第15話 校内探検
学園はクラシカルな石造りの立派な建物で、まるで何かのお城みたい。慣れるまで迷子になるかも……とちょっと不安になったりして。
「ユーリ、これから行くのが1年生の講義がよく行われているフロアです。基本的に1年生は1階、2年生は2階、3年生は3階ですが、人気の教授の講義は別の広い教室で行われます。また講義型の授業とは違う実演型の講義だとコロッセウムや、時には郊外に出ることもありますので注意してくださいね」
「ええっと、エリスさん、じゃなくてエリス先生、コロッセウムって何ですか?」
「ああ、コロッセウムとは屋外にある円形の闘技場のことです。召喚術や大規模な魔方陣を使う魔法を行うときはコロッセウムを使用することが多いですね」
そもそもこの学園はフランツ王国における学園都市の一部で、広大な敷地内にはこの「国立魔法学園」を始め、「王立魔法アカデミー」、「研究所」、「コロッセウム」、「図書館」、「劇場」等、様々な施設があるらしい。全部周ると一体何時間かかるんだろう?
そんな話をしながら歩いているとようやく1階の教室に到着した。1階には教室が5部屋あるそうで、歩きながらドアの小窓から中を覗かせてもらうことにした。
「現在の学生数は全体で大体1000人位でしょうか。講義によって変わりますが、通常ですと小規模な講義で30人位、大規模な講義だと50人位の学生が受講しています。特別講義だと100人が受講する事もありますよ。これは1年生必修の魔法史の教室ですね。ちょっと見てみましょう」
小窓から中を覗かせてもらうと、50人位の生徒の前で眼鏡をかけた優しそうな男の先生が授業をしていた。こちらの世界でも黒板があるのがなんだか妙に親近感があるなあ。
授業を受けている生徒さん達の年齢はまちまちで、明らかに私より年下の小さい子供もいるし、もっと年上に見える人もいる。あれ?でもあの人制服が違う……?
「あの、エリス先生、あの違う服を着てる人は?」
「ああ、基本的に学園内では身分の上下や国籍、種族に関わらず平等だという理念がありますので生徒は制服の着用を求められます。ただ仕事の途中で来ている人はその職場の制服を着て来るようですね。例えばあの茶色い髪の男の子が着ている紺色の服は、この国の騎士団の制服です」
「騎士団!?」
「彼の隣に座っている金髪の男の子がフランク王国の第3王子なので、その護衛をしているんでしょうね。同じ1年なので講義で一緒になることもあるかもしれませんよ」
確かに騎士団の制服を着た男の子の隣には、やたらキラキラした金髪で青い眼をした男の子が座っている。騎士団の男の子もかっこいいけど、王子様はなんだか次元が違うっていうレベルでかっこいい。っていうか、本物の王子さまなんか初めて見る! うわー生王子だ!
「うわー、王子様なんですね。うん、確かにキラキラしてますね!」
「キラキラしてますか? おや、ユーリは王子様に興味があるんですか?」
ええっ! 王子様なんてとんでもない! 普通に芸能人みたいに遠い存在です! 私は無言でぶんぶん頭を振った。
「ふふ、そんなに慌てなくても大丈夫ですよ。でもこれ以上言うと後で私がルツに怒られそうですね。では次に図書室と食堂を案内しましょうか」
んん? どうしてここでルツが出て来るの?っていうかエリス先生の微笑がなんだか怖い気が……
王子様と騎士様を発見した!




