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第二話
私は震える声で拒絶する。
「ここは異世界よ! 私は聖女として、この国の人々を守る義務があるの。あなたに構っている暇なんて……」
「ふふ、知ってるわよ。あなたが治癒の力で男たちの手を握るたび、私、あそこの時計塔から見てたもの」
リナが一歩、また一歩と距離を詰める。彼女の手には、前世でも見覚えのある、鈍く光る銀のナイフが握られていた。
「聖女様が『行方不明』になったら、もうお仕事なんてできないわよね? 大丈夫、今度は死なないわ。この世界の魔法なら、あなたの手足の自由を奪って、永遠に眠らせたまま私の部屋で飼うことができるもの」




