白兎事件編18(対話・1)
夏椎が香流に向ける感情に気づきます。
柚木は理不尽さを感じていた。
ゼウスからちゃんと配下を使役しろと言われたからその通りにしたのに、なんかいっぱい色んな人に怒られた。
何故か夏椎にまで正座させられた。翔真と晃はちゃんと省いたのに⋯⋯。
各位関係者への謝罪(黛がしていた)と、
職務放棄した者を釈明する書類作成(黛がしていた)と、
麻痺した交通整備の手配(黛がしていた)と、
事故に伴う報告書作成(黛が以下略)と⋯⋯。
ひたすらに忙殺される黛を可哀想に思い、柚木が中川と木戸に黛のフォローをするようお願いしていた。2人ともふたつ返事で了承したのを見た夏椎は呆れ返っていた。
夏椎も翔真と晃の鬼のようなメッセージと着信履歴を見て、苦笑する。「香流さんと合流したから大丈夫だよ」と簡潔に返して、スマホはポケットの中へしまい込んだ。
今はどうしても、柚木と2人になりたかったからだ。
★★★★★
(夏椎)
「香流さん」
「なに?」
警察庁の玄関を出たところで、俺が制服のポケットからスマホを出すと、香流さんはその手を下ろして静かに首を振った。
「今はその時じゃない」
「じゃあ今は何の時ですか」
「さっき柳瀬がお前を連れ出したって言ってたけど、何で?」
香流さんは可愛らしく小首を傾げる。本当に見た目だけは暴力的に可愛らしい人だ。
今日はダボッとした私服姿も相まって女の人にしか見えない。うっかりすれば意識してしまいそうな自分に首を振って、俺は香流さんから少し目線を逸らした。
「そもそも、あの人はどんな方なんですか?」
「柳瀬はあんまり俺達以外と関わりたがるタイプじゃないんだよ。人見知りすると言うか、ほら、猫って懐いてない人には牙を剥くだろ?」
「猫なんて可愛らしいものですかね」
虎か豹の間違いじゃないだろうか。
俺はげんなりとした。香流さんにはあの獰猛さが感知できないなんて、警察官としてとても残念な人だ。
「どうやら俺には利用価値があるみたいですよ」
「夏椎も強くなったもんな」
「すかさず褒めてくる」
まだ怒ってるのに嬉しくなることを言わないで欲しい。
俺達は静かになった街の中を歩き始めた。ところどころ建物がヒビ割れている。交通整理がされている箇所はいくつかあるけれど、概ねいつも通りの街中へ戻っている。
香流さんは俺どころか黛さんにまで怒られたことが堪えたのか、少ししょんぼりしているように見えた。
普段の黛さんは怒らなさそうだもんなぁ。その上で父さんとテレビ電話しろとも言えない自分も大概甘いなぁと乾いた笑みしか出てこない。
俺達が歩いている理由は、川崎さんから兎の女の子が起きたと連絡が入ったからだ。
兎の女の子は取り乱す事もなく、静かに看護師達と話が出来ていると言う。
女の子が命の恩人に会いたいと言うので、俺のお供として自分も行くと香流さんが川崎さんに伝えていた。
聞くところによると、院長先生は獣人と子どもが嫌いらしい。そのため、俺が被害を被らないようにするため香流さんが女の子を助けたことになっている。
その院長先生は俺が(厳密には柳瀬さんが)病室に突撃した事にも憤慨しており、川崎さんは始末書を書かされた上4ヶ月の減給をくらったそうだ。完全なとばっちりを受けた川崎さんは、それで済むなら良かったと落ち込む俺を慰めてくれた。
俺の付き添いを理由に書類業務から颯爽と逃げ出したこっちの保護者とはえらい違いだ。
「なるほど。柳瀬が夏椎を連れて兎の獣人のいる病室へ突撃して、そこにいた白い法衣の女の人が自害して、現れた死神は夏椎と柳瀬に目もくれず兎の獣人だけを狙っていた⋯⋯」
俺から聞いた事の経緯を香流さんは反芻する。
腕を組んで、うーんと眉間に皺を寄せた。見た目は可愛らしくても、香流さんが取る動作のひとつひとつは男らしくてどうにもちぐはぐだ。
「勝手に夏椎を連れ出して危険にさらして、挙句に賢吾がとばっちりを受けた⋯⋯。目的のためなら手段を選ばないのは柳瀬の悪いところだな」
大型ブーメランが直撃していることには気が付かない香流さんである。
「何なんですか、あの人。怖かったんですけど」
「柳瀬は性格は悪いけどいいやつだよ」
「矛盾って言葉知ってます?その短い台詞の中に相反する言葉が入ってますよ?」
「だって俺は怖い柳瀬を見たことねぇもん」
あっまやかされてるなぁ〜。
砂糖菓子かな?脳みそ金平糖なの?いて欲しかったなぁ、あの現場に。この人の友人のせいで俺だけ怖い目に合わなきゃならなかったのがなんか腑に落ちない。
「あの柳瀬さんに何をしたらそんなに甘やかされるんですか?」
「何したら⋯⋯。殴り合い?」
「陽の者の解決方法が俺には理解出来ません」
そもそもあの人殴り合いとかするんだ。
柳瀬さん相手にスポ根的な解決方法が出てくるとは思わなかった。夕日に向かって走ったりしたのだろうか。
いや、想像力の限界だ。俺は思考を放棄した。
「柳瀬はあんまり自分のこと教えてくれねぇんだよな。中川は聞いてもないのにペラペラ喋るけど」
「そりゃあどっちも香流さんとは相性良さそうですね」
思わず言葉に棘が入る。
香流さんはまた小首を傾げた。
「まだ怒ってんの?」
「いや、怒る怒らないとか以前にですね。急に連れ出される前に情報共有はしっかりしておいて欲しかったです」
そもそも、俺は死神の存在すら知らなかった。
柳瀬さんの言葉を思い出す。
―――流石の柚木もガキは全く信用してねぇんだな。
「俺にもきちんと事の経緯を話してください」
「⋯⋯やっぱり怒ってる?」
「えぇ。怒ってますよ。大事な話をしてくれないから!」
あの兎の女の子を助けると決めたのは俺だ。
それが原因で香流さんが何かトラブルに巻き込まれているなら教えてくれたっていいじゃないか。
「あの死神は何ですか」
黒い法衣に白い骸骨。
名の通り死神然としたアレは、真っ直ぐに兎の女の子だけを狙っていた。
それに、死神が現れたのは白い法衣の女性が自害した瞬間だ。柳瀬さんは何も言わなかったけど、あの死神は間違いなく生贄を必要とする何かだ。
どんなカラクリなのかは分からない。けれど、死神を召喚するために何かしらの命の媒介が必要ならば。
あの存在は、明確な悪意のある存在であることは間違いない。
俺が足を止めると、香流さんも足を止めた。どんな答えが返ってくるのかと思えば、俺を見下ろした香流さんは腕を組んでキッパリと断言する。
「俺もあの死神が何なのか知らねぇ!」
「そんなことだろうと思ってはいましたけど!」
あぁもう、この人のせいで危険に巻き込まれるのを承知で聞いたことも、シリアスっぽい雰囲気も全部台無しだよ!
「だって俺も何も聞かされてねぇもん!」
「でも香流さんが死神を倒すように生き物達を仕向けたんでしょ!?」
「ちまちま探したりおびき出すのがめんどくせぇなと思ったからだよ。死神が何体いるのか知らなかったし、その方が効率いいだろ」
「それで怒られたんですよね?反省は?」
「⋯⋯⋯」
あ、黙った。
「まぁ⋯⋯怪我人もいなかったしその話はいいじゃないですか」
「話を蒸し返したのは夏椎だろ」
「えぇ、まぁ定期的に反省はして欲しいですけどね」
にっこりと笑顔を浮かべると、香流さんは顔を引き攣らせる。俺はこほんと咳払いをした。
「話を戻しますね。白い法衣の人が自害して死神が出てきたってことは、死神を呼び出すには生贄が必要だって事ですよね」
これは、俺の中での断定事項だ。実際目の前で起きたことなのだから揺るぎようのない事実は、口に出すとやけに重く感じる。
「俺が見たのは3体、俺が起きた後に報告があったのは4体、夏椎と柳瀬が倒したのが1体だろ?少なく見積もっても8人分は犠牲があったってことか」
「それで死神はいなくなったんですかね」
「中川と木戸は俺の後ろに何も見えなくなったと言ってたけどな。アイツらが狙ってたのは俺だったと思うんだけど、何で兎の獣人を狙っ」
「ちょっと待ってください、死神って香流さんを狙ってたんですか?」
香流さんは分かりやすく両手で口を押さえた。いや無理ですからね。それで何を隠し通せると思うのか。
「兎の女の子を狙ってたんじゃなくて、香流さんなんですね?」
「⋯⋯気のせいかもな!」
アホなのかなこの人は。
あぁ、だから柳瀬さんは「柚木から何も聞いてないなら俺から話すことは何もねぇ」と俺の疑問を切り捨てたのか。
合点がいった。
柳瀬さんが俺を小馬鹿にしたような微笑みを見せたことも。
木戸さんが急に香流さんと住むと言い出したことも。
俺たちを教会へ預けて、2人でA地区へ行ったことも。
そして、
―――奴らにお前が柚木の味方だと示す必要がある。
柳瀬さんが死神に対して言った言葉。
アレは、俺に向けて言ったんじゃない。
死神の裏にある、香流さんが高次の存在と忌々しく呼ぶ何かに向けて言ったんだ。
「⋯⋯ムカつく」
そりゃあ、まだ人外相手には役に立たないよ。
いくら特訓してるって言ったって、まだまだ神獣さん達の足元にも及ばない。
香流さんを守りたいなんて大それたことは思わない。香流さんは強い。それも知っている。
でも、ただぬくぬくと守られているだけなんて俺の性に合わないんだ。
「香流さん。この際だからきちんと言っておきますけど、俺は香流さんの味方ですよ」
友人ではない。保護者代理といったって家族でもない。
この関係の名前は知らないし、いらない。俺がどうしたいかを決めていいと言ったのは目の前のこの人だ。
「身の振り方は自分で考えますから。ちゃんと何が起きてるか教えてください」
「だって首突っ込んで来そうなんだもん⋯⋯」
「それを判断するために知りたいって言ってるんです」
香流さんが関わるなと言うなら関わるつもりはない。けど、俺の後ろについているものが関わっているならいずれ関わることになりかねない。
その時の立ち位置は間違えたくない。
「俺は香流さんのことが好きですよ」
それだけは間違いない。
後先考えないアホでも、父さん以外に自分を受け入れて大事に庇護してくれる大人だ。
大事にしたいと思う。
それは木戸さんが香流さんに向ける恋情でも、
柳瀬さんや中川さんが香流さんに向ける友情でも、
柚姫さんたち家族が香流さんに向ける愛情でもない。
「どんなにアホでも、俺は香流さんを尊敬してるんです。⋯⋯最初から突き放すようなことはしないでください」
隣には立てなくても、せめて背中をついて行くくらいはしたい。
目を伏せる俺の頭を、香流さんはぽんぽんと優しく撫でてくれた。
「お前らを突き放そうなんて思ってないよ」
香流さんの声は優しい。
ワガママじみた俺の言い分を、香流さんは否定しない。それはこの人の優しさであり、甘さであり、⋯⋯俺の好きな香流さんの一部分だ。
「俺は昔から自分の話をするのは苦手なんだ。夏椎が聞きたいことは聞いていい。可能な限りは答えるよ」
「⋯⋯なんで死神に狙われてるんですか」
「なんか知らねぇけど、俺を手に入れると地球の生き物が掌握出来るって話が昔から広がってる。多分、今回もそれ絡みじゃねぇかな」
俺は顔を上げた。俺の目を見て、香流さんは話を続ける。
「今回は殺しにかかって来てるから、高次の存在も噛んでるんじゃないかな。アイツらは俺を殺したがってるから」
「香流さんは死ぬんですか?」
「いや、死んだことないから知らない。日付が変わると怪我は治るし、首撥ねられたり心臓止められたりしたことはないから⋯⋯どうなんだろうな?」
「いや、聞かれても⋯⋯」
俺も怪我は治るので何とも言えない。確かに、首が胴体から離れたり、心臓が止まったり、脳が潰されたりしたら俺も死ぬのか⋯⋯?
「まぁまだ家族のためにも死にたくねぇから、今回は俺の方から反撃してみたんだよ!」
「そしたらその結果、たくさん怒られたと」
「定期的に話を蒸し返してくるのやめろ!」
「いや、反省して欲しいので⋯」
俺は自然と笑みが溢れた。
良かった。何も知らないまま香流さんがいなくならなくて。
話していたら覚悟も出来た。俺の中でわだかまりが溶けていく。
自分のことは自分で決める。
俺は、自ら進んでこの事件に関わりたい。
「香流さん、これまでの情報を整理しましょう。これから兎さんに聞く必要な話を纏めておいた方がいいです」
「う、うん」
俺はスマホを取り出した。メモ機能を開いて、文字を入力していく。
「まず、始まりは俺が兎さんを助けたところからですか?」
「いや、始まりはそこじゃない。奴らはニールの雑貨屋から出入りしていたことが分かっている。そこから現世へ行って、呪術を使用するのに必要な生贄を集めていた可能性が高い」
「必要な生贄⋯⋯」
「夏椎は知らないか?現世で行方不明になった若い男が臓器を抜かれてたっていう、柳瀬いわく童貞失踪事件」
「かわいそう」
色々と可哀想な事件だ。ネーミングのせいで犠牲者も浮かばれない。
「呪術を使用するには純潔の臓物を媒介にするのが最適なんだって。前に愛敬が話してた」
「なんで愛敬さんは勇者なのにそんな事知ってるんですかね?」
「柳瀬経由だろ。柳瀬が俺に話さなくても、愛敬は口が軽いからな」
はぁ、と香流さんはため息をついた。
「アイツらは油断ならない。俺は絶対に敵に回したくない」
何となく言っていることが理解できてしまって、俺も乾いた笑みを浮かべる。
「現世で上手くいったから島でも同じような事をしようとしていたみたいだけど、A地区は柳瀬が管理しているし、既に童貞失踪事件の情報が出回っていた。学校でも気をつけるよう喚起してもらっているから、初物の男は集められなくなった。⋯⋯それで露天商か」
「あぁ、魅了の効果があるアクセサリーですね。あれはどうしたんですか?」
「証拠品としてまゆに渡しておいた」
それは大層嫌な顔を浮かべてただろうな。黛さんの心情をお察しする。
「木戸が魔道具を回収したから純潔の女も集められなくて、俺を殺す強硬手段に出てきたと⋯⋯。ムカつくけど、あの時は木戸がいて助かったんだよな」
「教会での話ですか?」
「アイツ、ずっと俺の上に死神が見えてたらしいぞ。だから俺と一緒にいたかったんだってよ」
あの人の場合それだけじゃなさそうだけど⋯⋯。
俺は生温かい瞳で香流さんを見上げた。
「なんだよ」
「いえ?で、今になってなんで兎さんに接触して来たんですかね?」
「それがよく分かんねぇんだよなぁ」
柳瀬さんが何を思って兎の女の子の元へ向かったのかが分からない。
白い法衣の人へ拷問をかけていた様子から考えて、単純に兎の女の子を守りに来たなんて生温い理由は考えられない。
だとしたら、あの兎の女の子がまだ相手側にとって利用価値があると考えたのだろうか。なら、その根拠は?
「倒した死神は8体⋯⋯。現世での失踪事件の被害者はどれくらいなんですかね」
「分かんねぇけど、もしかしたら効率よくマナを集めるために狙いを島へ定めたのかも知れない。人間だったら10人の生贄が必要でも、魔術師だったら1人の生贄でいいならその1人を集めた方が手っ取り早いだろ」
「人と人以外のマナ量は違うんですか?」
「ゼウスからマナっていうのは身体の中を流れる素粒子のようなもので、種族や個人が持つ能力によって違うと聞いたことがある。そうだ、夏椎。手貸してみろ」
香流さんは手のひらを出した。俺は戸惑いながらもその手にそっと自分の手を重ねる。
突然、香流さんの瞳が真っ赤になった。俺は思わず「えぇ!?」と素っ頓狂な声を上げる。
「夏椎のマナは赤い」
「か、香流さん目が赤くなってますよ!」
「あぁ、お前と同調してるからだろ」
事も無げに香流さんはそう言った。相変わらず不思議な人だ。いや、そう言えばこの人は人じゃなかった。
「今から夏椎に俺のマナを流す」
香流さんが言うのと同時に、身体の中がほんのりぽかぽかと温かくなってきた。
イメージするなら柔らかな金色。乳白色の中に金糸が混ざったような、なんと言うか⋯⋯すごく落ち着く感じがする。
ふと、父さんに抱っこされていた幼少期を思い出した。
そして、もっと昔の―――
「な?俺とお前じゃ違う⋯⋯」
香流さんが息を飲んだのが分かった。
でも俺は答えられない。頬を伝う滴が熱くて、上手く声に出せない。
「な、何で泣いてんだ!?」
香流さんは慌てて俺から手を離す。ふ、と優しい金色が見えなくなって、俺は長い息を零した。
「お母さん⋯⋯」
とても優しい記憶だった。
俺を産んですぐ亡くなったお母さん。父さんからよく話は聞いていたけれど、ずっと現実味がなくて本当にいたのかも曖昧な存在だった。
今だって何も覚えていない。
けれど、見えた気がした。憶えていたような感覚があった。
優しい感触。触れてくれた細い指先。
柔らかな声音で、子守唄を歌ってくれた。
「お、お母さん⋯⋯?」
香流さんが目の前でオロオロしている。
そうか、何となく俺がこの人の側から離れられない理由が見えてきた。
香流さんには口が裂けても言えない。大人の男を自負して生きている香流さんに母性を求めているかもしれないなんて、そんな格好悪い話が出来るはずがない。
「い、嫌だった⋯⋯?」
香流さんが絞り出すように聞いてくる言葉を聞いて、俺は首を横に振った。
「香流さんは優しいひとですね」
「ま、まぁ俺は警察官だからな⋯⋯?」
「でも、香流さんが死神に狙われている理由はよく分かりました」
アレは、悪意のあるものからすればさぞ煩わしいものだろう。
あんなものを見せられればこの人に害意を持てるものなどいない。ひとの悪意を餌にしているものからすれば、それが怖くて、鬱陶しくて、仕方ないんだ。
父さんの裏にいるものが何なのかは分からない。
一度電話越しに聞いた時も、曖昧にはぐらかされて終わってしまった。
でも恐ろしいものだということは理解している。空の上でその姿を見た時も、良いものに好かれているとは到底思えなかった。
「兎さんの元へ行きましょう」
「う、うん⋯⋯?」
俺は香流さんの手を引いて歩き始めた。




