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地球の果ての島の物語  作者: 亜滝紅羽
白兎事件編
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53/75

白兎事件編18(対話・2)

 今はとにかく、あの兎の女の子から話を聞いて確かめなければならない。

 黙って歩く俺に付いてくる形で、香流さんが足を動かしている。

 頭の中が落ち着かなくて、俺は言葉を探るのを止めた。ただ、無性に腹は立っている。


「さっき帰したばかりなのに、ごめんね」


 病院が見えてくると、白衣姿の川崎さんが出迎えてくれた。

 川崎さんは俺と香流さんが手を繋いでいるのを見て、微笑ましそうな表情を浮かべる。その笑顔に香流さんが複雑そうな顔をしているのを、俺は見て見ぬふりをした。


「今院長が診察してるから、こっちから入ってくれる?」

「分かりました」


 川崎さんに裏口を案内され、病院の中へ入っていく。

 エレベーターを使って5階へ上がると、先程見たナースステーションが見えてくる。看護師さん達は俺を見て何かヒソヒソと話をして笑っていた。柳瀬さんのせいで俺が美談扱いにされているのが非常に腹立たしい。

 川崎さんに案内された病室は、506号室と書かれている。

 その部屋は、俺の知っている病室とは造りが違っていた。


「お部屋移動したんですか?」

「柳瀬くんが穴開けちゃったからね⋯⋯」

「後で請求書送っとけ」


 川崎さんが苦笑いすると、香流さんは呆れ顔で答える。

 全くもってその通りだと思うので、俺も何も言わない。部屋の中へ足を踏み入れると、ぴく、とベッドの上で白い兎の耳が反応した。


「あ⋯⋯」


 兎の女の子が、小さく声を零す。

 俺は思わず息を飲んだ。

 まだ左腕に点滴の針が刺さっている。病衣を着た彼女は、病的なほどに白い肌をしていた。

 白いベッドに溶け込んでしまいそうなほどの白さは、肌だけでなく髪の色も同じだ。瞳の色だけが赤い色を放っていて、正直に、とても綺麗な人だと思ってしまった。


「あの⋯⋯ありがとうございました」


 ぺこりと兎の女の子が頭を下げたことで、俺ははっと意識を取り戻す。頭を下げた兎の耳が同時に垂れて、色素が薄いためか(ほの)かにピンク色に見えた。


「あぁ、助けたのはこっちだよ」


 俺が何も言わないので、香流さんが代わりに返答した。ぽんぽんと頭を撫でられたところで、俺は香流さんを見上げる。

 兎の女の子が儚い美しさなら、目線の先のこの人はお日様の美しさだ。

 陰らせたくない。本心からそう思う。けれど、気付いてしまった俺がこのまま黙っているわけにはいかない。

 

「―――なんで」


 俺は心に促されるまま口を開いた。

 香流さんと情報を整理していて、ある疑問が浮かんでいた。それは不確実なものであって、この子を傷つけるかも知れないひどい疑念だ。

 

 でも、俺は聞かなければならない。


「なんであの人達に協力したんですか」


 この子は被害者ではなく、加害者だ。


「⋯⋯そこまでご存知なのですね」


 兎の女の子は、髪と同じ色の白い睫毛を伏せた。

 え、と香流さんが戸惑ったような声を零す。

 やっぱり。この人には子どもが犯罪に加担していたと言う発想がないだろうなと思っていた。

 どうせ(ろく)に疑いもせず被害者だと信じていたに違いない。香流さんのマナを感じてそう確信した。この人には悪意への着眼点がまるでなさすぎる。

 分かりやすく表面でしか物事を判断出来ない。人々の怨嗟(えんさ)や思惑を相手にするには致命的だ。

 

 柳瀬さんみたいな狡猾(こうかつ)で腹黒い人には香流さんみたいなタイプはさぞ可愛らしく映ることだろう。

 あぁ。ムカつくけど、俺だって同じ気持ちだよ。


「私の血に位置を特定する魔力を付与していました。地球の神がいると言う警察庁へ潜り込むためです。私の『白い血』は結界を(くぐ)り抜けられる能力があります」

「あ、そう言えば柳瀬が兎の血が発信機だって言ってたな」


 香流さんはぽんと両手を打った。勝手に手を離さないで欲しい。俺は睨み上げながら香流さんと手を繋ぎ直す。


「ご存知の通り、私たち『白百合の純潔』は地球の神の命を奪うよう指示を受けていました。『白百合の純潔』は、私たちの世界では救世主と呼ばれています」


 やってることは童貞狩りと怪しい露天商なのに⋯⋯?


 何でも言ったもの勝ちだな。祭り上げている者たちにこの人達が何をしているのか教えて差し上げたい。


「なんで地球の一個人を狙うんですか?」

「⋯⋯『白百合の純潔』の創世主が、警察庁の柚木と言う人物を殺せば、願いをひとつ叶えてくれるというのです」

「―――なぁ、お前の叶えたい願いは何なんだ?」


 いや。この人は突然何を言い出すんだ。


 俺は思わず目を剥いた。後ろで川崎さんが口元を押さえている。笑い事じゃないんですよ!と声を上げたかったけど、俺はぐっと堪えた。


「え⋯と⋯⋯」


 ほら困ってる!


 ひとの命を狙ってまで叶えたかった願いを、その狙われてた当事者に聞かれてすごく困ってる!


「⋯⋯姉に、会いたくて」


 兎の女の子は戸惑いながらも答えた。

 あぁ、この子も素直な子なのかな。直球と直球がぶつかり合ってキャッチボールになるのか皆目見当もつかない。

 香流さんはどう回答するのか。あえて俺が黙っていると、香流さんは真っ直ぐな瞳で言った。


「じゃあその姉捜しは俺が協力してやるよ。だから、もうアイツらに関わるのはやめておけ」

「⋯⋯いや、香流さん殺されかけたんですよ?」


 やっぱり黙っていられなかった。アホなのかなこの人は。

 

「俺に実害はねぇ!」

「確かに!実害があったのは黛さんの方ですね!」


 アホだったなそう言えば!俺はもう嫌という程理解してるんだった!


 香流さんが黙った。川崎さんは後ろを向いてずっと震えている。


「ねぇ香流さん。ちゃんと後先考えて発言してますか?この子が今も『白百合の純潔』と繋がってて連絡を取り合ってる可能性は?そもそもこの子が首謀者だと言う可能性は考えないんですか?」

「⋯⋯でも、」

「でもじゃないんですよ!自分の命を軽んじる発言は慎んでください!」


 前から気になってたけど、香流さんは自分への危害についてまるで無頓着すぎる。

 木戸さん相手にも同じことが言える。天然なのか本気なのか分からないけど、自分に対して悪いことをする狼を見抜けないのは警察官(うさぎ)として如何なものか。

 間違いなくこれは香流さんの悪癖だ。ビシリと指を突き立てる俺に、香流さんは拗ねたように唇を尖らせている。


「そもそもこの子の名前も知らないですよね!素性も何も知らないのによく協力してやるとか言えましたね」

「夏椎の方が警察官向いてるんじゃない?」


 川崎さんが笑いながら香流さんの頭を撫でた。香流さんは悔しそうな顔をしながら、もう何言えないのか川崎さんにもされるがままになっている。


「香流さんはもう黙っててください。俺が話を聞きますから」

「はい⋯⋯」

「俺から離れないんですよ」

「はい」


 微妙な空気の中、川崎さんが用意してくれていた丸椅子に座って俺達は兎の女の子と対面する。

 右側に扉、左側に窓。香流さんの動きと口は封じたから一先ず安心とは言え、油断は禁物だ。

 川崎さんはくすくす笑いながら仕事へ戻って行った。笑いごとじゃないんですよと言いたい気持ちを抑えて、不満そうに黙ったままの香流さんを横目で見る。

 さて、何から聞き出そうか。考える俺の前で、兎の女の子が自ら口を開いた。



 ★★★★★


(柚木)


 夏椎がとても怒っている。

 怒らせている自覚はあるので、言う通り黙って座っている。俺の方が大人なのに全然頼ってくれないしむしろ付属品扱いされているのが不服だけど、夏椎には夏椎の考えがあるようなので大人らしく見守ることにする。

 兎の獣人は穏やかな表情で座っている。その落ち着いた様子からは敵対心は感じられない。

 それでも、黙ってろと言われた手前大人しくお口チャックをしていた。まぁ俺は大人だからな。子どものやりたいことを見守るのも立派な大人の役割だ。


「私の名前はアリアスと言います」


 静かな部屋で、アリアスと名乗った兎の獣人は話し始めた。


「サリュアーナと言う星からやって来ました。リンデブルグと言う国の第6王女です」

「⋯⋯⋯」


 黙ったまま、俺はアリアスの言葉を反芻していた。

 その星の名は聞いた事がある。一度だけ耳にしたその名は、彼女がどうかここに置いて欲しいと泣き笑いの顔で懇願した出生星の名前だ。

 確か、あれは5年くらい前だったかな⋯⋯。


「私が探しているのは、第1王女であるエリーゼお姉様です。エリーゼお姉様は膨大な魔力を有して産まれました。第1王女にも関わらず離宮で暮らすことを強いられ、ずっと冷遇されていました。妾腹の娘である私よりもひどい扱いだったのに、エリーゼお姉様は泣き言も誰の悪口も言いませんでした。⋯⋯私はそんな優しいエリーゼお姉様が大好きでした」


 アリアスはその光景を思い浮かべるように、ゆったりとした口調で話を続ける。


「私は煌びやかなお城の中で、美しいドレスを仕立てられる姉たちと比べて質素なドレスを着たままのエリーゼお姉様を見るのが悲しかったのです。たまに姉たちのおこぼれでもらえたお菓子を抱えては、真っ直ぐにエリーゼお姉様の元へ向かうほどには幼い時分よりずっと慕っていました」


 エリーゼお姉様って言う人が第1王女で、アリアスは第6王女。じゃあその間には5人の王女がいるのか。

 多いな⋯⋯。そういや愛敬も元王女だったな。よその世界や星では王女様が外に出るのが流行ってんのかな。


「5年前、城下町で突然疫病が流行したのです。城の者はエリーゼお姉様のせいだと勝手に決めつけて⋯。いわれのない罪で断罪されたエリーゼお姉様は、民衆の目の前で処刑されて⋯!私は何も出来なかった。何度も違うと声を上げても、何の役にも立てなかった⋯⋯!」


 アリアスはぽろぽろと大粒の涙を零す。

 大事な人がいなくなることの辛さは、俺にもよく分かる。思い出したくもない赤い光景は脳裏に焼き付いて、息ができなくなるほど苦しかった。

 それが、息ができている自分に気付いて俺は少しだけ驚く。

 

「処刑されたんですよね?⋯⋯なのに地球へお姉さんを捜しに?」

「⋯⋯疫病の流行を鎮静化するために、『白百合の純潔』は結成されました。その創世主が、私のところへ来てエリーゼお姉様が異世界へ行った可能性があると⋯⋯」

「⋯⋯死体は?」

「確かに埋葬されています。⋯⋯それでも、エリーゼお姉様なら変わり身を立てて異世界へ飛ぶことも不可能ではないと思いました」


 異世界へ飛ぶ。

 時空魔法の使い手なら心当たりがある。夏椎も知っている人物だ。

 いや、でもな⋯⋯。そうだって言って違うかったら可哀想だもんな⋯⋯。

 うーんと俺は腕を組んだ。目の前の子ども達は、真面目な顔で話を続けている。


「疫病の鎮静化をするために結成された組織が、何でまた呪術なんか⋯⋯」

「『白百合の純潔』は疫病から国を救ってくれる救世主だと名乗っていました。自分の国を救うためなら他の犠牲は仕方ないと、そう大義名分を掲げていたのですよ」

「あぁ、戦争でよくある話ですね」


 何でふたりして敬語使ってんだろうな⋯⋯。


 俺は約束通り口を挟まずに見守る。口を挟むと余計なことを言うなと言われてしまいそうだったのでまだお口チャックは継続中だ。


「それで、アリアスさんはどこまで関わっていたんですか?」

「私はエリーゼお姉様から教えてもらった時空魔法が使えます。『白百合の純潔』の創世主に言われた通り、時空魔法を魔石に付与して使用していました。怪我を負うことも自分から志願しました。先程も言いましたが、私の『白い血』は結界や障壁をすり抜けることができるからです」


 アリアスは自分の腕を撫でた。『白い血』っていうことは血まで白いのかな。ちょっと気になるけど、口は挟まない約束だ。

 

「私は王族とは言え、使用人の娘です。使用人であった母は白黒兎の獣人でしたが、私は偶然一切の色を持たずに生まれてきました。白はリンデブルグでは高貴な純潔の色です。この色だから妾腹の身でありながらある程度の待遇は保証されていました」

「王族の割には結構な怪我を負っていましたよね⋯⋯」

「⋯⋯時空魔法と地球の神の居場所さえ特定できれば私は用無しだったのでしょう」

「なら何で『白百合の純潔』の方はここへ来たんですかね」


 思案する夏椎に、俺は手を挙げた。

 真っ当な発言権を得るためだ。夏椎は冷ややかな瞳で俺を見てから、「⋯⋯どうぞ」と答えた。


「移動手段の魔石は森谷が持ってるから、もう一度時空魔法の使い手が必要だったんじゃねぇかな」

「香流さん、敬語は?」

「⋯⋯必要だったんじゃないでしょうか?」


 なんで俺まで敬語?敬語苦手なのに?


 嫌だったのが顔に出ていたのか、夏椎ははぁとため息をついた。ため息をつきたいのは俺の方なんだけど、それを言って怒られるのは嫌なので両手で口を塞ぐ。


「もう普通に話していいですよ」

「敬語苦手⋯⋯」

「でしょうねぇ。で、その移動手段って何なんですか?」

「魔石が埋め込まれた指輪だよ」


 そう言えばアイツ、あの指輪を雑にズボンに入れたままその後どうしたんだろうな。

 今も柚姫の遠征について行ってるけど、持って行ってるんじゃねぇのかな。それは『白百合の純潔』とか言う組織も困るだろうなぁ⋯⋯。

 

「あの魔石には魔力を増幅させる能力があるのです。私ひとりの力では、ひとりを移動させるので精一杯なので」

「⋯⋯ちなみに、エリーゼお姉様って言う人はどの程度移動させられる?」


 一応確認のため聞いてみる。俺が知ってるあの人は、何でもかんでも繋げることが出来る大魔法使いだったはずだ。


「エリーゼお姉様は天才なので、あらゆる時空を操ることが出来ます。人も、物にも制限はありません」

「見た目に特徴は?」

「金髪に美しいエメラルドの瞳です」

「⋯⋯あ!」


 夏椎も俺と同じ人物が思い浮かんだようだ。

 同時に顔を見合わせる。それから、一緒に頷いた。


「偶然じゃないよな」

「確かに、仕組まれてそうですね」

「あ、あの⋯⋯?」


 アリアスが困惑の表情を見せる。

 俺が口を開く前に、夏椎が勢いよく俺の口を手で塞いできた。びっくりして言葉を失ってしまう。


「あなたのお姉さんに心当たりがあります」

「⋯⋯っ!」

「ただし、お姉さんの元へ連れて行くのは全てが終わった後です。俺はあなたを信用していないし、犠牲者がいる以上例え子どもでも罪は償って頂く必要があります」


 俺より警察官みたいな事言うな⋯⋯。


 俺的にはまだ子どもなんだから、家族に会いたいと言う願いは無条件に叶えてあげてもいいんじゃないかと今も思ってはいる。

 けど、まぁ夏椎もある意味被害者だからな。巻き込まれてしまった以上、子ども同士で話し合えるならそれに越したことはないか。

 誰がどう言おうと、俺はアリアスを裁く気にはなれない。

 この子は大人の思惑に()め込まれただけの可哀想な子どもだ。

 移動手段の提供や、自らを犠牲にした俺の居場所の特定くらい許す許さない以前の問題だ。

 ただ、その背後を許すつもりは毛頭ない。

 

『白百合の純潔』は壊滅させる。現世の生き物への被害、そして異世界の疫病も自作自演の可能性がある以上奴らに許しを与える選択肢はない。

 何よりアイツらはまゆに危害を加えようとした。それだけはいくら許しを()うても絶対に許さない。


「な⋯っ、何でもします!お姉様に会えるなら!」


 アリアスの悲痛な叫びが病室に響く。

 俺は夏椎の手を下ろした。夏椎の視線を受けながら、作った笑顔を返す。


「アリアスに関しては夏椎に任せる。お前は俺より交渉上手いしな」

「香流さんより交渉下手な人、この地球上にいないと思いますよ」


 夏椎にじとりとした目で睨み付けられた。


「碌に話も聞かずに許そうとするし、アリアスさんがどんな人物なのか把握も出来ていないのにお姉さんと引き合わせようとするし。いくらなんでも判断がザル過ぎます」

「そうかなぁ⋯⋯」

「ですが、香流さんのいいところはその素直でアホな優しいところです。その利点を活かして柳瀬さんや木戸さんと『白百合の純潔』対策を考えてください」

「一切褒められてる気がしない」


 子どもにアホって言われるのはちょっと嫌だ。そう思うのに、夏椎は訂正するつもりはないのか思い切り眉間に皺を寄せる。

 

「あのふたりなら香流さんが何を言っても喜んで動いてくれるのは間違いないんですよ。それと中川さんも!」

「中川⋯⋯あ、そうだ。アリアス、退院したらしばらく教会で寝泊まりしておけ。教会なら中川の結界があるから、『白百合の純潔』も死神も寄せ付けないだろ」

「⋯⋯滅されないですか!?」


 滅される?


 アリアスから魔の気配は感じない。夏椎はアリアスのことを敵だと言いながら心配してあげれる優しいやつなんだな。

 さすが翔真と晃の大事な人だ。嬉しくなって俺は思わず夏椎の頭を撫でた。


「夏椎は優しいな。大丈夫だろ、アリアスからは魔の気配はしない」

「心配して下さってありがとうございます」

「⋯⋯それなら良かったです」


 夏椎はにっこりと微笑んだ。いい友達になれそうだし、このままアリアスは夏椎に任せておいて大丈夫そうだな。

 それにしても、いいなぁ魔法。時空魔法は使いたいとは思わないけど、火とか水は出してみたい。


「なぁ、アリアスは他に何の魔法使えんの?」

「私の得意魔法は水魔法です!」

「水魔法ってどんな?」

「空間の水蒸気を集めたり、水をお湯に変えたり出来ます!」

「いいなぁ〜」

「⋯⋯もう好きに話してください」


 夏椎から許可が降りたので、魔法のことや王国のお菓子の話を教えてもらう。

 生クリームを焼いて固めたお菓子は中川が好きそう。そう言えば『兎の目』でもエリックが似たようなお菓子を出していたことを思い出す。

 大丈夫、家族は繋がっている。

 命をかけたアリアスの願いが報われるように。『白百合の純潔』は必ず壊滅させないとな。

そして夏椎の思いを分かってない柚木です。

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