表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
必殺学生人  作者: 神保知己夫
レポート用紙 4冊目
39/42

あれから十年たちました(笑)

 早いもので、あれから十年たちました(笑)。

いろいろあったね。冷戦は終わったし、日本はバブルが来て去ってったし、オウム騒動とか、俺と似たような殺人犯もいっぱい出た。暴力団新法もできたし、それからニルヴァーナのカート・コバーンは、ショットガンで自分の頭を吹き飛ばしちまった。

 あの後、結局俺はパクられた。オオゴトになったけどさ、人間ってのは元来したたかにできてんだろうね。お袋なんかさっき面会に来てたけど、明るかったぜ。無理してそうしてるわけでもないんじゃない? そういう時期もあったけどさ。俺が家裁で審判受けてる最中に旧姓に戻したけど(親父はもう死んでたしね)、その時期がいちばん辛かっただろうね。兄貴も一緒に名字変えて、それからは息を殺して生きてきたんだそうだ。奴はぜんぜん会いに来ないね。まだ俺のことが赦せないんだって。そうだろうね。べつに言い訳するつもりはないよ。だって、そっちのほうが人間としてわかる気がするもんな。

 三村はいま刑務所。自分で自首したそうだ。何考えてんだろうね、自分から何十年も懲役食らって。

 吉本は自殺した。でもこれは俺とは無関係だと思う。だってアイツが死んだのは、今年に入ってからだもん。女にフラれたからとかなんとか聞いたけど、それもなんだかね。俺の知るかぎりじゃ、そんなタマかなって思うんだよな。遺書はなかったらしい。で、ヤツのお袋さんが遺品の中から俺が書いたレポートを見つけて、ココに送ってくれたわけだ。改めて読み返してみるとずいぶん記憶と違うなあ。警察でも調書を作るときにずいぶん細かいトコまで詰めたけどね、ただアレはこっちと向こうの妥協の産物だからさ。いや、当時俺自身にも調書に書いたことがウソだって意識はなかったよ。それどころか完全に刷り込まれちゃって、信じきってたよ。だから前に出た俺の手記ってのも、いま思うとだいぶウソがあるだろうな。アレは出版社の人が先に裁判資料の調書読んで(ヤバいかなコレ。普通の人が読んじゃいけないんだっけ?アレ。まあいいや、みんな前に出た本の印象が強すぎて、いまさらこんなの出版するトコないだろうし。)、とにかく調書と俺のインタビューから構成された本だからな。インタビューったって、あの頃俺は最初に送致された病院で拷問みたいな治療受けてたから、クスリで頭イッちゃいながら喋ってたもんな。でもレポートの方は事件と同時進行で書かれたもんだし、絶対こっちの方が信頼性があるよ。第一、あの本には清春の幽霊なんか出てこないしね。

 清春っていやあ、アイツの家族が俺のことを民事で訴えるんだって。あとで聞いた話だけどアイツん()は両親がいなくてジイちゃんとバアちゃんに育てられたそうだ。で、そのジイちゃんが最近死んで、バアちゃんも自分もいつまで生きられるかわかんないからって、それで裁判。でも相手がいつ死んでもおかしくないババアだからって、俺の支援団体の弁護士もナメきってるけどね。「裁判が終わる頃にゃ相手も死んでますよ」だって。(ああ、やっぱこれ絶対発表できんな)。いやホント、だから幽霊の清春なんか相手の神経逆撫でするだけだろうね。さっきウチのお袋が来てたのも裁判のことで、なんか全面対決するんだって。やる気まんまんだよ、まったく。

 俺が組長を殺した山野組は、結局福岡でNO.1の暴力団になっちゃった。一方、神龍会は抗争の後まで県警にコテンパンにやられて数百人に減っちまった。ま、俺がやったことは、大勢には影響はなかったってことだ。


参考)https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%86%B7%E6%88%A6

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%90%E3%83%96%E3%83%AB%E6%99%AF%E6%B0%97

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA%E3%82%A6%E3%83%A0%E7%9C%9F%E7%90%86%E6%95%99%E4%BA%8B%E4%BB%B6

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9A%B4%E5%8A%9B%E5%9B%A3%E5%93%A1%E3%81%AB%E3%82%88%E3%82%8B%E4%B8%8D%E5%BD%93%E3%81%AA%E8%A1%8C%E7%82%BA%E3%81%AE%E9%98%B2%E6%AD%A2%E7%AD%89%E3%81%AB%E9%96%A2%E3%81%99%E3%82%8B%E6%B3%95%E5%BE%8B

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8B%E3%83%AB%E3%83%B4%E3%82%A1%E3%83%BC%E3%83%8A_(%E3%82%A2%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%82%AB%E5%90%88%E8%A1%86%E5%9B%BD%E3%81%AE%E3%83%90%E3%83%B3%E3%83%89)

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%BB%E3%82%B3%E3%83%90%E3%83%BC%E3%83%B3

http://kasutorizassshi.blog.jp/archives/9947782.html

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ