第八十七話『高いもんは安いのにゃん』
第八十七話『高いもんは安いのにゃん』
《これぞ逆転の発想にゃん》
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「ねぇねぇ、ミアン。
うわさによるとさぁ。
ホントは、
タダより高いもんはないらしいのわん」
「にゃら、ミーにゃん。
逆に、
高いもんってホントは安いのにゃん?」
「じゃない?」
《いいこと聴いたのにゃん》
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「というわけでにゃ、ネイルにゃん。
——久々に、
ウチのご主人さま、の登場にゃん。
まっそれはそれとしてにゃ——
今晩の」
『野菜炒め特盛』
「は、やめにしてにゃ」
『特上のえびふらい大特盛り』
「にするのにゃん。
高ければ高いほど、
ホントは安いのにゃんよ」
「いいたいことは判るのですが……。
すみません、ミアンさん。
今月はちょっと苦しくて。
来月は必ず買ってきますから、
今晩は……。
——じゃすみませんね。
正直にいいましょう——
今月は、じぃっ、と、
ガマンの子ネコ、でいてください。
頼みます。
これ、これこのとおり」
ぱん!
「——飼い主さまにゃんに、
お顔の前で手を合わせられたばかりか、
深々と土下座にゃんぞまで、
されてしまってはにゃあ——
んにゃ。判りましたのにゃん。
どうぞ、お気ににゃさらにゃいで。
……ぐすん」
《現実の壁って、予想以上に厚かったのにゃん》
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「ああんもう!
こんなことしちゃう」
『アタシ』
「っていう、自分が判らないのわぁん!」
「道理でにゃ。
ウチにも判らにゃいはずにゃん」
「そうね。
ワタシも一安心だわ」
「こらあっ!
いたいけなアタシが、
こぉんなにも、
苦しんでいる、っていうのにぃ。
ふたりそろって、
ほっ、と、
胸をなでおろしてんじゃないのわぁん!」
「いいじゃにゃいの。ミーにゃん」
「仲良し子好し、ってことが証明されたのよ、
ミーナちゃん。
ここは怒るよりも、
むしろ、喜ぶところ、じゃないかしら。
違う?」
「へっ? んなの?」
《にゃあって、三にんそろって判らにゃいのにゃもん》




