第七十五話『涙は感染(うつ)るのにゃん』
第七十五話『涙は感染るのにゃん』
《みんにゃ泣いてるのにゃん》
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「ぐすん。
アタシのアホネコが……、
思いっきり泣いているのわん」
『強力粉もどき』
「が入った袋と」
『薄力粉もどき』
「が入った袋が」
『破けちゃうんじゃない?』
『中身をぶちまけちゃうんじゃない?』
『粉が混ざっちゃうんじゃない?』
「なぁんて、
いろんな心配をさせちゃうくらい、
強く抱きしめながら。
……んまぁ見た目からして」
『なぁんかとぉっても、
勘違いしているようなぁ』
「気がしてならないのだけど……ぐすん。
こういう感って、
当たり確率が高いんだけどぉ……ぐすん。
んれでもっ。
大大大の大好きな親友に、
あれほど泣かれちゃうと……ぐすん。
アタシだって……、
アタシだって……ぐすん。
大泣きしちゃうのわぁん!」
『うええぇぇん! うええぇぇん!』
《ミーにゃんってホントはやさしいのにゃんよ》
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「ミーナちゃん……。
ミーナちゃんが激しく泣いているわ。
あの愛すべきひねくれ者が、
こともあろうに泣くなんて。
一体なにがどうしてこう……はっ!
まさか、まさか、
ミアンちゃんにもしものことが。
ええとぉ……ええとぉ……ああんもう!
ここからじゃあ、
ミーナちゃんの、
背中と翅が邪魔して、
ミアンちゃんのお顔が見えないわ。
……って、ワタシったら、
この非常時に、なにいつまでも」
『気配を隠して、そぉっとのぞき見』
「なんてしているのかしら。
いやらしいったら、ありゃしない。
……ワタシがいやらしい?
いいえ、違うわ。
のぞき見じゃないし、いやらしくもない。
だあって」
『我が子の成長を陰ながら見守っている』
「んだもの」
『アホな子ほどかわいい』
「から、よけい……なぁんて、
どうでもいいわ。
早くそばに行って……ああでもぉ。
ホントのホントに、
ミアンちゃんが……ダメっ。ダメだわ。
怖くて確かめられない……ぐすん。
そんなはずはないわ。
絶対にない。あってたまるもんですか。
でも、でも、
ミーナちゃんが、
あの子が、
あぁんなにも、
泣いているってことは……」
『うわああぁぁっ! うわああぁぁっ!』
《イオラにゃんも、けっこう涙もろいのにゃん》




