白兎事件編29(文化祭前日・後編・2)
(柚木)
柳瀬の家へ帰ってくると、門をくぐるなり真横をフォークが掠めていった。
青い顔をした木戸が踵を返す。 それと同時に、今度は飛び蹴りが跳んできた。なんか殴り合いが始まったけど止めなくていいかな。柳瀬は朝から元気いっぱいだ。
「蓮ちゃ〜ん、聞いたぞ〜」
「フォークは止めて!自分でやる!お願いだから自分でやらせて!」
「どこまでズタズタにしても大丈夫なのか知りてぇんだよ」
「ねぇ灯護さん何か嫌なことあった!?」
楽しそうだなぁ、柳瀬。ぼんやり眺めていたら、柚姫が俺の背中に飛びついてきた。
「お兄ちゃん、おかえりなさい!」
「ただいま。石田と中川は?」
「中川くんがたくちゃんを送って行ったのよ。たくちゃん、今日は学校寮に帰るって言ってたのよー」
「そっか。明日は文化祭だもんな」
毎年、イベント前の石田は学校から帰ってこない。心配だけど、学校には石田を守ってくれるひと達がたくさんいるからそっちの方が安全なのは間違いない。
それに加えて中川がついて行ったなら安心だ。もうすっかり登校時間は過ぎてしまったから、夏椎達も学校へ行っているんだろうな。
「ゆずも文化祭行きたかったのよ〜」
「石田とダンスの練習してたんだろ?」
「そうなのよ!ゆずのお歌使ってくれるって言ってたから、お兄ちゃんも絶対見に行ってね!」
「分かった」
にこにこご機嫌な柚姫の視線を隠しながら、俺はじりじりと家の中へ誘導していく。
木戸の力の封印方法を知ったなら絶対見るまで諦めない。柳瀬はそういう奴だ。柚姫にはグロテスクな光景はあんまり見せたくない。
木戸が大きく成長して一番ショック受けてたのは柳瀬だもんなぁ。
家に入ると、白いモップのようなかたまりが出迎えてくれた。顔も表情も何ひとつ見えない人型のモップは、柚姫と同じくらいの背丈をぺこりと屈ませる。
「久しぶりだな、タナ!」
久しぶりのタナは完全体のモップだ。タナはモップの両サイドをウネウネと伸ばして俺の頬に触れる。
くすぐったいけどこれがタナのコミュニケーションだ。タナは口がないから言葉を話せない。でも、俺の言っていることはきちんと理解してくれている。
「お兄ちゃん、タナちゃん好きね」
「何言ってるか分かんないのワクワクしねぇ!?」
「ゆずには分かんない感覚なのよ⋯⋯」
話しているうちに、柚姫の目が大きくなったかと思えばいきなり脇腹に突撃してきた。柚姫は力加減という言葉を知らないから普通に痛い。
「柚姫?」
さすがにちょっと文句を言おうとした声は、それ以上の言葉を紡げなかった。
泣いている。
何故、とはさすがに思えなかった。
「柚姫」
俺は柚姫を抱きしめながら、唇を噛み締めて子どもの姿に戻った。
きちんと向き合うために。もう逃げないために。
「―――ずっと、言えなくて、ごめん⋯」
★★
園長さんに案内されて通された場所は、レンガ造りのこじんまりとした家だった。
辺り一帯のコーヒーの木が窓越しに見える。さすがにゾウやキリンは中に入れなかったので、窓際へ腰を落ち着けていた。
小さな4人がけのテーブルの前に置かれた簡素な木の椅子に座るよう促された俺は、大人しく座ってきょろきょろと視線を巡らせる。
時計を見ると、6時と表示されていた。
朝焼けのようには見えないけれど。少し不安になって、俺はみんなを見上げた。
「⋯⋯ここどこ?」
今更すぎる疑問だ。コーヒーカップを持った元ペンギンの飼育員さんは、微笑みながら答えた。
「ブラジルという国ですよ」
「えっ」
俺は慌てて立ち上がった。
それなのに、木戸が上から肩を押さえて「まぁーまぁー」と言いながら座らせてくる。
「木戸!」
「帰りはちゃんと俺が連れて帰りますから。ほら、コーヒー飲みなよ。コーヒーは飲めるでしょ」
「飲めるけど⋯⋯」
「俺が園長さんと再会したのもこの国だったんだよ。園長さん、コーヒー好きだから第二の人生コーヒー作りに捧げてんだって」
「はい、お恥ずかしながら⋯⋯」
前に座る園長さんが照れくさそうに頬をかいている。
そうか。この人達は島を出たから無事だったのか。
落ち着いてふたりを見ると、10年以上経ったのにあまり見た目は変わってないように見えた。少し皺が増えたくらいで、顔立ちも声音も覚えているふたりのままだ。
「⋯⋯何で成長してねぇの?」
つい出た疑問が口から零れると、ふたりはふふっと顔を見合せて微笑んだ。
「大人の10年と子どもの10年は重みが違いますね」
「変わっていないは嬉しいですけどね。小さな神様」
「⋯⋯柚木です」
「はい。柚木くん、私達は田辺と言います。島を出た時にコーヒー好きが高じて夫婦になったんですよ」
「そっか。おめでとう」
おめでとうと言ったのに、隣の木戸がにやにやしながら見つめてくる。何だよ、祝福したのに。なんかちょっとバカにした顔しやがって。
「素直な先輩可愛い。ふたりねぇ、すんごい年の差夫婦なんだよ。なんと40歳差なんだって」
「ふぅん?」
「ピンときてねぇ顔しちゃって。ほんと可愛いなぁ」
「バカにしてるだろ、お前」
俺は眉を寄せてコーヒーを飲んだ。
苦い中に甘い香りがふわりと漂って、とても飲みやすい。賢吾が好きそうな味だ。
でも、苦いものは苦い。
「ミルクとお砂糖は入れますか?」
「⋯⋯木戸は?」
「俺はこのままでいいよ」
「ムカつく」
「ねぇ、さっきから妙に俺へのヘイト高くない?別にミルクとお砂糖入れたっていいじゃん。中川さんなんて引くほど両方入れてるよ」
「そう言えばまゆも砂糖はバサバサ入れてるな⋯⋯」
思い出すのは家族の事ばかりで、俺は目を伏せた。カップの中の黒色が、黒髪の俺をゆらゆらと映している。
まゆも賢吾も無事だろうか。本当は賢吾じゃなくて俺が行きたかった。待つのがこんなに不安で苦しいなんて初めて知った。
いつもは俺が待たせる側なのに。
ふたりも不安だったのかな。⋯⋯それなら俺はずっと悪いことをしていたのかな。
俺は何も言わず、髪色を金色へ戻す。
あの時と同じ。何も分かっていなかった、都合のいい記憶だけを上書きされた、———無知な子どもと同じ色。
「すごいですね。魔法のようだ」
「魔法なんていいものじゃない。無理矢理見た目を変えてるだけだ。⋯⋯本当はこっち」
俺はゆっくり顔を上げて、目の前のふたりを見る。
園長夫妻が、息を飲むのが分かった。
「⋯⋯ずっと、分かってた。おれはこの姿から逃げ続けていただけだ」
コーヒーカップに映る自分は、どう足掻いても小さな子どもにしか見えない。
この姿を見ると殺したくなる。衝動的に鏡を割って、見えないようにしなければアイツらの幻影がやって来るような気がしてならない。
だから、言い訳をした。大人の姿が正しいんだと思い込まなければ生きていけなかった。柚姫は逃げずに向き合っているのに、おれだけがずっと現実から背を向け続けている。
「おれはずっとアイツらの人形だった。⋯⋯この姿はアイツらのゴミ箱だ。俺は今でもそう思ってる」
「ひどい⋯⋯」
「記憶は戻ったけど、何をされてたか思い出せないし思い出したくもない。ただずっと感覚だけは残ってる。言われてたことも⋯⋯」
おれは言葉を飲んだ。
止まった声を案じて、あの時小猿だったニホンザルが膝元に乗ってきた。足元にもフンボルトペンギンが擦り寄って、まるで鼓舞されているような感覚になる。
「おれには一切の価値はない」
ようやく、言えた。
何度も何度も、それこそ毎夜のように言われ続けてきたその言葉。
「本当だとそう思うのに、こうやって傍にいてくれる動物達がいるから勘違いする。おれにはこの星の神である以外の価値はないから、⋯⋯そう思わなきゃいけないんだ。ずっと」
誰かに否定されないために、自分が否定するしか無かった。
今だってそう思う。それなのに与えられる愛情に甘えて、縋って、おれは本当に醜い。
アイツらの言う通りだ。
結局、アイツらの言う通りの存在に成り下がる。同じ土俵に立っている。
俯くおれの頬を、木戸が両手で摘んだ。
顔を上げると、怒っているような、悲しそうな、何とも言えない顔をしている。
「香流の価値がないなんて、嘘だ」
木戸は真っ直ぐおれを見つめながら、小さい子どもに言い聞かせるようにゆっくりと言葉を紡ぐ。
「香流がそんな風に思うのは自由だけど。香流の価値がないってことは、あの横暴な柳瀬も、腹黒天使中川さんも、傍若無人な愛敬も、職人ロボットヒツギも、香流のこと大好きな人たちみんな嘘つきになるんだよ」
今度はむにーっと両頬を引っ張ってくる。
「香流のことだけ追っかけてる俺も、嘘ついてると思ってんの?」
「お前は何も知らなかったから!」
「そこ蒸し返してくる!?じゃあ聞けば教えてくれたのかよ!香流のネガティブアホ!」
「⋯⋯っ今教えただろ!お前は何も覚えてなかったおれを見てただけだよ!本当のおれは気持ち悪くて汚くてしょうもないクソガキなんだよ!」
「はぁー!?じゃあ今聞いた感想言ってやるよ!」
木戸の手が今度は優しく両頬を包み込む。
温かくて、ちょっとだけほっとして、ちょっとだけザワザワする大きな手。
「何も変わんねぇよ。好きだ」
「⋯⋯はぁ!?」
全くもって意味が分からない。
「だから、おれは醜いんだって!」
「何で昔の話したら香流が醜くなるんだよ!俺言っただろ、俺は記憶がなかった時の香流しか知らねぇの!その上で何も気持ちは変わんねぇって言ってんの!」
「な、なんで⋯⋯!?」
「今の香流は!辛い記憶も楽しかった記憶もどっちも持ってんじゃねぇの!」
叫ぶように言われて、おれはようやく木戸の言っている意味を理解した。
それは、中川と柳瀬にも言われたことだ。おれはおれで、変わらないって。変わらない振りをしなければならないんだとその時は理解したけれど、⋯⋯その解釈は間違ってた?
「俺からすれば出会った時の香流と今の香流は何も変わんねぇんだよ!大体、こんなしんどいこと言ってくれてんのに誰だって嫌いになる訳ねぇじゃん⋯⋯」
「⋯⋯なんで」
分からない。
なんで。なんで蓮はおれを否定しないんだよ。
ばあちゃんも、じいちゃんも、ずっとおれに優しい言葉をかけてくれた。
駄目なんだ。そっちを向いては駄目なんだよ。
戻らなきゃ。じゃないとまた落とされる。落とされるくらいなら自分から降りた方がいい。
怖い。苦しい。失いたくない。期待したくない。
だけど、ようやく理解してしまった。
蓮は嘘をつかない。言葉が、態度が、表情が、自分だけを向いているのがきちんと分かるから。
分からなくなる。おれの価値はないのに。ないはずなのに。かき集めて形を作って、それを突きつけてくる横暴さがすごく大嫌いだ。
「柚木くん」
何も言えず固まったままのおれに、園長さんが優しく声をかけてくれた。
「人と人との関わりは、醜くもあり優しくもあるんですよ。こんなに怒ってくれる友人がいるなんて、きっと君はもらった優しさを色んな人へ返して来たんですね」
静かな声音が、耳にすとんと落ちる。
見上げるおれの瞳を見つめて、園長さんは穏やかに微笑んだ。
「向けられた悪意を人に向けることも出来たのに、そうしなかったのは君の優しさであり価値でしょう。その価値を見失ってはいけませんよ」
「⋯⋯優しさが、価値⋯⋯?」
「君のお日様のような優しさは動物達も良く分かっていますよ。だから、君と一緒にいたいと望むのでしょう。それは、人も神様も関係ないのですよ、柚木くん」
受けた痛みを誰かへ与えたいと思ったことなんて一度もない。
きっと、誰だって痛いのは嫌だ。おれだって嫌だった。
身体も、心も、痛かったから。
だから肯定し続けた。みんながおれと同じ思いをしないように。みんなは自分を否定しないように。
それに、意味があったのかなんて分からなかった。
でも、それをおれの価値だと園長さんは言ってくれる。優しさだったと教えてくれる。
それが優しさなのかなんて分からない。でも、ばあちゃんがおれにしてくれたことを少しでもひとに渡すことが出来ていたなら。
意味はあったんだ。ばあちゃんがかけてくれた優しい言葉は、ちゃんとおれの中で生きている。
「みんなも、同じように思ってた⋯⋯?」
「少なくとも、俺達はそう思ってるよ。香流はどこ行っても信者増やしてくるし、誰彼構わず救ってくるし。香流がこんなふうに自分を否定してるって知ったら、きっとみんな飛び上がって引き上げにくるよ」
「⋯⋯ほんとに?」
「ほんとだよ。だから、自分を否定したくなったら思い出してよ。これまで出会った人達の誰でもいいからさ。香流に優しい言葉をかけてくれた人、1人や2人じゃねぇだろ?⋯⋯みんな香流が大好きだよ。香流に価値がないなんて誰ひとり思ってないよ」
木戸の手が頬から離れて、ぽんぽんと頭を撫でる。
「それでも埋まんねぇ時は俺がたくさん香流を肯定するよ」
「うん⋯⋯」
「ちょっとずつでいいから、上がっておいでよ。怖くなったら俺と愛敬が全部ぶっ飛ばしに行くから」
「⋯⋯なんで愛敬?」
「アホほど強いから」
それは確かに、と思って思わず頬が緩んだ。
「柚木くん。誰にも話せないことを話したくなったら、いつでも来てくださいね」
「⋯⋯うん」
「ここには君を否定するものはありませんから」
話して気持ちが楽になっても、痛みが消えた訳じゃない。
まだ、残っている。足首を掴んでいる。引きずり落とそうと舌なめずりをするアイツらが目に浮かぶ。
それでも、おれはもう人形でいたくないと思えた。
今は、それだけ。いつか大嫌いなこの姿を受け入れられるようになる日がくるとは到底思えないけど、今はそれだけでもいいかな、⋯⋯ばあちゃん。
気付けば周りに動物達が増えている。みんな心配そうに見上げていて、その優しさが今はくすぐったい。
「みんな、君が来るのを待っていたんですよ」
園長さんはにこりと昔と同じに微笑んでくれた。
★★
ソファーに腰掛けてブラジルでの出来事を話すおれの言葉を、柚姫は静かに聞いていた。
おれが口を閉じると、柚姫は腕を伸ばしておれの頭を包むように抱きしめてくる。
「お兄ちゃん、本当に頑張ったね⋯⋯」
柚姫の手は小さくて、触れる身体は柔らかい。
おれと同じ顔。おれと同じ背丈。一緒に生まれてきたのに、おれだけが捻れている。その事実は変わらないけど。
「お兄ちゃんがいないと、ゆずも賢吾も生きていけないのよ」
「うん⋯⋯」
「お兄ちゃんそのものがゆずの価値よ。ゆずのすべてなのよ。それは賢吾だって同じなのよ」
柚姫はおれの額に額を合わせる。
「お兄ちゃんが欠けてはいけないのよ。ゆずだけじゃ駄目なの。それだけは忘れないでね」
本当は柚姫だけでいいと思ってた事は流石に言えなかったけど、柚姫にはお見通しだったらしい。
何も言えずにいると、リビングのドアが開いた。背丈が縮んで黒髪になった木戸と、ご機嫌な柳瀬が並んで入ってくる。
「あースッキリした!」
「まだいってぇぇ⋯⋯。先輩、この人ほんとどうにかして」
「人体に苦痛を与えるのは任せろ」
「マジ最低」
「木戸、眼帯似合わねぇな⋯⋯」
「イタイ人みたいなのよ」
「双子のせいで心まで痛い」
木戸が血まみれの服を抱えながらめそめそしている。縮んだ背中をばしっと叩いた柳瀬は、ソファーに座ったおれの顔を覗き込んできた。
「柚木もスッキリした?」
全てお見通しの顔で、おれの身体に腕を回してくる。
柳瀬は優しい。突然家に居候することになっても文句のひとつも言わないし、色々と気遣いをしてくれる。その優しさが誰にでも向けられるものではないとおれは知っている。
これまで当たり前にもらっていたことを感謝しなきゃは。おれは振り返ると、柳瀬の首に腕をそっと回した。
「柳瀬、大好き」
「よし、挙式はいつにする?」
「お前彼女はどうしたよ!」
いつの間にか復活していた木戸が柳瀬を引っ張っていく。せっかくぎゅっとしてたのに。木戸を見上げると、隻眼で睨みつけられた。
「天然破壊兵器になってんじゃねぇか!時と場合と人を選んで慎重に発言して!」
「木戸のアホ」
「なんで俺だけ塩対応継続なの!?」
「たっだいまー!」
元気よくリビングのドアを開けて今度は中川が入ってきた。
「あっ!おかえり柚木!ねぇねぇ、アイス買ってきたよー!」
「中川、大好き」
「俺も大好き!あれ、何そこの黒いの」
中川に冷たい目を向けられて、木戸が沈みこんでいく。姿が変わってもうるさいな木戸は。おれは大人の姿に変えて、中川にもぎゅっとした。
「もう目ぇ返して、柳瀬さん⋯⋯」
「はぁ?」
「うわぁ、返す気ねぇコイツ」
「どうせ明日も痛い思いするならそのままでいいだろ。夜に返して朝もっかい抉ってやろうか?
「あ、返さなくていいです」
2人のやりとりを聞き流しながら、中川が買ってきてくれたアイスの箱を開けてくれる。
中は色んな色がある。緑と、オレンジと、ピンクと、白。チョコチップの入ったアイスもある。すごい、豪華なアイスだ。
「柚木はミルクにする?チーズケーキの入ったアイスもあるよ」
「ミルクがいい」
「ゆずはチョコチップ!」
「柳瀬にはレモンシャーベットがあるよ。木戸は⋯⋯いる?」
「食べるよ!優しくして!」
こんなにゆっくりしてていいのかなと思うけど、今の俺の仕事は待つこと。まゆと賢吾を信じて待つ。
明日のために、心を強く持つんだ。
「お兄ちゃん、アイス美味しいね」
俺の隣で柚姫が笑ってくれる。
柚姫だけは変わらずいてくれることに、俺は少しだけほっとした。
お互い劣等感を抱いている双子です。




