第11話 入学準備
とんとん拍子に魔法学園に通うことになった私は、今ここエルフの郷で入学準備のためにお勉強中だ。
あれから色々話を聞いたところ、エリスさんやルーチェさんはなんとエルフと呼ばれる種族で人間ではないということが発覚した!
確かによく見ると耳が長くてとがっているのに気が付いた。郷の人はみんな超絶美形だから、この世界の人はみんなこんなに顔面偏差値が高いのか! と思って内心ガクブルしてたんだけど、それを聞いて私はちょっと安心した。
そして2週間後の新学期に合わせて私は学校に編入することになったので、エリスさんからは魔法についての知識、ルーチェさんからはこの世界の一般常識みたいなことを教わってる。
まるで試験前の追い込みみたいだけど、大好きなファンタジーの授業を受けてるみたいでとっても面白いから苦にならない。
そんな私は今日は朝から図書室に来ている。
今日はエリスさんはお出かけなので私は図書室で好きな本を読んでていいんだって。ルツは私と一緒に図書室に来たけど、特に本を読むわけでもなく窓から外を眺めてる。
「えーっと、なになに……」
ーーこの世界は人間の支配する5つの大国と人間以外の種族の統べる数多の小国から成る。
一番広い国土を有する神聖ネール帝国、文化芸術の栄えたフランク王国、灼熱の国サハル、魔法科学の発達したバーゼル、そして小国ながら貿易国家として栄えるカリエッラ。
これらの5国は表面上は平和協定の元穏やかな国交を結んでいるが、領土拡大を狙う神聖ネール帝国の度重なる侵略により、一発触発の緊迫した状態を保っている。
ふむふむなるほどね。地図とかあればもっとわかりやすいんだけどなあ。とにかく今私がいるところが
『人間以外の種族の統べる数多の小国』の一つであるエルフの郷で、これから行く学校がフランク王国にあるという訳ね。
ーーフランク王国にある国立高等魔法学園は王家の庇護の元、広大で恵まれた環境の中魔法の勉強ができる。そして国立のため卒業後は自由な進路が選べるとあって、世界中から優秀な生徒が集まることで有名である。また近年は著名な講師陣による講義も評判だ。特に有名な講師としてエルフの大賢者と言われるエリス・フォン・ヴァルトを始め、闇の魔術士カーク・ウェイバー、氷の魔術士エリアス・ローエンベルク、稀代の魔女と名高いマリー・ベリーなど……
ここが私の通う予定の学校ね。なになに、有名な講師として……って、え、これ!
「ルツ! ルツ! 見てここ!!」
私は少し離れた窓際に座るルツのところへ駆け寄ると、私が呼んでいた本のページを見せた。
「ほら! ここ、このエルフの大賢者って、エリスさんの事!?」
「……そうだ」
「えーっ! どうして今まで教えてくれなかったの? 私何も知らなくて普通に話しちゃってたよ。っていうか大賢者ってすごくない? エリスさんって有名人なんだねー!」
「……あいつのことなど別に知る必要ない」
「むっ!」
ここ数日で私の中でのルツの評価は、頼りになるイケメンお兄さんからちょっと不親切で無口な人へとシフトチェンジした。だって私が何か聞いても「ああ」とか「そうか」とか位しか言わないし、無関心なのかと思ったけど明らかに私のこと睨んでる時あるし!
そもそもルツは最初からずーっと私が学校へ行くことを反対してる。だけどどうしてダメなのかその理由を教えてくれないから、私には理不尽で納得できない。
「……何度も言うけど私は絶対に学校行きますから」
私がじーっと睨むと、ルツは困ったような顔をして視線を外して小さくため息をついた。
「俺は反対だ」
「じゃあせめてどうしてダメなのかその理由を教えて。でないと私納得できない。納得できなくても学校は行くけど……こんな喧嘩したみたいなままなのは嫌だから」
「……」
ルツは私の方を見てくれようともしない。
「もういい! ルツのばかっ!」
ここで終わって年越しするとルツさんがあまりにも不憫・・・ですね。
あと1話更新して年内は終わりにしたいです。頑張ります。




