第17話 初めての友人
「うふふ、そうなんです。私はこちらの魔法学園6年生なんですよ」
にこにこと笑うメイベルさんは、なんだか悪戯が成功した子供の様に嬉しそう。
「ユーリ、この学園は最長8年まで在籍できるんです。メイベルさんはとても優秀な方で最初の2年で必要履修数は全てクリアしたのですが、本人が進級を希望しないので未だ1年生のままなのです。」
「私、ここの図書館が大好きなんです。学生であれば図書館を自由に利用できるので、全ての蔵書を読み尽くすまではこんな素晴らしい特権を手放す気はありませんの」
「そ、そうなんですか」
そう言ってメイベルさんは無邪気に笑うけど、メイベルさんにそんな事を言わせるここの図書館が凄いと感心するべきなのか、6年もここで勉強してるメイベルさんが凄いのか……
うん、私の笑顔が微妙になってしまったのは誰も責められないと思う!
「ところでメイベルさん、この後お時間はありますか?」
そう言うとエリス先生がメイベルさんの方に向き直った。
「実はこの後ユーリをカフェテリアへ案内しようと思っていたのですが、どうやら私達はいらぬ注目を集めてしまっているようです」
びっくりして私が周りを見回すと、確かに書架の影や遠くからこちらを伺う様子の複数の生徒が見えた。
私達が見られてるの? どうして?
「よければ私の代わりにユーリをカフェテリアに連れて行っていただけませんか。ユーリは今日この学園に着いたばかりでまだ園内の様子を知りません。そうそう、ついでに履修科目についても相談にのっていただけますか」
「は、はい! 私でよければ喜んで!」
「それは助かります」
エリス先生はメイベルさんに笑って頷くと、今度は私の方を向き直った。
「ユーリ、本当は私が全部案内してさしあげたかったのに残念です」
「あ、あのエリス先生、注目されてるってどうしてですか……?」
「ああ、彼等が見ているのは私なのでユーリが心配することはありません。私が学園内にいることが珍しいので、隙あらば私に質問しようとする生徒がああやって様子を伺っているのでしょう」
「うふふ、ユーリさん、エリス先生はとても人気者なんです。いつも注目の的なんですよ」
「そうなんですか!」
それじゃあここへ来る途中、中庭で見られていたのも気のせいじゃなかったんだ。エリス先生ってやっぱりすごい人なんだな。
「私は自室に戻っています。ユーリはゆっくり見学してくるといいでしょう。メイベルさんはとても信頼できる方です。分からないことがあれば彼女に聞いてください」
「「はい!」」
元気よく返事をした声がメイベルさんと重なって、私達は思わず顔を見合わせて笑ってしまった。
うん、なんだか仲良くなれそう! メイベルさんとお友達になれるといいな。
たたたたったったったーん!
「メイベル が ともだちに なった」
ユーリ・メイベル 「「えっ!?どこから音が!?」」




