第19話 科目を決めよう
「そうなんですか? すみません、私あまり良く知らなくて……」
エルフが人間嫌いだったなんて……知らなかった!
そもそもこの世界のことをまだよく知らない私。日本人だった記憶の方が多いから私の知ってる常識は日本の常識だし、きっとこの学園ではかなり常識知らずのおのぼりさんの筈。これは気を付けないと!
「私、実はすごい遠い所から来たばかりで……。その、学園のことはもちろんこの国のこともよく知らないんです。メイベルさん、私が何か変な事を言ってたりおかしなことをしたら教えてもらえますか!?」
私が真剣な顔でお願いすると、メイベルさんは可笑しそうに笑った。
「そんな事でいいのならいくらでも。でも立ち入った事をお聞きするけど、ユーリさんはどういった経緯でエリス先生の養女になったの?」
「ああ、それは実は私ちょっと怪我をしてしまって。」
そう言って私は自分の左手をメイベルさんに見せた。
ルツとエリス先生との約束で、学園内にいる間は怪我の痕がある左手は手袋をつけることになっている。これ以上痕が残らないようにするために、手袋にも魔法がかけてあるんだとか。
そして私とエリス先生の関係も、その怪我を治す為に後見人になってもらっている、という事にした方がいいとエリス先生に言われている。
「なかなか治らないので、定期的にエリス先生に見てもらってるんです。それがきっかけでエリス先生に後見人になっていただくことになったんです」
「そう、怪我を……。それは大変だったわね。ごめんなさいね、こんな事聞いちゃって。さぞ痛かったでしょう?早く治るといいですね。」
「いいえ、もうちっとも痛くないから全然大丈夫なんですよ」
なんだか申し訳なさそうに眉を下げて本気で心配してくれるメイベルさん。もうちっとも痛くないからそんな顔をされると私の方が申し訳なくなってしまう。
「ところで受けたい講義は決まったの? 科目登録は今日から3日間だから、ある程度希望を決めておいた方がいいですよ。」
「そうそう! 聞きたかったのはそれです!」
この学園は3年間でおおよそ100の単位を取得すれば卒業資格が得られんだそう。あとは卒業試験に合格すれば卒業できる仕組みになっているんだって。
1年で大体30ちょっとの単位をとればいいってことだけど、1年生向け、2年生向け、3年生向けの科目があるし、それとは別に特別講座みたいのものあってちょっと複雑。
「とりあえず1年生必修の基礎魔法学、魔法史、基礎薬草学は今学期中に取ろうと思ってるんですが、他にも色々面白そうなのがいっぱいで……。もうどうしようか迷っちゃって」
ちなみに私が候補に挙げているのは「初級魔法陣」、「高等魔法生物」、「治癒術」。
でも占いの「占術」や「冒険者向け攻撃魔法」とかも面白そうだし、せっかくだからエルフの郷で本で読んだ有名な教授の授業も受けてみたい!
「冒険者向け」とか、字面を見るだけでどきどきしちゃうよね!




