作る技術で個人識別ができる。それで犯罪者とわかれば懸賞金がもらえるそうだ。

その時に犯罪者ではなかった場合は殺人の罪になる場合があるが、指を提出しておけば殺してしまった相手の素行調査や正当防衛性を調べてこちらに正当性があれば罪にならないそうだ。

『鑑定』したときに全員の職業が盗賊になっている上にアイテム名が「盗賊の指」になっているからその辺は大丈夫だろう。


「1人逃げ出していたな」


昨日の戦闘を思い出す。

とっさに移動しながら魔力集中をしたが失敗に終わって魔法を発動できなかった。

なんとか耐えきったが後の時、火だるまになって死んでいたかと思うとぞっとする。

LVが上がったことでMPが増えたので『並行詠唱』のスキルを作ってみた。


_____________________________

並行詠唱 1/10(コモン)


行動をしながら魔力操作を行える

___________________________


これで良し。なるべく死ぬ確率は減らしたい。

まずこの指を処分しようと食欲はなかったので朝食辞退して宿を出る。

逃げ出した1人は怪我を負っていたのですぐに襲ってくることはないと思ったが、念のために『索敵』をかけながら冒険者ギルドへ。


冒険者ギルドの受付のお姉さんに盗賊に襲われたことを伝え、指を渡す。

指を見て何のリアクションもないお姉さんの凄さにびっくりしたがきっと慣れてるのだろうなとまだ狼狽えてる自分を恥じる。


盗賊討伐料はリーダー格が銀貨1枚、その他は3人で銅貨30枚だった。


報酬を受け取り思わず笑ってしまった僕を見て受付のお姉さんは不思議そうにみていた。

思わず笑ってしまうだろう。人間1人の値段が石鹸と変わらないのだから。

アルカディア王国にいたときに尚人の売った石鹸が、プレーン1個で銅貨10枚。香料入りが銀貨1枚。今回の討伐料と同じ相場であった。


人間て安いな。


討伐料を受け取るときにステータスプレートを更新したらランクがDに上がっていた。

平民のままだと税金や兵役が発生するので職業を流民に変えておいた。


_____________________________

冒険者ギルド ランクD


名前 ナオト 17歳

種族 人間族

職業 流民


レベル 4

HP 140/140 

MP  70/70

力   60 

体   28 

俊   28 

魔   25


【スキル】

刀術 体術 回避

槍術 投擲 解体

生活魔法


【称号】

閃光のマヨネーズ

_____________________________


しかし、このステータスプレートの技術は異常だよな。



ギルドを出た後に『索敵』をかけると反応があった。

『遠見』で確認すると逃げた盗賊ではなかったが『鑑定』した結果、職業が盗賊なので仲間なんだろう。

襲ってくる気配もないので見張っているだけだろう。


馬車の乗り合い場でオワリ方面の馬車に乗る。

途中で街を1つ経由して3日の行程だそうだ。

すぐ出発の馬車があったので乗る。『索敵』をかけたが他の客に反応はなかったので馬車は一安心。追ってくる者もいなかった。

特に襲撃もなく初日の夜は野宿。

メニューは、硬いパンと干し肉に具のがほとんどない塩スープ。んー不味い。

御者に断りを入れて収納から取り出したホーンラビットの肉を串に刺して塩コショウ、そしてたき火の火で串焼きに。

その肉を硬いパンにマヨネーズと一緒に挟む。干し肉は塩スープにぶち込んで柔らかくしながら食べる。

うん、満足な食事になった。

他の客が物欲しそうに見ていたので追加で何本か串焼き肉を焼いて配る。

礼にと金銭を出してきたが断り、替わりに行先の街やオワリについて話を聞いたが新しい情報は特になかった。

客の1人のオワリの商人ダジャンさんは、僕がダンジョンに潜ることを伝えると武器や道具を安く売ってくれることと、ダンジョンの出土品を高く買い取ってくれることを約束してくれた。

あとマヨネーズに凄い食いついてきてレシピを金貨100枚で買ってくれることになった。


マヨネーズの価値が軽く人の値段を超える・・・。



翌日、空が明るくなるころに出発し夕方にミカワの街へ到着。

道中は魔物の出現や盗賊の襲撃もなく、特に問題なかった。

ミカワは、サカイほど賑わってはいなかったが街道街ということで宿が立ち並んでいた。

相変わらず外観は時代劇の江戸ぽかった。

移動風景は西洋、街は和風という違和感。

ミカワからオワリまで馬車で半日ということで翌日の出発は10時前後となった。

ちなみに時計は24時間表記で、各町や主要施設には大型の設置型の時計はあるが、個人の携帯時計は高価で普及してない。


商人のダジャンさんに誘われて酒場に。

マヨネーズをせがまれたので壺ごとあげることにした。

ストックのマヨネーズはもう1壺あるしね。

凄く喜ばれて酒場での食事を奢ってもらうことになった。

その後、ダジャンさんの奢りで3件ほどはしごしたが『状態異常耐性』で全然酔えない自分に絶望したが、マヨネーズの壺を大事そうに抱きながら酒を飲むダジャンさんにちょっと笑ってしまった。



翌日、酷い二日酔い。

酔わないのに二日酔いとはこれいかに。

二日酔い耐性スキルが欲しいが酔えないのにあと数回二日酔いを繰り返さないといけないことに諦めた。

酒は止めよう!

真神尚人17歳、早くも禁酒宣言。


朝食は二日酔いが酷かったのでパンとセットになっていた黄色い何かの甘酸っぱいジャムと自家製のヨーグルトで済ませた。

ダジャンさんはヨーグルトにも興味津々だったので、ヨーグルトのレシピも金貨100枚でどうですか?と冗談で聞いたら凄く悩んでいた。

本当に金貨100枚でヨーグルトレシピが売れそうになったのでちょっとびびった。

腐乳と乳と発酵管理で簡単に作れるからお金はいらないと言うとダジャンさん発酵管理にくいついてきた。

この世界には発酵を管理する技術や知識がないそうだ。でもチーズなどの発酵食品は見かけるのでその辺を詳しく聞いたら発酵のことは「天使の悪戯」と呼び、基本は放置で発酵するか腐るかは運になるそうだ。

あーダジャンさんが食いつくはずだ。

オワリについたら発酵の知識の買取について詳しく話す約束をしてミカワを出発。

厄介なことになりそうだ。


ちなみに、ミカワの街で定期的に『索敵』していたが特に反応はなかった。





いつの間にか、ダジャンさんにマヨネーズさんと呼ばれるようになっていた。

マヨネーズの呪いが・・・。


_____________________________

名前 真神尚人 17歳

種族 人間族

職業 勇者


レベル 4

HP 1200/1200

MP 630/630 

力  250

体  230

俊  230

魔  300


【スキル】

万物創造 共通言語認識 電脳

剣術 刀術 槍術

投擲 体術 回避

解体 水魔法 風魔法

生活魔法 遠見 警戒

索敵 空間認識 料理

状態異常耐性 並行詠唱


【称号】

異世界人 勇者 閃光のマヨネーズ


【装備】

打刀無銘

皮の鎧

お洒落なマント

_____________________________

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