第八十九話『告発にゃん』
第八十九話『告発にゃん』
《んでも、どぉってことにゃいのにゃん》
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『みなさん!
実はここにいるミーナは、
…………んなことをしているばかりか、
…………んなこともしていまして。
あげくの果ては、
…………んなこともしでかすのですよ。
これが……ああなんという。
見目麗しき、
イオラの森のお姫さまの実態だなんて。
ねっ。ひどいとは思いませんかぁ?』
「ううっ。
——イオラの森中に鳴り響く、
『非難』という名のスペシャルソースが、
たぁっぷりのぷり、
にかけられたあの告発。
さすがにアタシも今度ばかりは、
うめき声をもらすので精一杯。
『参ったぁ』
って、白旗立てるしかないのわん。
あぁあ。
とうとう、
『アタシの過去』というパンドラの箱が、
開けられてしまったのわん。
あの世まで持っていく、
としていた秘密が……、
『内緒の話は、あのねのね』が……、
公の場にて、
ばらされてしまったのわぁん。
ああんもう!
みじめで恥ずかしくて、
もう誰の前に出られないのわぁん!
……って、あれっ?
みんな、
『それがなにか?』
みたいな顔をしているのわん。
一体どうして——」
ぽんぽん。
「——と親友の肩を、
やさしくたたいてにゃ——
当たり前にゃよ、ミーにゃん」
「ミアン」
「一緒に暮らしている、
ウチとイオラにゃんとで、
ことあるたんびに、
世間さまへ吹聴しまくっているもん。
まっ。いうにゃれば」
『あらかじめ、予防線を張っている』
「ってとこにゃん。
にゃもんで今さら、
にゃにをいわれようが、
ウチらにしてみれば」
『へのかっぱ』
「にゃんよ。
んれが証拠に、
聴いてるみんにゃにゃって、
ほら、あのとおりにゃもん」
「なぁんだ。
それなら、って……こらあっ!
アタシに一言の断りもなく」
『内緒の話は、あのねのね』
「を、あちらこちら、へ、
べらべら、と、
のべつまくなしに、
しゃべりまくりやがってぇ」
『一体全体、
アタシのプライバシーを、
どうしてくれるっ!』
「って、今度という今度は、
泣きわめきたいのわぁん!」
「ごめんにゃ、ミーにゃん」
『にゃあんの気もにゃしに、
つい、やってしまったのにゃんよ』
「あっ!
うんうん。それって、あるある。
笑っちゃうくらい、
やっちゃうのよねぇ。これが。
きゃははっ。
——さっすがはミアン。
まさに、我が意を得たり、なのわん——
ミアン。
実をいうとね。
つい先日も……って、
アタシが口をすべらせちゃうほど、
喜ばせてなんとするのわぁん!」
《ミーにゃんには本音をもらすにかぎるのにゃん》
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「やれやれ。
今回のお話もこれで終わり、か。
……はっ!
ねぇねぇ、ミアン。
今さら、なんだけどさぁ」
『へのかっぱ』
「ってなにわん?」
「今さら、にゃん」
《ネコが忘れっぽいのを感謝してやまにゃい日々にゃん》




