第五十二話『ウチもまた獣(じゅう)にゃん』
第五十二話『ウチもまた獣にゃん』
《どこぞの怪獣とか超獣とかとは違うのにゃけれども》
∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽
ぷんぷん!
『ミーにゃん!
今ウチは怒ってるのにゃんよぉっ!』
「うわわぁん。
い、いっとくけど、
アタシじゃないのわん。
断じてないのわん。あり得ないのわん」
「……あにょぉ。もしもし。
にゃあにうろたえてんのにゃん?
「えっ。あっ。うっ。ううん。
なんでもないのわん。なんでも」
「まぁいいにゃん。
ミーにゃんとは、
にゃあんも関係のにゃい話にゃし」
「あっ、そうなの?
——やれやれ。
『ちぇっ。
焦らせやがってぇ。
ふざけんじゃないのわん!』
……なぁんて面と向かっては、
とてもじゃないけどいえないから、
心の中で文句をいってぇ。
でもって、
お顔はほがらかに微笑んでぇ——
じゃあ、
なぁんで、んなに怒ってるのわん?」
「獣にゃよ」
「獣? 獣がどうしたっていうのわん?」
「獣をにゃ」
『けもの』
「にゃらまにゃしも」
『けにゃもの』
「と呼ぶこともあるんにゃって」
「けだもの、ねぇ」
『それがなにか?』
「って問いつめたいのわん」
「にゃあって獣といえば、
ウチもまたそうにゃん」
「だよね」
「にゃのに『けにゃもの』にゃんて。
やばんすぎるというか、
はたまた品がにゃいというかぁ……。
こんにゃにも、
美しくて、
可憐で、
魅惑あふれる命に対して」
「こらこら。
どさくさ紛れのこの機に乗じて、
か、どうかはともかく、
修飾がやたら多すぎるのわん」
「『けにゃもの』にゃあんて、
愚劣にゃ、
呼び方をするにゃんて。
ガマンにゃらにゃいのにゃん。
ネコにゃって、
忍耐にも限度があるにゃ。
にゃもんで、
ウチは声を大にして訴えたいのにゃん!」
『ぜがひでも、
修正を要求するのにゃよぉっ!』
「ってにゃ」
「ふぅぅん。
まぁ確かに」
『品がない』
「といえば、ないかもしれないけどさぁ。
じゃあ、逆にね。
ミアンだったら、
どう呼んでくれたらいいと思うのわん?」
《にゃんと。ネコが質問されたからには、つづくのにゃん》




