第八十二話『びっくりしたのにゃん』
第八十二話『びっくりしたのにゃん』
《知らぬ間に行方不明から策士とにゃっていたのにゃん》
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「なにこのコメント?
意味が、さぁっぱりのぱり、なのわん」
「んにゃミーにゃんに」
『はい、これにゃん!』
「巻物……おや?
タイトルみたいなもんが、
書かれてあるのわん。
なになにぃ」
『柳生武芸帳と間違えにゃいで』
「んなもんと誰が間違えるかぁ!
なぁのわん!
そもそも『柳生武芸帳』自体、
どんなもんか知らないのわぁん!
……なぁんて怒っても、
書物に罪があるわけじゃなし。
なもんでここは怒りを鎮めて、
拝見拝見、と」
するするするするぅっ。
「と、ひもといてみればぁ……あっ。
ホントのホントに、
なぁんか書いてあるのわん」
『知りたいのにゃら、
お話の続きをどうぞ、にゃん』
ムカぁっ!
「と怒って」
びりびりびり。
「と破るしかないのわん!
んもう!
こぉんな手間ヒマかけるヒマが……、
じゃなくって、
こぉんな手間かけるヒマが……、
じゃもの足りなくって、
こぉんな手間ヒマかける時間が、
あるのなら、
——って、いえた、いえたのわぁん。
やぁっぱアタシは、
やればできる子なのわん。
……なぁんて、
浮かれている場合じゃなくって——
お話の続きを、
特に今回は最後なもんで、
さっさ、と始めるのわぁん!」
《七十八話目あたりって、完全に脱線してたもんにゃあ》
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「ミアンちゃんの目論見どおり、
といってもいいんじゃないかしら。
素直に認めるわ。
ワタシたちの完敗をね。
ホント、たいしたものだわ。
波乱万丈の生きざまを経て、
自分でもよく判らないうちに、
大精霊となったワタシであっても」
「あのにゃあ」
《正直といえば、正直にゃのにゃけれども》
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「これほど、
びっくりさせられちゃったのは」
『生まれて初めて』
「かもしれなくってよ」
「ふにゃっ?
にゃあんで、びっくり」
「なもんで、
くやしいのわん。
くやしいのわん。
くやしいのわんったら、
くやしいのわぁん。
なぁんて、
思いっきり、くやしがっちゃうところ、
ではあるんだけどぉ……きゃはっ。
相手が、アタシたちのミアン、なら」
「ふふっ。
思いっきり、
ミアンちゃんの勝利を祝して」
ふわりふわふわぁ。
「ふにゃにゃっ。
ふたりでウチを空に浮かばせて、
一体にゃにを?」
「毎度、おなじみ胴上げなのわん。
——といっても今回は初の試み。
『念動霊波バージョン』
サプライズなお祝いとして、
是非とも楽しんで欲しいのわぁん——
んなら、いっくのわん!
せぇのぉっ!」
『ばんにゃあいっ! ばんにゃあいっ!』
「——ふたりの腕の動きに合わせて、
ウチの身体は、
上がったり下がったり、にゃん。
にゃにがにゃんにゃのか、
さぁっぱりのぱり、
にゃのにゃけれどもぉ。
ミーにゃんもイオラにゃんも、
喜んでいるのにゃん。
にゃらウチにゃって——
にゃはははっ」
《にゃにはともあれ、めでたしめでたし、にゃんよ》




