第八十五話『意味深っぽいのにゃん』
第八十五話『意味深っぽいのにゃん』
《勝ったのにゃん? 負けたのにゃん?》
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『「勝った!」と思った瞬間、
実は、
「負け」の始まりなのわぁん!』
「ふにゃっ?
——ミーにゃんらしからにゅ、
意味深っぽい言葉じゃにゃいの——
にゃあ、ミーにゃん。
もぉっと、
具体的にいって欲しいのにゃけれども」
「まっ早い話が」
『今こそ、この迷探偵ミーナが、
真実をつまびらかにするのわん。
ずばりっ!
犯ネコはあなたなのわん!』
「なぁんて叫んで、
びしっ、と指差した瞬間、がね。
アタシにとっちゃあ、紛れもなく」
『勝った!』
「なのわん。
しかしながらぁ……世ん中って、
なかなか自分の思うようには、
いかないみたいなのわん」
『ふん。ちゃらくさいことを。
証拠を見せろ。
おれさまが犯ネコだという、
確たる証拠をな』
「なぁんて、
この期に及んでも、
白々しく、ヌかしやがるのわん。
なもんで、こうなったら」
『目にモノを見せてやるのわん』
「とばかりに」
「証拠を見せたのにゃん?」
「ううん」
「にゃら、どうしたのにゃん」
「いつもと同じ。
すごすご、と、
さみしい後ろ姿を相手に見せて、
引き下がるしかなかったのわん。
悲しいかな」
『負け』
「を認めたもんの哀れな末路、
ってぇやつ、なぁのわん」
「ということはにゃ。もしや」
「ミアン」
『もしや』
「じゃなくって」
『当たり』
「なのわん。
追いつめてはみたものの、
証拠の『し』の字もなかったのわん。
なもんで」
『専門用語』
「でいうところの」
『ハッタリをかます』
「をやっちゃうしかなかったのわぁん」
「はあぁ。
……にゃあんて深いため息を、
もらさずにはいられにゃいくらい、
いつものパターンにゃん」
「んだから、
あらかじめ予防線を張ったじゃない」
『いつもと同じ』
「って」
『どお? なぁんか文句ある?』
「って、開き直っちゃうのわぁん」
「逆にゃよ、ミーにゃん。
ウチ、ほとほと感心しましたのにゃん」
「へっ?」
《ご自分の失敗を平気で例にあげちゃう勇気にカンパイにゃん》




